犬の『早食い』が危険な理由7つ 食べるのが早すぎることによるリスクとは?

犬の『早食い』が危険な理由7つ 食べるのが早すぎることによるリスクとは?

ご飯の時間になると、勢いよくフードを食べてしまう子も多いのではないでしょうか。美味しそうに食べてくれるのは嬉しいですが、食べるペースが早すぎると病気のリスクが高まります。本記事では、犬の「早食い」が危険な理由について解説していきます。

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記事の監修

2009年麻布大学獣医学部獣医学科を卒業。
2015年から横浜市内で妻と動物病院を営み、犬、猫、エキゾチックアニマルの診療を行なっています。
2024年現在、犬10頭、猫3頭、多数の爬虫類と暮らしています。
愛犬家、愛猫家として飼い主様に寄り添った診療を心がけています。
内科(循環器、内分泌など)、歯科、産科に力を入れています。

1.肥満

体重計に乗る犬

早食いをすることで満腹感を感じる前にたくさんご飯を食べてしまうため、人間と同じように肥満になりやすくなります。

また、個体差もありますが、犬は出されたらあるだけ食べてしまう傾向があるので、一日の摂取カロリーを計算して食べ過ぎないように調整してあげるようにしましょう。

2.消化不良

ぐったりする犬

よく噛まずにご飯を飲み込むと、消化が難しくなり、下痢してしまうこともあります。

特に消化器官が未熟な子犬や、機能が衰えてくる老犬は消化不良を起こしやすいです。消化不良が長引くことで、栄養失調になる恐れもあるので注意しましょう。

3.窒息

ご飯を食べる子犬たち

ご飯を勢いよく飲み込むことで、のどに詰まってしまい窒息する危険性があります。

子犬や老犬は飲み込む力も弱いため、詰まったフードによって呼吸困難になるリスクもあるので気を付けましょう。

4.吐き戻し(吐出)

吐き戻す犬

早食いをすると胃が食べ物を受け付けず、吐き戻してしまうことがあります。また、食べるときに空気をたくさん飲み込んでしまうことで、嘔吐してしまうこともあるようです。

吐き戻し(吐出)はフードが胃に入る前に吐き出されることを言い、嘔吐はフードが胃に到達してから吐き出されることを指します。

たまに吐き戻す程度であれば問題ありませんが、食事ごとに吐き戻しが見られるようであれば、早食い以外にも食道に異常がある可能性があります。

吐き戻しの回数が多い様であれば、一度動物病院で診察を受けてみるようにしてください。

5.胃拡張・胃捻転症候群

食事するゴールデン

「胃拡張(いかくちょう)・胃捻転(いねんてん)症候群」とは、胃が大量のガスにより大きく膨れ上がり、ねじれてしまう病気です。

原因として、犬の早食いや大食い、食後すぐに激しい運動をすることで発症すると言われています。

発症してしまうとお腹が張ってしまい、大量のよだれを出すことがあります。また、吐こうとする様子があるのに、吐き出すことができないような状態にもなります。

症状が進行すると、命にかかわりますので、食後にこのような症状が見られた場合は早急に獣医師に診てもらうようにしてください。

6.誤嚥性肺炎

せき込む犬

「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」とは、食べ物が食道ではなく器官に入ってしまい、その時に飲み込んでしまった細菌などの影響で肺炎を引き起こす病気のことを言います。

主な症状は「せき込む」「呼吸が苦しそう」「発熱」「食欲不振」などが見られます。放置してしまうと重篤化してしまい、最悪の場合死に至るケースもあるので注意が必要です。

様子がおかしいと感じたら、すぐに動物病院へ連れていきましょう。

7.歯周病

歯磨きされる犬

犬はご飯を噛むことで唾液を出し、口内環境を整えています。しかし、早食いをすることで唾液の量が少なくなってしまい、歯石や歯垢が溜まりやすくなります。

また、口内に雑菌が増えることで、歯周病になるリスクも高まる可能性も。歯周病になってしまうと歯が抜け落ちるだけでなく、最悪の場合下あごが骨折してしまうことがあるので注意しましょう。

まとめ

食事する二匹の犬

ご飯を食べるのが大好きな犬は多く、勢いよく食べてしまう子も少なくありません。

しかし、早食いをすることで思わぬ病気を発症してしまうリスクが高まるので注意が必要です。

早食いを防止するためには、私たち飼い主がご飯の与え方を工夫する必要があります。少量ずつ分けて与えたり、食事の回数を増やす、早食い防止用のお皿を使うなど方法はさまざまです。

愛犬の性格に合わせた方法で、早食いを防止するようにしてくださいね。

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