犬は狭いところが好き
犬たちはもともと地面に空いていたり、掘ったりした穴のなかで出産をするなど、狭いところを好んで潜り込む習性があります。そのためあまり広いとは言えないクレートやケージの中で休むことが好きな犬が多く、その周辺を囲って目隠ししてあげると落ち着くようです。
これは犬たちの本能でもあります。
この本能があるため、犬たちは普段から狭いところ、薄暗いところ、周囲から遮断されているところなどにいそいそと潜り込んで眠ってしまったり、隠れたりします。小さな体格の子であれば、思いもよらないところに入り込んでしまうこともあるようですよ。
家具の下に潜る心理
1.落ち着く
先述した通り、犬たちは本能的に狭いところが大好きです。四方をぐるりと取り囲まれていると息苦しくないかなと思ってしまいますが、犬たちにとってはうまく隠れて安心できる環境なのでしょう。
たくさん遊んで疲れてしまったあと、お客さんが来て大騒ぎしたあとなどは、クレート以外にもソファやベッド、テーブルの下などの狭くて暗いところにいそいそと潜り込んで寝息を立てていることもあります。
このような場合はそっとしてゆっくり寝かせてあげてください。
2.不安がある
犬たちは暗くて狭いところが大好きです。それはもともとの本能や習性からくるものです。そのため狭いケージやクレートに入ると、部屋の真ん中で寝るより落ち着いて眠ることができます。
また体調がおかしい、何か変な音がして不安だ、怖い、といった場合もそのストレスを自分で何とかしようとして落ち着くスペースへ逃げ込むことがあります。それがテーブルやソファの下というわけです。部屋の隅や寝室にあるクレートより、人が近いところにいたい心理も働くかもしれません。
こういった場合、犬たちははあはあと荒い息を吐きながら家具の下で周囲を伺い、警戒をしています。落ち着くところにいても怖いものは怖い、不安なものは不安なのでしょう。ひっくり返って寝てしまうことはありません。あまりに怖い場合は震えていることもあります。
飼い主が声をかけたり触れ合ってあげたりすると不安が収まることもありますので、様子を見ながら優しく声をかけてあげましょう。
3.粗相・いたずらをした
これもある意味不安な気持ちを和らげようという行動でしょう。トイレに失敗した、何か飼い主の大事なものを壊してしまった、吠えてしまった、などの行動をした直後に犬たちが家具の下に潜りこんでいることがあります。
なるべく飼い主に見つからないように息を潜めて、隠れている状態ですね。飼い主が声をかけるとじっとりと上目遣いで出てきたり、あるいはさっと目線を逸らしてしまったりするので、ピンとくることもあると思います。
しかしこれは反省をしている行動ではありません。この後飼い主たちが怒るということを学習した結果です。犬たちはいたずらに対して「悪いことをした」とは考えません。飼い主がそれを見て声を荒げたりすることに対して不安を感じているのです。
粗相やいたずらをしてしまった場合、ついつい怒ってしまいがちですが犬たちを無視して静かに片付けるとよいでしょう。
まとめ
犬たちは自分の不安や感情を自分でうまくコントロールすることができます。家具の下に潜ってしまったときは自分で「落ち着きたい」と考えての行動なので、基本的にはそうっと見守ってあげるだけで大丈夫です。
もし激しく怖がっていたりする場合は隠れたままの犬の傍に寄り添って、落ち着かせてあげるとよいでしょう。