犬が不満を感じている『散歩の仕方』8選 毎日の日課が苦痛な時間となっている可能性も…

犬が不満を感じている『散歩の仕方』8選 毎日の日課が苦痛な時間となっている可能性も…

毎日欠かさず行っている散歩、もしかしたら愛犬にとって不満の原因になっているかもしれません。時間やルート、リードの使い方など、些細なことが愛犬の不満に繋がっている可能性も。本記事では、犬がストレスを感じる「散歩の仕方」や、飼い主が気づきにくいサインを解説します。

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記事の監修

2009年麻布大学獣医学部獣医学科を卒業。
2015年から横浜市内で妻と動物病院を営み、犬、猫、エキゾチックアニマルの診療を行なっています。
2024年現在、犬10頭、猫3頭、多数の爬虫類と暮らしています。
愛犬家、愛猫家として飼い主様に寄り添った診療を心がけています。
内科(循環器、内分泌など)、歯科、産科に力を入れています。

犬が不満を感じている「散歩の仕方」8選

散歩を嫌がる犬

1.同じ時間・ルートで変化が少ない

毎日決まった時間に同じ道を辿るだけの散歩は、犬にとって単調で刺激の少ない時間となりがちです。犬は新しい発見やニオイを嗅ぐことを楽しむため、変化のない散歩は探求心を満たせず、退屈を感じさせてしまう可能性があります。

時にはルートを変えてみたり、普段通らない道を選んでみたりすることで、犬は新鮮な刺激を受け、散歩への意欲を維持できます。また、時間帯を少し変えるだけでも出会う犬や人の変化があり、良い刺激になることがありますよ。

2.飼い主のペースで一方的に引っ張る

飼い主が自分のペースで歩き続ける散歩は、犬にとって大きなストレスとなります。

犬の体調やその時の状況によって、犬の歩くペースは変わってくる可能性があります。飼い主は、犬のペースに合わせて歩く必要があります。

3.リードが短く自由に動けない

短いリードは、犬の行動範囲を狭め、自由に動き回ることを制限します。犬が周囲のニオイを嗅いだり、少し駆け足になったりする機会を奪い、散歩の自由度が下がってしまいます。

状況に応じて伸縮リードを使用したり、広い場所ではロングリードに切り替えたりするなど、安全を確保しつつも、ある程度の自由度を与えることが大切です。犬が広い場所で探索行動を十分にできるよう配慮しましょう。

4.他の犬や人との交流を極端に避ける

社会性を持つ犬にとって、他の犬や人との適切な交流は精神的な健康を保つ上で重要です。飼い主が過度に他の犬や人を避け、挨拶やコミュニケーションの機会を奪うことは、犬の社会性を育む機会を失くし、孤立感を感じさせてしまう可能性があります。

安全な範囲で、他の犬との挨拶や友好的な触れ合いを促すことは、犬の社会性を豊かにし、ストレス軽減にも繋がるでしょう。

5.気候への配慮がない

暑い日中にアスファルトの照り返しが強い時間帯や、極寒の日に何の対策もせずに散歩に連れ出すことは、犬の体調に悪影響を及ぼす可能性があります。

犬種によっては寒さに弱かったり、暑さに弱かったりする特性があるので事前に調べておくようにしましょう。気温や天候を考慮し、時間帯を選んだり、必要に応じて犬用の服やクールグッズなどを活用したりするなど、適切な配慮が必要です。

6.犬の年齢や体調に合わせた距離やペースではない

子犬や老犬、病気療養中の犬にとって、成犬と同じような距離やペースの散歩は過度な負担となることがあります。

それぞれの年齢や体調に合わせて、散歩の距離や時間を調整し、無理のない範囲で行うようにしましょう。体調が優れない日には、短い散歩にとどめる、または休ませるなどの判断も必要です。

7.犬が興味を示し、ニオイを嗅いでいるのに急かす

犬にとって、散歩中のニオイ嗅ぎは重要な情報収集活動であり、楽しみのひとつです。それを急かしてしまうことは、犬の探索意欲の邪魔することになり、散歩の満足度を大きく低下させます。

「早く歩きなさい」と引っ張るのではなく、ある程度の時間、自由にニオイを嗅がせる時間を与えましょう。

8.アイコンタクトや声掛けなどのコミュニケーションがない

散歩中に飼い主がスマートフォンに夢中になっていたり、無言でただ歩いているだけでは、犬は孤独を感じてしまうことがあります。

アイコンタクトを取ったり、優しい声で話しかけたり、褒めたりするなど、積極的にコミュニケーションを図ることで、犬は安心感と幸福感を得られるのです。散歩は、飼い主と愛犬の絆を深める大切な時間でもあります。

犬の「不満サイン」を見逃さないようにしよう

立ち止まる犬

愛犬との散歩が、もしかしたら愛犬にとって苦痛の時間になっているかもしれません。犬は言葉で不満を伝えることができないため、私たちは彼らの行動や態度からサインを読み取る必要があります。

例えば、散歩中に「歩きたがらない、立ち止まる」といった行動は、疲れているだけでなく、そのルートや環境に不満を感じている可能性があります。無理に引っ張らず、原因を探るようにしましょう。

また、「落ち着きがない、そわそわしている」様子は、周囲の音や状況に不安を感じているサインかもしれません。安全な場所に移動したり、安心できる声かけをしたりすることが大切です。

散歩後に「ぐったりと疲れている」または逆に「興奮して落ち着かない」といった様子が見られる場合も、散歩のペースや内容が愛犬に合っていない可能性があります。

また、「体を掻きむしる、舐め続ける」などの行動は、ストレス性の皮膚炎や神経質な行動の表れかもしれません。さらに、食欲不振や問題行動の増加など、普段の生活に変化が見られる場合も、散歩のストレスが影響している可能性があります。

これらのサインに気づいたら、散歩の時間やルート、リードの使い方、コミュニケーションの取り方などを見直し、愛犬がより快適に過ごせるように工夫しましょう。日々の注意深い観察が、愛犬の小さなSOSを見つけ、より良い散歩へとつながる第一歩となりますよ。

愛犬が満足できる散歩にするための改善策

公園を散歩する男性と犬

愛犬が満足できる散歩にするためには、以下のポイントに注意してみるようにしましょう。

  • ルートに変化をつける: 毎日違う道や公園を選ぶ
  • 探求時間を設ける: 犬が自由にニオイを嗅ぐ時間を確保する
  • リードを工夫する: 伸縮リードや長めのリードを活用する(安全な場所で)
  • コミュニケーションを増やす: 声かけやアイコンタクトを意識する
  • 遊びを取り入れる: 散歩中に短い遊びの時間を設ける
  • 社会化の機会を作る: 安全な範囲で他の犬や人と交流させる
  • 休憩を挟む: 特に暑い日や長距離の際は休憩を入れる
  • 目的を多様にする: 排泄だけでなく、探索や運動も意識する
  • 特別な場所へ行く: ドッグランや自然豊かな場所へたまに行く

愛犬が満足できる散歩にするためには、単調なルーティンを避け、彼らの好奇心や探索心を刺激することが大切です。

いつもと違う景色やニオイは、犬にとって新鮮な刺激となり、散歩への意欲を高めます。排泄だけでなく、短い遊びを取り入れたり、安全な範囲で他の犬や人と交流する機会を作ることも、犬の社会性を育み、満足度を高めることにつながるでしょう。

愛犬のペースに合わせて歩き、疲れている様子が見られたら休憩を挟むなど、思いやりのある散歩を心がけてください。週末にドッグランへ連れて行くなど、たまに特別な場所へ足を運ぶことも、愛犬にとって良い刺激となりますよ。

まとめ

嬉しそうに散歩している柴犬

室内で暮らしている犬にとって、散歩はさまざまな刺激を感じられる楽しい時間のひとつです。

そのため、愛犬が退屈しないための工夫をしてあげることが重要になります。愛犬としっかりコミュニケーションを取りながら、日々の散歩を楽しむようにしてくださいね。

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