春に犬が発症しやすい病気
1.胃腸炎
春に犬が発症しやすい病気には、胃腸炎があります。
寒暖の差が激しいこと、体が急に冷やされること、自律神経が乱れやすいことが主な原因です。
胃腸炎による症状には、食欲不振や元気消失がありますが、下痢や嘔吐の症状が突然起ることもあります。
急な下痢や嘔吐の症状が起きたときは、繰り返し症状が見られるようであれば動物病院へ行くべきであると言えます。
日頃からできる春先の犬の胃腸炎の予防方法は、体を冷やさないようにすることです。朝晩の気温が下がる時間帯は、暖房を使用したり、防寒服を着せたり、冷え対策をしましょう。
2.皮膚炎
春に犬が発症しやすい病気には、皮膚炎があります。
とくにダブルコートで換毛期のある犬種は要注意です。抜け毛が増えることと同時にフケも出るようになります。フケは古くなった皮膚が剥がれ落ちたものです。
健康なフケであれば、小さくサラサラとしています。
抜け毛とフケが皮膚にたまり続けることで皮膚炎を引き起こします。痒みを伴い、異臭を放つことがあります。また、大きくベタベタとしたフケが出るのも皮膚炎のサインのひとつです。
換毛期が始まったなと感じた頃から、こまめなブラッシングをすることで、春先の皮膚炎を予防することができます。
ただし、ブラッシングのし過ぎは皮膚を傷つけることがあり、皮膚炎や感染症の原因になることがあるため注意しましょう。
3.ノミやマダニの寄生
春に犬が発症しやすい病気には、ノミやマダニの寄生があります。
冬の間は、ノミやマダニの予防薬をお休みする犬もいると思います。春先になると、ノミやマダニの繁殖力が高まるため、3月頃から予防薬を再開する犬が増えます。
予防薬を再開する時期は地域によって異なるため、かかりつけの獣医師に相談しましょう。
マダニが媒介する感染症には、「エールリヒア症」「バベシア症」「アナプラズマ症」「ライム病」などがあり、人畜共通感染症も含みます。
予防薬を使用し、草むらを避けてお散歩するなど、ノミやマダニの寄生を予防しましょう。
4.花粉症
春に犬が発症しやすい病気には、花粉症があります。
犬の花粉症では、次のような皮膚の症状が出やすいです。
- 耳の中を痒がる
- 目を痒がる
- 目(まぶた)が赤くなる、腫れる
- 手足の先をカミカミする(痒がる)
- 皮膚にポツポツと発疹が出る
人間の花粉症では、くしゃみや鼻水の症状がよく出ますが、犬の場合では少ないとされています。犬の場合は皮膚の症状に注目して見てあげましょう。
5.フィラリア症
春に犬が発症しやすい病気には、フィラリア症があります。
フィラリア症は、蚊が媒介する病気です。地域によって異なりますが、春先(4月頃)~12月頃まで予防薬の投与が必要な病気です。
感染した場合の症状には、咳・疲れやすくなる・肺音異常・呼吸困難・心音異常・腹水などがあります。
フィラリア症に感染しても、すぐには症状があらわれません。半年後にあらわれる場合もあれば、数年後にあらわれる場合もあります。感染の有無に飼い主が気づけないことがほとんどです。
春先に感染し、冬になって症状があらわれた、なんてこともあります。フィラリア症は、予防薬で感染を防ぐことができます。かかりつけの獣医師に相談し、必ず投与しましょう。
まとめ
春に犬が発症しやすい病気を5つ解説しました。
- 胃腸炎
- 皮膚炎
- ノミやマダニの寄生
- 花粉症
- フィラリア症
春は寒暖差に要注意です。若い犬も、健康に自信のある犬も、寒暖差によって体調を崩しやすくなります。
また、高齢の犬、持病のある犬は、体を冷やすことがないようにしましょう。持病による症状が急激に悪化することがあります。どのような症状の可能性があるのか、応急処置や緊急対応についても考えておくとよいと思います。