犬が『車酔い』してしまう原因3選 主な症状や事前にできる対策までご紹介

犬が『車酔い』してしまう原因3選 主な症状や事前にできる対策までご紹介

愛犬と車でお出かけしたいなと思っている飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか。そんなときに気をつけたいことのひとつに「車酔い」があります。実は、犬も車酔いをすることがあるのです。今回は、犬が車酔いをするおもな原因や症状、事前にできる対策について紹介します。

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記事の監修

2009年麻布大学獣医学部獣医学科を卒業。
2015年から横浜市内で妻と動物病院を営み、犬、猫、エキゾチックアニマルの診療を行なっています。
2024年現在、犬10頭、猫3頭、多数の爬虫類と暮らしています。
愛犬家、愛猫家として飼い主様に寄り添った診療を心がけています。
内科(循環器、内分泌など)、歯科、産科に力を入れています。

犬が車酔いをする3つの原因

座席に手をかけている犬

犬が車酔いをする原因はさまざまですが、代表的なものとして以下の3つが挙げられます。これらの原因に対処することで、犬の車酔いを予防できる可能性があります。

1.自動車の揺れ

車酔いの最も一般的な原因は、自動車の揺れです。人間が車酔いをするのと同じように、犬も内耳の奥にある三半規管や前庭が刺激を受けると車酔いをしてしまうのです。

三半規管や前庭は体のバランスを保つために非常に重要な役割を果たしており、揺れによってその機能が乱れると、脳に異常信号が送られ車酔いを引き起こします。

とくに内耳の発達が未熟な子犬や成長段階の若い犬は揺れに敏感で、車酔いをしやすいと言われています。

2.車内のニオイ

車内に充満しているニオイも、犬の車酔いの原因になります。

犬の嗅覚は非常に優れており、車内に残った食べ物や香水、タバコ、空調などのニオイが刺激となって、車酔いを引き起こします。また犬によっては特定のニオイが車酔いの原因になることも。

とくに窓を閉め切っている車内は注意が必要です。空気の流れが悪くなり、ニオイが充満することで車酔いを助長する恐れがあります。車内の換気を十分におこない、ニオイがこもらないようにすることで対策が可能です。

3.ストレスやトラウマ

車酔いは、単に身体的な原因だけではなく、心理的な要因も関係している場合があります。

たとえば慣れない場所にいるのが不安、長時間の車移動が苦手という犬は、自動車に乗ること自体にストレスを感じます。そのストレスが車酔いを引き起こす原因になるのです。

また過去に自動車に乗った際に車酔いで辛い思いをした犬は、そのときの経験がトラウマになっている場合があるでしょう。トラウマもまた強いストレスになり、車酔いの原因になります。

犬が車酔いをしたときの症状と対処法

助手席のベッドでくつろぐ犬

車酔いの症状は犬によって異なりますが、以下のような症状が見られるのが一般的です。

  • 落ち着きがなくなる
  • あくびをする
  • キュンキュンと鳴く
  • よだれが出る
  • 身体の震え
  • 口呼吸
  • 嘔吐
  • 下痢

犬の車酔いの初期症状では、落ち着きがなくソワソワし、あくびが頻繁に見られるようになります。犬によってはキュンキュンと鳴き出す場合もあります。

さらに症状が進み中度になると、よだれ、体の震えが見られ、口呼吸をはじめる犬もいます。よだれは車酔いが進行している兆候です。気づいたら車を停めて休ませてあげましょう。

車酔いが重度になると、嘔吐や下痢と言った症状が見られるようになります。すぐに車を停めて窓を開け、休ませてあげてください。

犬を休ませても症状が改善しない、悪化するという場合は、速やかに動物病院を受診しましょう。

事前にできる犬の車酔い対策

クレートに入れられている犬

犬が車酔いをしないようにするためには、事前の対策も重要です。

  • 車に乗ることに慣らしておく
  • 車内のニオイ対策をしておく
  • 空腹の状態を避ける
  • 食事は少なめにして2〜3時間前までにすませる

事前に車に乗せて車内に慣らすことで、ストレスを軽減し車酔いのリスクを減らせる可能性があります。

また車内のニオイが問題になる場合は、事前に無香の消臭剤を使う、換気するなどしてできるだけニオイを消しておきましょう。

さらに車酔いを防ぐためには、食事の時間が重要です。食後すぐに車に乗ると、犬は車酔いを起こしやすくなりますが、空腹も車酔いの原因になります。遅くても2〜3時間前までに食事をすませておきましょう。

当日はこまめな休憩、換気を心がけて快適に過ごせるようにしてください。

まとめ

車に乗っている犬と子供

犬の車酔いの原因には、自動車の揺れ、車内のニオイ、ストレスがあげられます。また初期症状では、落ち着きがなくなり、頻繁にあくびをするといった症状が見られます。乗車中はこまめに愛犬の様子を確認し、できるだけ早い段階で対処できるように心がけましょう。

また対策をしても車酔いをしてしまう場合は、動物病院で、酔い止めの薬を処方してもらうこともできます。効果の高い酔い止めの薬もありますので、遠出する場合は事前に動物病院でよく相談し、準備しておくことをおすすめします。

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