️マルチーズ
白い小型犬というと、まずイメージするのはマルチーズという人も多いのではないでしょうか。
真っ直ぐでふわふわサラサラの被毛はまるで絹糸のように美しく、日本では1970年代に流行し、ポメラニアン、ヨークシャー・テリアと並んで「お座敷犬御三家」の1つに数えられました。
実は古代エジプトの王家でも寵愛されていたという長い歴史を持つ犬種で、金の器で食事をしていたという逸話をはじめ、肖像画や歴史的な調度品のモチーフとしてもたびたび目にします。
朗らかな甘えん坊
ご紹介した通り、人間と長い年月を一緒に暮らしてきた歴史を持つマルチーズは、基本的に人懐っこく甘えん坊な性格です。穏やかで賢いので、しつけがしやすいのも魅力的です。
被毛の手入れは大変そうにも見えますが、完全なシングルコートなので抜け毛の心配はそれほどありません。ただ甘やかしすぎるとワガママになってしまうので注意が必要です。
️ビション・フリーゼ
まるでタンポポの綿毛のようなまんまるシルエットが特徴的なビション・フリーゼ。「ビション・フリーゼ」はフランス語で「小さな巻毛の犬」の意味で、まさに名は体を表していますね。
まんまるカットは「パウダー・パフ」と呼ばれるスタイルで、このスタイルの確立によって世界的に認知された犬種ともいわれています。
日本ではマルチーズの人気が沸騰した時代があったため、マルチーズと似ているビション・フリーゼは何となく影が薄く、犬に詳しくない人は知らないという人も多いのが現状です。
一部では親しみを込めて「アフロ犬」の愛称で呼ばれることもあり、こちらで呼べば理解されることもあるかもしれません。
抱っこが大好きな愛玩犬
ビション・フリーゼは16世紀中期にフランスの王侯貴族の間で抱き犬として人気となりました。
その後、一般家庭でも飼育されるようになりましたが貴族の愛玩犬だった歴史から抱っこが大好きで人懐こく、社交的な性格です。ふわふわの被毛はダブルコートですが抜け毛は少ないのも魅力の1つです。
️サモエド
愛らしい「サモエド・スマイル」で有名なサモエドも、真っ白でフワフワな被毛が特徴的な大型犬です。
サモエドはもともと、シベリアで狩猟や漁業を営んでいたサモエド族が使役犬として伴っていた犬種で、民族の名前がそのまま犬種になりました。
実は当初は黒いサモエドも存在していたのですが、品種改良の中でふるいにかけられ、現在では白かクリーム色がほとんどとなっています。
サモエドは原始犬に最も近い犬種とも考えられており、「現存する犬種の中で最も美しい」と表現されることもあります。
知的で温和な「笑顔」が似合う犬
サモエドは極地探検などでも活躍しましたが、過酷な労働環境でも笑顔を失わずに献身的な働きをしたと評価されています。
サモエド族と家族のように寄り添って暮らしてきた歴史を持つことから、非常に知的で愛情深い性格は独特のものと言われます。また体格の割に食事量が少ないことも魅力の1つかもしれません。
️日本スピッツ
1950年代に一大ブームとなった白犬が日本スピッツです。実は先に紹介したサモエドをジャパンケネルクラブが小型化、純白に固定化して確立した日本原産の犬種であることはあまり知られていません。
吠える犬との評判は誤解!
ブームにより、一時は国内の登録犬種で1位を記録した日本スピッツでしたが、「吠える犬」のレッテルを貼られて徐々に人気は衰退、現在では多く見かける犬種ではなくなってしまいました。
ですが「吠える犬」のレッテルは当時の人々のしつけ意識が低かったことや、ブームに乗った乱繁殖による犬種性能の劣化などが要因であり、日本スピッツの本来の性格ではありません。しっかりしつけをすれば飲み込みも早く、優秀な犬種なのです。
️まとめ
日本では古来から「白い犬は死ぬと人間に生まれ変わる」と言われ、特別視されてきました。
江戸時代から人気の落語には、人間に生まれ変わって白い犬が主人公の『元犬』というネタもあるほどです。確かに純白の毛色はとても美しく神秘的なイメージを与えられますよね。白くてフワフワの犬を見かけたら、犬種のことを詳しく調べてみるとまた面白いかもしれませんよ。