犬を飼うと想定以上の出費が重なることも多い
SNSなどで可愛い犬たちの動画や投稿を見て、「我が家にも犬を迎えたい」と思う人は多いでしょう。しかし、いざ迎えようかと検討した時、犬を飼うのにかかる費用に悩まされる人は少なくありません。
実際、何も考慮せずに「飼いたいから」という理由だけで犬を迎えてしまった結果、自分の収入やお金の使い方に犬を飼うライフスタイルが見合わず、泣く泣く犬を手放すことになってしまった……という身勝手な理由で保護団体や保健所に相談にくる飼い主が後を絶ちません。
犬を飼うと、想定していた以上の費用がかかったり、意外な部分で出費が増額したり、突然高額出費が嵩んだりするケースは多くあります。
こうした金銭的な部分でも愛犬に苦労をかけることなくのびのびと育ててあげるためにも、犬を迎える前にまずは自分の収入や毎月の支出、貯金額、ライフスタイルなどを見直して、本当に犬を迎えても大丈夫なのかどうか、ご家族とじっくり話し合いましょう。
犬を飼うのに『必要な年収・貯金額』は?
犬を飼うにあたって、安心してお迎えできる具体的な年収の目安や必要な貯金額とは、どのくらいになるのでしょうか。さまざまな点を考慮して考えてみます。
犬の生涯にかかる費用は250万〜300万が一般的
一般的に、犬の生涯にかかる費用は250万〜300万円が平均的だと言われています。ただし、これはあくまで平均的な金額です。犬によっては突然病気を患い、高額な費用が必要となるケースも多々あります。
また、犬種によってはトリミングサロンへ連れて行く頻度が1〜2ヶ月に1回と費用が嵩んだり、暑さに弱い犬の健康を守るために、夏場は冷房の温度設定を下げた状態で1日中つけっぱなしにしなければならない……といったケースも珍しくありません。
したがって、犬によっては300万円では収まらず、生涯にかかる費用が350万〜450万円まで上がることもあると考えておきましょう。
犬を飼うのに安心な必要年収は350万〜380万
犬の生涯にかかる費用の目安を把握したところで、犬を安心して飼える世帯年収はいくらくらいなのか、という点を見てみましょう。
犬にかかる生涯費用が300万円だと仮定した場合、犬の現在の一般的な寿命が14歳なので、単純計算で年間20万〜22万かかることになります。月に換算すると、約1万5000円〜2万円ほどです。
あとは飼い主のライフスタイル(お金の使い方)にもよりますが、1ヶ月に1万5000円〜2万円の負担が増えることを考えると、最低でも単身者世帯で年収350万〜380万円は必要でしょう。
先ほどもお話ししたように、犬種や犬によってはより金額がかかるケースも多いため、より安心してお迎えするには、年収400万円以上は確保しておきたいところです。また、家族の人数が多ければ、その点も考慮して現状を見直す必要があります。
突然の高額医療のために20〜30万の愛犬貯金が必要
さらに、犬を迎えるにあたって、突然の高額医療費を支払わなければならない場合などに備えて、常に愛犬貯金を20万〜30万は用意しておきたいところです。
一般的に犬の生涯にかかる治療費は80万〜100万円ほどと言われていますが、高齢期に入ると突然、大きな病に襲われることも珍しくありません。
実際、ある調査によると、犬にかかる治療費の平均は、0歳の年間治療費が約6万円だったのに対し、シニア期に突入した8歳では約12万円に、12歳では20万円まで増額しています。
手術などが必要な重い病気にかかってしまった場合は、さらに一度の治療で高額な費用負担が必要になるケースもあるので、いざという時に備えて少なくとも20万〜30万円は準備しておきましょう。
犬を飼い始める前にすべきお金にまつわる事前準備とは
犬を飼い始める前に、まずは現状を把握するところから始めましょう。現在、世帯収入はどれくらいあるのか、貯蓄がどのくらいあるのか、また毎月の出費はどのくらいなのかを確認し、収支を把握してください。
これを確認した際に、1ヶ月の収支に2万円以上の余裕がある場合、あるいは無理なく切り詰めて余裕を生み出せるのであれば、最初の関門をクリアできます。
続いて、犬にかかる生涯費用と飼い主側に必要な将来の貯蓄額との照らし合わせも重要です。犬にお金をかけていたら、老後の貯金ができずに困った……なんてことにならないよう、ファイナンシャルプランナーに相談してみましょう。
最近では、ペットを飼うにあたって現状の家計費と犬を飼うにあたって必要となる生涯費用などを考慮してマネープランを設計してくれるペットFPも存在します。同時にペット保険の紹介もしてくれるので、万全を期して犬をお迎えするためにも、相談することをおすすめします。
まとめ
いかがでしたか。犬を飼うにあたって、想定以上の金額がかかることに驚いた方も少なくないでしょう。しかし、それだけ命を預かるということは重いことなのです。ぜひ本記事を参考に、犬をお迎えしても大丈夫かどうか、ご家族で話し合ってみてください。