️犬が本気噛みするのはなぜ?
威嚇を無視された
何の前触れもなく本気噛みする犬はまれです。多くの場合は「噛む」という行動に出る前に歯を剥いて低い声で唸ったり、姿勢を低くして睨みつけたりといった威嚇行動を見せています。
威嚇行動は「それ以上近づいたら攻撃するぞ!」という犬からの最終通告です。これを理解できずに威嚇を無視して近づいたり手を出したりした場合、本気噛みされても文句は言えません。
嫌なことを無理強いされた
本気で噛むということは、本気で嫌だという意思表示です。
- 触られると嫌な場所を無理やり触られた
- 歯みがきやブラッシングなどのケアを嫌がっているのに無理強いされた
- ごはんを勝手に取り上げられた
このような本当に嫌なことが起きたとき、強い抵抗の態度として本気噛みに出てしまうことがあります。
体に強い痛みや不調を抱えている
本気で嫌だという意思表示の中でも特に注意したいのは、体に強い痛みや不調を抱えている可能性があるということです。
特に普段は触られるのが好きな子なのに、撫でようとしたら突然本気噛みをしてきたといった場合、「痛いから触らないで!」と訴えているのかもしれません。
犬はもともと痛みに強いうえ、野生の本能の名残りから痛みや不調を極限まで隠そうとします。本気噛みをしてくるほどの痛みや不調はかなり重症であることが疑われます。
興奮して手加減できなかった
嫌なことがあったわけでも気が立っていたわけでもないけれど、遊びの中で興奮するあまりに手加減できず本気噛みしてしまう子もいます。
これは特にパピー期の子犬に多く、その場合は「手加減できなかった」というより、「手加減の仕方がわからなかった」という方が正しいこともあるでしょう。
遺伝や生まれ持っての性格
人間でも自分の感情を上手くコントロールできずに衝動的な行動に出てしまう人がいるように、犬の場合も生まれ持っての性格、あるいは遺伝的な原因で本気噛みをしやすい子というのがいます。
この場合はしつけだけで本気噛みを抑えることは難しく、飼育困難などの深刻な状態に発展してしまうケースも少なくありません。
️本気噛みされたときの対応
では本気噛みされたときにはどのように対応するのが正解なのでしょうか。
まずは怪我の応急処置を
犬に本気で噛まれた場合、超小型犬の赤ちゃんでもない限り、出血を伴う怪我を負うことがほとんどです。まずは犬を引き離し、怪我の状態をしっかり確認して適切な応急処置を行うことが必要があります。
傷が浅い場合であっても感染症防止のために水で洗い流して消毒をすることは必須ですし、自分で対処できない傷の場合には病院を受信するとともに必ず「犬に噛まれた」という事実を医師に伝えるようにしましょう。
大騒ぎせず冷静に対処する
本気噛みされた場合、痛みと驚きで大声や悲鳴を上げてしまったり犬を感情的に叱りつける、衝動的に犬を殴ったり蹴ったりしてしまうことがあります。
しかし、これらの行動は犬の興奮状態をさらに助長するだけでなく信頼関係にヒビが入るなど、今後のために逆効果となる可能性があり危険です。
犬に本気噛みされた場合には、まず犬と距離を取ったうえで低い声で毅然と「いけない」ということを伝え、その後、その場を去ったり一定期間無視をする冷静に対処し「本気で噛む=ダメなこと」ということを理解させる必要があります。
本気噛みのきっかけを与えない
犬の本気噛みには様々な理由があります。しかし、大切なのは犬がなぜ本気噛みしたのか、その原因をはっきりさせたうえで本気噛みのきっかけとなるような状況や環境を再現しないことです。
本気噛みは繰り返していると癖になってしまい、直すのが難しくなってしまいます。
トレーナーや獣医師などのプロに相談する
犬の噛み癖に悩む人は少なくなく、「自分のしつけが悪いから」と自責の念に駆られてしまう人や「家族や他の人を傷つけてしまうようでは飼い続けられない」と飼育の継続を諦めてしまう人もいます。
噛み癖の矯正はとても難しいですし、すでにご紹介したように先天的な性格や遺伝の場合には素人ではどうにもできないケースも多いです。
噛み癖に悩んだら、ドッグトレーナーや獣医師などのプロに相談することをおすすめします。適切なトレーニングや時には薬物療法などにより、解決の糸口を掴むことができるかもしれません。
️まとめ
犬は、本気を出せば私たちを容易に傷つけることができる力を持っています。ですが普段その矛先を私たちに向けないのは、私たちへの信頼や愛情からいわば「理性」で本能を抑えてくれているからなです。
私たちはそのことをしっかり理解したうえで、お互いが傷つかない暮らし方を探していかなければなりません。