犬は人間の言葉をどのくらい理解できているの?
犬と暮らしていると人間に話しかけるように問いかける場面が多くあると思います。問いかけにリアクションしてくれるので、わたしたちも無意識に話しかけているのかもしれません。
実際、犬は人間の言葉をどのくらい理解しているのでしょうか?
犬の言語理解能力は人間の3歳程度
さまざまな研究により、犬の言語理解能力は人間の3歳程度であるといわれています。犬を飼っている人の中には見聞きしたことがある方も多いのではないでしょうか。
高知能といわれるチンパンジーは10歳程度とされているので、納得できる年齢の目安でしょう。そして犬は多ければ200語以上の言葉が理解できるといわれています。
『散歩』『ご飯』『おいで』など短い単語から表情や行動、過去の記憶と結びつけ意味を理解していきます。ですので言葉のキャッチボールである会話の意味は理解することが難しいようです。
脳波で判明!犬は頭の中で対象物のイメージが可能
犬の言葉への反応は訓練や経験則の結果で、意味を理解しているわけではないとする説もありましたが、ハンガリーの研究チームが根底から覆す研究結果を発表しました。
飼い主が「ボール」と言った後、ボールと別のおもちゃを見せます。犬が言葉を理解しているなら「ボール」と聞いた時に頭の中でボールの映像を思い浮かべ、目の前の物が頭の中のイメージと違ってた場合には脳波に変化が現れると考えました。
その結果、犬は聞いた単語に合った物を示された場合と、合わない物を示された場合とでは、脳波計が明らかに違う動きをしたのです。
さらに興味深いことに、このような理解能力は物の語彙が豊富な犬に限らないことも明らかになりました。言葉の意味を理解する能力が一般的な犬にも備わっている可能性が示唆されたのです。犬は人間と同じような方法で言葉を理解できるなんて驚きですね。
愛犬に声を掛けるときに意識したいこととは?
犬にとって飼い主さんとのスキンシップはとても大切です。とある研究によると毎日話しかけられる犬はそうではない犬よりも幸福度が高く、寿命が延びるのだそう。
前述の通り、犬はわたしたちの言葉を理解し反応してくれます。そこで、愛犬が飼い主さんに掛けられて嬉しい言葉や声をかけるときに意識すべきことをご紹介します。ぜひ参考にしてください。
犬が掛けられて嬉しい言葉
ワンコにはポジティブな言葉を選んで声掛けしてあげましょう。何回言われてもきっと嬉しいはずですよ。
- 大好き
- 可愛い
- ありがとう
- お利口さん
- すごいね
毎日のようにこれらの言葉をかけている飼い主さんも多いことでしょう。出し惜しみせずにどんどん声を掛け、愛犬の幸福度を高めてあげてください。
声を掛けるときに意識するポイント
では、声を掛けるときにはどのような点を意識すれば良いのでしょうか。
- アイコンタクトをする
- 落ち着いた柔らかな声で伝える
- スキンシップも加える
- 寛いでいるときは無理に声掛けしない
犬社会で目を合わせることは攻撃開始の合図となりますが、信頼関係が築けている飼い主さんとなら愛情表現となります。見つめ合うことで幸せホルモンと呼ばれる「オキシトシン」が分泌され良いことだらけです。
犬は感情の起伏が激しい人や大声を出す人が苦手です。愛犬と接するときは常に柔らかな落ち着いた言動を心がけましょう。
意外と見落としがちなのがタイミングです。どんなに嬉しい言葉でもゆっくりしたいときに言われると煩わしく思ってしまうことも。寛いでいるときや眠っているときには声掛けは控えたほうが愛犬のためでしょう。
まとめ
いかがでしたか。犬は3歳程度の言語理解能力があり、最新の研究ではわたしたちと同じように物のイメージを描き言葉として理解していることには驚きを隠せません。
わたしたちの表情や声のトーン、前後のシチュエーションなどさまざまな事柄と経験則から飼い主さんの気持ちを推察し共感します。言葉を話せない分、敏感で繊細な生き物なのです。
日頃の声掛けでも犬の言葉の理解力も上がると考えられます。せひ積極的にスキンシップを図ってくださいね。