犬がいたずらをした時のNGな『叱り方』5つ 愛犬が理解しやすい正しい注意の方法とは

犬がいたずらをした時のNGな『叱り方』5つ 愛犬が理解しやすい正しい注意の方法とは

犬のしつけ方について、昭和の頃は「叱って教える」が当たり前でした。しかし令和の今では「褒めて教える」が当たり前になってきています。とは言え、周囲の人たちや愛犬自身を守るためにも、叱らなければならないシーンも出てくるでしょう。しつけの効果が上がらないNGな叱り方や、愛犬に伝わりやすい叱り方について考えてみましょう。

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叱り方にも良し悪しがあります

粗相の脇で怯えた表情の子犬

動物行動学者などの専門家による研究により、犬の学習の仕方や考え方などが科学的に解明されてきたおかげで、一昔前までは常識だと思われていたことの中には、人間側の思い込みや間違った解釈が含まれていることが分かってきました。

今では、犬のしつけについては下記の考え方が広く知られるようになりました。

  • しつけとは、犬が人間社会の中で共に快適に暮らすために望ましい行動を教えること
  • 良いしつけ方は、犬が自らの意思で望ましい行動をとるように導くこと

犬の行動には、大きく「いいことが起こるからやる」と「悪いことが起こるから避ける」という2つの動機が存在します。そこで現在のしつけ法は、犬が望ましい行動をしたらすぐに褒めることで「いいことが起こるからやる」という動機を引き出すことを主体としたものに変わってきているのです。

しかし、直接的に「その行為をしてはいけない」と伝えなければならないシーンもあるでしょう。その時に誤った叱り方をすると、注意が犬に伝わらないばかりか、築いてきた関係性を壊してしまうことにもなりかねません。

このような場合のNGな叱り方や、理解させやすい正しい注意の仕方をご紹介します。

犬がいたずらをした時のNGな叱り方

部屋を散らかした犬

1.基準に一貫性がない

何をすれば褒められ、何をすると叱られるのかの基準がぶれてしまうと、犬は混乱して何が良くて何が悪いのかをいつまで経っても理解できません。また、褒め言葉や注意喚起の言葉が毎回違うと、褒められているのか叱られているのかさえ理解できないでしょう。

「望ましい行動」や「してはいけない行動」を定め、褒めたり叱ったりする基準や、その時に使う言葉を明確に決めましょう。ご家族が複数いる場合は、その基準や言葉を全員で共有しましょう。

2.叱ることで教えようとする

「いいことが起こるからやる」という動機に基づいた望ましい行動を、犬が自らの意思で行うように習慣化させることが大切です。「叱ることでやってはいけないことを教える」という考え方は、一旦捨ててください。

犬の好ましくない行動を引き出さないような環境を作り、誘導した望ましい行動ができたらすぐに「褒める」ことで教えるのが基本です。つまり、叱ることで「やってはいけない」ことを伝えた場合も、必ず続けて「何をすれば良いのか」を教えましょう。

3.「怖さ」を前面に出した叱り方

叱る時に犬を怖がらせる必要はありません。なぜなら、飼い主が犬よりも上位の存在だと知らしめる必要がないからです。犬が人に対して求めているのは「上下関係」ではなく、「親子関係のような信頼をベースとした関係」であることが分かっています。

そのため、体罰はもちろん、大声で怒鳴りつけたり、感情を爆発させて机や壁などを叩いたり、物を投げつけたりするような叱り方はやめてください。

4.叱る時に名前を呼ぶ

叱る前に、必ず犬の名前を呼ぶ方がいらっしゃいます。「◯◯、そんなことしちゃダメ!」とか「コラ、ダメでしょ◯◯!」といった具合です。身に覚えのある飼い主さんは、案外多いのではないでしょうか。

叱る時に毎回名前を呼んでいると、犬は名前を呼ばれる度に「叱られるのではないか」と怯えるようになってしまいます。叱る時には名前を呼ばず、呼ぶのは褒める時、ご飯や散歩や遊びなどの嬉しいことをする時の合図となるようにしましょう。

5.こんこんと説教する

愛犬に向かって、こんこんとお説教をするように叱る飼い主さんを見かけることもあります。長い言葉で伝えようとしても、犬にはなぜ叱られているのかを理解することができません。それどころか、構ってもらえたと喜んでしまう犬もいます。

叱る時には、「ダメ」「コラ」などのできるだけ短い単語を1つ選び、毎回同じ言葉を使うようにしましょう。普段よりも少し低めのトーンで1回だけ、はっきりと伝えます。必要以上に大きな声を出す必要はありません。

犬が理解しやすい正しい注意の方法とは

ご褒美をもらう犬

どうしても犬に「それをしてはいけない」ということを伝えなければならない場合は、犬にしっかりと伝わるようにすることが大切です。そのためのポイントをご紹介しますので、ご自身が愛犬を叱らなければならない時の参考にしてください。

  • 叱るタイミング

犬を叱る絶好のタイミングは、してはいけないことを「しようとしたその時」です。間に合わなかった場合は、してしまった「直後」に叱ってください。行動してから数分以上経過したことに対して叱っても、犬には全く伝わりません。

  • 叱るだけで終わらせない

してはいけないことをしようとした時に「コラ」と叱ってその行動をやめさせたら、そこで終わりにしてはいけません。どういう行為が望ましいのかを教えるため、してほしい行動をさせて、ご褒美をあげるようにしましょう。

例えば人混みの中で落ち着きなくあちらこちらに行きたがる場合は、勝手な方向に行くのをやめさせた後に、意識を飼い主さんに向けて歩調を合わせて歩くように誘導し、できたらしっかりと褒めます。そこまでが、しつけです。

まとめ

いたずらした犬を叱る飼い主

飼い主さんには、愛犬を人間社会の中で共生できるようにしつける責任があります。しつけの基本は「できたら褒める」ことと「できるまで教えること」、そして「教えたことを忘れさせない」ことです。つまり、しつけには終わりがないのです。

その中で、たとえうっかりでも誤った叱り方をしてしまうと、それまで築いてきた信頼関係を壊してしまうかもしれません。叱る機会を減らし褒める機会を増やせるような、愛犬に合ったしつけ方を見つけることも大切です。

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