1.皮膚の状態やしこりを確認
毎日のスキンシップの中で、愛犬の皮膚や被毛に触れることは病気の早期発見のためには非常に効果的です。ブラッシングやなでる習慣を活かして、皮膚に赤みや湿疹、脱毛などがないか、異常なしこりがないかをチェックしましょう。
しこりがある場合、良性か悪性かは見た目だけでは判断できません。気になるものが見つかったら、できるだけ早めに動物病院で診てもらうようにしましょう。
また皮膚は健康状態があらわれやすい部分でもあるので、日常的にチェックすることが重要です。
2.排泄物の状態を確認
犬にとってもうんちやおしっこは健康のバロメーター。愛犬の健康状態を知るための大切な手がかりです。毎日の散歩やトイレ掃除の際に、うんちやおしっこの色、ニオイ、回数、硬さなどをチェックする習慣をつけましょう。
たとえば血尿は泌尿器系の異常、ゆるいうんちや血便は消化器系の病気の可能性があります。また便秘が続いたり、トイレの回数やおしっこの量が極端に増減する場合も注意が必要です。
些細な変化でも、体のどこかに不調があるサインかもしれません。愛犬のいつもの排泄状態を把握しておくことで、異変にすぐ気づき、病気の早期発見につながります。
3.よだれ・口臭の変化に注意
口の中の状態も健康チェックの重要なポイントです。よだれが多くなったり、粘り気が強くなったり、普段と違う口臭がする場合、口腔内の病気や内臓疾患が潜んでいる可能性があります。
とくに歯周病や口内炎は進行すると強い痛みを伴い、食欲の低下や体重減少にもつながります。定期的に歯磨きをするだけでなく、歯ぐきの色や出血の有無、よだれの増減なども観察しましょう。
また内臓疾患が進行している場合は、口からアンモニア臭がすることがあります。
異常を感じたら早めの受診を心がけ、日頃からケアを続けることが大切です。
4.呼吸の変化に注意
愛犬がいつもと違う呼吸をしている場合は、肺などの呼吸器官や心臓の疾患、熱中症などが疑われます。
たとえば安静時なのに、呼吸が荒い、散歩の途中で息切れしやすくなった、暑くないのにパンティング(口を開けての激しい呼吸)をしている場合は、異常のサインである可能性があります。
毎日の散歩中や寝ているときの呼吸音を観察し、普段との違いを感じたらすぐに獣医師に相談するようにしましょう。とくに暑い季節には、熱中症に注意が必要です。
5.行動や動きの変化に注意
愛犬の普段の行動をよく知っているからこそ、ちょっとした変化にも気づけます。
たとえば、急に元気がなくなったり、よく寝るようになったり、反応が鈍くなるといった行動の変化は、体調不良のサインかもしれません。また歩き方がぎこちない、ジャンプを嫌がる、階段を避けるといった動きの変化は、関節や筋肉、神経系に何らかの問題がある可能性もあります。
さらに急に攻撃的になったり、逆に過剰に甘えるようになるなど、性格が変わったように見えるときも注意が必要です。
これらの変化は見逃されがちですが、病気の初期症状の可能性もあります。異常に気づくためにも、日頃から愛犬の様子をよく観察し、正常な状態を知っておくことからはじめましょう。
まとめ
愛犬の病気を早期に発見するためには、日々の観察とスキンシップが欠かせません。
たとえば皮膚やしこり、排泄物、口の状態、呼吸、行動の変化といった体からのサインを見逃さず、異常に気づくことも飼い主としての大切な役割のひとつです。犬は言葉で不調を訴えることができないからこそ、私たちがその「サイン」を正しく受け取る必要があるのです。
少しでも異常を感じたら動物病院を受診し、病気の早期発見・早期治療につなげましょう。