注意が必要な犬の寝方
犬の寝方や寝相によって、体調の変化や異常を知ることができる場合があります。ここからは、注意しておきたい犬の寝方を紹介するので、ぜひチェックしておきましょう。
1.祈りのポーズをしている
眠っているわけではなく、伏せて休んでいることも犬は多いと思います。そんなとき、“祈りのポーズ”と呼ばれる姿勢をとっているときは、注意が必要です。
「祈りのポーズ」とは、お尻を高くあげたまま、前足の肘から先を床につけて頭を下げている様子です。
これは犬が遊びに誘うときの「プレイバウ」と呼ばれるポーズにも似ていますが、体調不良が原因で祈りのポーズをしているときは、静かで表情が暗く、動こうとしません。
明るい表情で楽しそうに尻尾を振ることが多い“プレイバウ”とは、様子が違うことに飼い主さんであればすぐに気がつくと思います。
祈りのポーズをしているとき、腹痛をはじめとした内臓器の不調を感じているときが多いとされています。腹部や背部などに痛みを感じているとき、この姿勢をとると圧迫感が減少して少し楽になるようです。
腹部の痛みの原因は様々な疾患が考えられ、なかには早急に治療をおこなう必要がある胃拡張・捻転症候群などを起こしていることもあります。
祈りのポーズのまま全く動こうとしないなど、明らかにいつもと様子が違う場合は、すぐに動物病院に連絡をして指示を仰いでください。
2.体をギュッと丸めている
犬が寝ているとき、体をギュッと小さく丸めているとき、体のどこかに痛みや異変を感じている可能性があります。
特に普段は足を伸ばしたり、体を横倒しにしたり、仰向けになったりと、伸び伸びとした様子で寝ることが多い犬が、体を縮めているときは注意が必要です。
痛みをこらえていたり、異変や不調を感じて体を守ろうとしていたりすることが考えられるため、動いているときの様子や食欲・排泄物の変化などにも注意を払ってください。
3.小刻みに震えている
犬が寝ているときに、小刻みに震えているときは、強い痛みをこらえている可能性があります。震えの原因は極度の疲労や寒さなども考えられるので、そうした可能性がない場合は、痛みを感じているかもしれないと考えてみてください。
痛みをこらえているときは、震えるだけでなく小さな声で「キューン」「クンクン」と鳴いていることもありますし、声をかけても起きようとはしないでしょう。
これほど強い痛みがある場合は、食欲や元気の低下も見られるので、おかしいと感じた場合は動物病院に連れて行くようにしてください。
4.いびきをかいている
犬がいびきをかきながら寝ることはめずらしいことではありません。
しかし、いつもよりも明らかにいびきの音が大きかったり、呼吸が不規則になっていたりする場合は呼吸器系疾患を引き起こしている可能性があります。
特にパグやフレンチブルドッグのような短頭種や肥満になっている犬の場合、気管が潰れてしまうことがあります。こうしたことが原因で呼吸不全、呼吸困難を起こすことがあるので、動物病院を受診して適切な処置を受けてください。
5.呼吸が荒い、速い
寝ている犬の呼吸が「ハアハア」と荒かったり、「ハッハッ」と速かったりする場合も、犬の体に異変が起きていることがあります。
呼吸が苦しくなっていたり、発熱したりと様々なことが考えられます。暑い日の帰宅後や運動後に呼吸が落ち着かない場合は、熱中症になっていることもあるでしょう。
適切な温度・湿度にした室内で安静にしても呼吸の異常が戻らない場合は、何らかの処置が必要な場合もあるのですぐに動物病院に相談するか、受診するようにしてください。
まとめ
犬の体調の変化は、日々のちょっとした仕草や行動にあらわれます。
犬は寝ている時間が多く、家の中でも寝ている様子を見かけることがたくさんあると思います。
静かに寝ていると「休ませてあげよう」という気持ちから、あまり注意を払わずに放っておくこともあると思います。しかし、愛犬の健康管理のために、時々近くに行ってその様子を確認することをおすすめします。