犬が地震前に普段とは違う行動をみせる話は「あるある」
2011年3月11日に発生した東日本大震災、そして1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災では、多くの人が犠牲となり、大変痛ましい災害事例として多くの日本人の記憶に残っています。
この2つの大地震の直前、実は多くの犬や猫が普段とは違う行動をみせていたことが判明しています。特に犬は地震前に飼い主に知らせるような行動を取ったり、怯えるような行動を取っていた事例が多く、「地震を予知していたのでは?」と言われることもありました。
犬が地震の前に見せる異常行動の事例
大地震が発生する1日前、数時間前、犬によっては1ヶ月前からおかしな様子を見せていたという報告が上がっています。
犬が地震の前に見せる異常行動として、以下のような事例が多く報告されています。
- ソワソワと落ち着きなく動き回る
- 突然吠え始める
- 遠吠えする
- 飼い主を噛んだり引っ張ったりする
- 体をブルブルと震わせて怯えるような様子を見せる
- 家具の下などに隠れる
いつもと違う大地の異変に怯えたり不安そうな様子を見せたりする犬がいる一方、飼い主に危険を知らせたり、自分の身を守ろうと行動を起こしたり、犬として本能的な行動を取っていたという報告もありました。
「予知能力があるのでは」と言われることもありますが、多くの学者や研究者によると、犬が予知しているのではなく、人間が感知できないものを犬たちが持つ優れた感覚によって先に感知しているという説が濃厚です。
犬が地震前に『普段とは違う行動をみせる』理由
なぜ犬は人間が地震発生を感知する前に地震を感知し、普段とは違う行動をみせるのでしょうか。考えられる異常行動の原因や理由を解説します。
岩盤の破壊に伴って発生する電磁波を感じ取っている
地震は地盤が変動することで歪みが生じて発生する現象です。この地盤の変動によって岩盤が破壊されると、電磁波と呼ばれる電気的な波動が生じるといわれています。
実は、犬たちはこの電磁波を人間よりも優れた感覚で感じ取っているのではないかと言われています。
例えば、電磁波はテレビやラジオといった電気機器に影響を及ぼし、微弱なノイズを発生させます。そのノイズを感じ取っている可能性は十分に考えられるという説が唱えられているのです。
微弱な振動を敏感に感じ取っている
犬たちは電磁波だけでなく、地盤が変動し岩盤が破壊される際に発生する微弱な大地の振動を敏感に感じ取っているため、「何かが起きる」「怖いことが起きるのではないか」と普段とは違う異常行動を見せているとも考えられています。
元々自然界で暮らしていた犬たちは、人間と比べて並外れた五感を有しています。そのため、人間が足元から感知できない微弱な振動を感知していてもおかしくはありません。
地震前の地鳴りを聴覚で感じ取っている
犬は人間よりもはるかに聴覚が優れているという話は有名です。とても小さい音や遠く離れた音でも聞き取り、さらに聞き分ける能力すら持っているといわれています。
その優れた聴力で地震前に発生している地鳴りを聞き取っているため、普段は聞きなれない恐ろしい震動音に恐怖を感じ、普段とは違う行動を取っているのではないかという説も濃厚です。
大地震に備えて日頃から愛犬にできること
日本では全国的に例外なく、いつ大地震が起きてもおかしくないと注意喚起されています。いざという時に迅速な対応を取れるよう、大地震に備えて日頃から準備しておくことがとても重要です。
犬を飼っているご家庭では、自分たちの備えだけでなく、愛犬の備えも万全に整えておく必要があります。
- 犬を避難所に連れて行けるか、連れて行ける避難所はあるかを確認
- クレートトレーニングを定期的に行う
- 家族の防災グッズに加えて愛犬の防災グッズも備えておく
- 首輪や迷子札、鑑識札などを用意しておく
以上の準備を念入りに行っておくことで、いざという時にも冷静に速やかに避難することが可能です。
まとめ
犬が地震前に異常行動を見せる原因は、予知能力ではなく、人間よりもはるかに優れた感覚器官で地震によって引き起こされる微弱な振動や音、電磁波を感じ取っているからだと考えられています。
日頃からいざという時のために万全な準備を整えておくことで、家族や愛犬の命を守ることにつながるでしょう。