犬を苦しめる『飼い主からの虐待』7選 実は愛犬に精神的苦痛を与えているかも…

犬を苦しめる『飼い主からの虐待』7選 実は愛犬に精神的苦痛を与えているかも…

どんな理由や事情があったとしても愛犬を虐待することはあってはならないこと。ですがあなたも気づかないうちに虐待をしている可能性がゼロではないかもしれません。犬を苦しめる『飼い主からの虐待』を種類別に見ていきます。

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記事の監修

2009年麻布大学獣医学部獣医学科を卒業。
2015年から横浜市内で妻と動物病院を営み、犬、猫、エキゾチックアニマルの診療を行なっています。
2024年現在、犬10頭、猫3頭、多数の爬虫類と暮らしています。
愛犬家、愛猫家として飼い主様に寄り添った診療を心がけています。
内科(循環器、内分泌など)、歯科、産科に力を入れています。

️身体的虐待

握られた拳

1.暴力

「犬が言うことを聞かない」「イタズラをした」などの理由で殴る、蹴るといった暴力を加えることは決してあってはなりません。

「しつけとしてやった」としても、それは暴力を正当化する理由にはならず、そもそも暴力で従わせることは本来の意味でのしつけやトレーニングの効果として認められるものではありません。

暴力は犬に怪我をさせる恐れがあるだけでなく、物理的な怪我がなかったとしても心に深い傷やトラウマを残し人間不信に陥ってしまう可能性があります。

2.運動をさせない

犬種やライフステージにもよりますが、犬は1日の必要な運動量が満たされないと心身の不調の原因となります。

散歩に連れて行ったり一緒に体を動かして遊んだりしない、玄関先などに短いリードで拘束して自由に動ける範囲を極端に制限するなど、十分な運動ができない状況に置くことも立派な身体的虐待です。

️精神的虐待

怯えている犬

3.ネグレクト

ごはんを与えない、水やトイレシートの交換を行わずに不衛生な環境におくなど、必要最低限のお世話すらしないことはネグレクトにあたります。

また、お世話はしていたとしても犬に声がけやスキンシップなどの関わり積極的に持とうとしない、存在しないように振る舞って無視するなども犬の心をえぐる立派な精神的虐待といえます。

4.暴言

物理的な暴力は伴わないとしても、「激しい怒声を浴びせる」「暴言でののしる」などの行為は精神的虐待に当たります。

「犬に何を言ってもわからないだろう」と思うかもしれません。確かに犬は人間の言葉を全て聞き分けられるわけではありませんが、飼い主さんの声のトーンや表情から、それがポジティブな言葉なのかネガティブな言葉なのかは理解しているのです。

5.長時間の留守番

犬は群れで暮らしていた特性上、ひとりぼっちを嫌う動物です。

そのため、長時間の留守番は強い精神的ストレスになりえます。日本ではまだ考えられないことですが、実際に動物愛護精神の強い欧米各国では、犬をひとりぼっちで留守番させることを法律で禁止している地域もあります。

️優しい虐待

いたずらをしている犬

「自分は愛犬を愛しているから虐待なんてありえない」と思っている方もいらっしゃると思いますが「優しい虐待」という言葉を聞いたことがありますか?

「優しい虐待」とは、飼い主さんが良かれと思ってしていることが、実は犬にとってはマイナスの影響をもたらしている状態をいいます。

6.甘やかし

愛犬を可愛がるばかりに過剰に甘やかして育てると、問題行動の多いワガママな性格に育ってしまいます。

ワガママな性格は周囲から嫌われやすかったり、愛犬の行動範囲を狭めることにつながったりします。また、災害時などのいざというときにどこにも受け入れてもらえないなどの支障をきたす恐れもあります。

7.箱入りで育てる

愛犬を危険から守ろうと思う意識が強すぎて「箱入り」で育て、外の世界での経験や他者との交流の機会を奪ってしまうのも問題です。

特に「社会化期」と呼ばれる子犬の時代に必要な経験が足りていないと、犬は他者との上手な距離のとり方を学ぶことができずに異常に警戒心が強まり、生きにくくなってしまいます。

️まとめ

犬と家族

犬に対する虐待は、身体的、精神的、そして良かれと思って行動していたことが虐待にあたる「優しい虐待」の形で現れることがあります。

身体的虐待では暴力や運動不足が、精神的虐待ではネグレクトや暴言、長時間の留守番が犬に深い傷を与える可能性があります。

犬は飼い主を信頼し、愛情を注がれることで心身ともに健康でいられる動物です。愛犬のために何が最善なのかをしっかり考え、誤った行動を見直すことが大切です。

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