『捨てられた犬』が辿る道とは 安易にペットを手放すことが絶対にダメな理由まで

『捨てられた犬』が辿る道とは 安易にペットを手放すことが絶対にダメな理由まで

昔に比べると捨てられる犬の頭数は減少傾向にありますが、悲しいことにいまだに0にはなっていません。では、捨てられた犬はどのような道を辿ることになるのでしょうか。人間の身勝手さによって悲しい末路を辿る犬もいることを忘れないでください。

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令和4年度に収容された犬の数は2万2000頭以上

シェルターから覗く犬

一昔前に比べると、日本国内でも犬を飼うことに対する意識は向上傾向にあります。しかし、環境省による動物愛護管理行政が作成したデータによると、令和4年度に保健所などに収容された犬の数は約2万2000頭にも上るといいます。

そのうち、飼い主から「手放したい」と申し出を受けた頭数は約2,600頭、そのほかは所有者不明で彷徨っていたり放置されていた状況から保護された犬たちです。

さらに、収容された保護犬のうち、約19,600頭の犬たちは新たな家族が見つかったり、元々事情があり預かっていた場合には元の飼い主へ返還されたとのことですが、残りの約2,400頭は殺処分されたとの悲しいデータが発表されています。

引用:https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/statistics/files/r05/2_4_1.pdf

犬を手放す人たちにありがちな理由とは

置き去りにされる犬

犬を手放してしまう人たちは、どのような理由で今まで生活を共にしてきた家族であるペットを手放してしまうのでしょうか。

  • 引っ越し先がペット禁止で飼えなくなった
  • 犬が想定していた以上に大きくなってしまい飼えない
  • 経済的に余裕がなくなり十分な飼育費用を用意できない
  • 病気になり入院しなければいけなくなった
  • 繁殖してしまって手に負えなくなってしまった
  • 飼い主が亡くなってしまい引き取り手がいない

主に以上のような理由が考えられます。特に近年では物価高騰の波に飲み込まれ、経済的に思っていた以上に余裕がなくなり、手放さなければいけなくなるという事例が増えているようです。

また、飼い主が高齢の場合は急病が原因で飼えなくなるケースも増加しています。ご高齢の方が飼う場合は、あらかじめ自分に何かあった時のことを考えて周囲に相談しておくことも重要です。

『捨てられた犬』が辿る道とは

悲しそうな犬の顔

捨てられた犬たちはどのような道を辿ることになるのでしょうか。飼い主が安易に手放してしまうと犬たちが悲惨な運命を辿る恐れがあるということを今一度、確認してください。

ボランティア団体や保健所に保護される

まず、捨てられた犬たちは飼い主がボランティア団体や保健所に持ち込むケースと、法律や飼い犬のことを気にせず、森の中などに遺棄するケースがあります。

保健所や団体施設に持ち込まれた場合は、その場でシェルターに保護されますが、森の中などに遺棄された場合、今まで飼い犬として暮らしてきた犬が生き延びることは難しく、保護される前に亡くなってしまう可能性もあるのです。

保健所では一定期間、シェルターで過ごすことに

保健所によって保護されたり持ち込まれた犬たちは、一定期間、シェルターで過ごすことになります。

シェルターでは、最低限のお世話をしてもらえますが、保健所の職員は勤務終了時刻になれば帰宅してしまうため、基本的に夜間は誰もいない真っ暗で慣れない施設内で、他の保護犬たちと一緒に心細く過ごすことになる犬が多いです。

里親募集によって新たな家族の元へ

里親募集にやってきた男女

保健所やボランティア団体に保護された犬たちは、必要な手続きが終わった後、里親募集に出されることが多くあります。

地域のイベントやSNSによる発疹などで里親を募り、応募してきた里親候補の方の審査が通った場合は、新たな家族の元へと旅立つことになります。ただし、最初にお話しした通り、全ての犬が里親さんを見つけられるわけではありません。

新たな家族が見つからない場合は殺処分も

保健所に収容されている犬たちは、一定期間はシェルター内で過ごせます。しかし、収容所の許容数には限りがあるため、決められた期間を過ぎても新たな家族が現れなかった犬は、悲しいことに殺処分対象となってしまうのです。

何も悪いことをしていないのに人間の身勝手で手放され、最後は愛着のない慣れない場所に収容された後、殺処分される……。こんなに残酷で恐ろしい最期を迎えてしまう犬たちがいまだに年間2,400頭もいると考えると、怒りと悲しみと多くの感情が入り混じったような気持ちが湧き上がります。

まとめ

犬の涙

今回ご紹介したように、捨てられた犬の多くは新たな里親さんの元へと旅立っています。しかし、いまだに年間2,400頭も殺処分対象となり、悲しいことに人間の身勝手な行動で命を落としている犬が多くいるのが現状です。

今まで一緒に暮らしてきた愛犬が、あなたが手放したことによって殺処分対象になってしまう可能性があることを忘れてはいけません。

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