犬が「恐怖」を感じているときに見せる5つのサイン
1.しっぽが下がる
犬がしっぽを下げているときは「恐怖」や「不安」を感じているときです。
しっぽを下げ体を小さくすることで、相手に敵意が無いことを表しています。しっぽの長い犬だと、股の間に挟んで防御しようとする子もいるようです。
花火や雷のような大きな音がしているときや、動物病院へ連れていかれたときなどよくこの状態になります。
体調が悪いときにもこのようにしっぽが下がることもあるので、愛犬の様子に異変がないかも確認しておきましょう。
2.その場から逃げる・隠れる
犬は恐怖を感じると、その場から逃げ出したり安全な場所に隠れたりすることがあります。
恐怖から逃れたいという気持ちは、犬も人間も同じです。ソファやベッドの下、カーテンの裏など隠れ場所はさまざまですが、犬にとって安全だと思っている場所に隠れようとします。
犬はもともと穴蔵で生活していた動物なので、暗く静かな、狭い場所を好みます。犬が逃げ出して見当たらないと思ったときは、身を隠せそうな狭い場所に隠れているかもしれません。
3.体が震えている
恐怖を感じると体が緊張し、震えが出てくることがあります。これは興奮状態になったことで交感神経と自律神経が活発になり意図せず筋肉が震えだすためです。
私たちも恐怖を感じると、自分の意志と関係なく震えが起こることがあります。動物が緊張すると起こる本能的なものだということがわかりますね。
犬が「不安」「緊張」「ストレス」などを感じているときも震えが出る場合があります。苦手な人や他の犬にトラウマを持っている場合は、動物病院を訪れた時などに震える姿を見ることが多いかもしれません。
また、シニア犬は筋力が低下することで起こる「老齢性振戦(ろうれいせいしんせん)」という状態になっていることがあります。後ろ足が震える・排便時に震えるといったことがあるかもしれません。
痛みを伴うこともあるので、異変を感じたら獣医師に相談するようにしましょう。
4.失禁・脱糞をする
犬が極度の恐怖を感じたとき、失禁や脱糞をしてしまうことがあります。これは犬の意志とは関係なく起こる現象なので、強く叱るのはNGです。
粗相とは違い、しつけで治せるものではありません。怖がりの性格の子や子犬によく見られる行動なので、ストレスの原因を取り除くか、成犬になり症状が落ち着くのを待ちましょう。
興奮した状態だと失禁しやすくなるため、犬が落ち着いて過ごせる環境を整えることが大切です。また、飼い主が帰ってきたときなどの嬉しさで失禁する「うれション」と呼ばれるものもあります。
いきなり治すことは難しいので、オムツやマナーベルトを上手く活用しましょう。常につけておくと皮膚炎を起こす危険もあるので、犬が興奮しそうなタイミングを見計らってつける必要があります。
散歩中や家族が帰宅する時間など、限定的に使用して対策をとるようにしましょう。
5.攻撃をしてくる
犬は恐怖を感じると逃げ出しますが、家の中など狭い場所で逃げられない場合は「吠える」「噛みつく」などの攻撃をしてくることがあります。
これは自分の身を守るために行う「恐怖性攻撃行動」と呼ばれるものです。怖がりな性格や神経質な性格をしている子によく見られます。
「弱い犬ほどよく吠える」という言葉がありますが、これは不安を感じている犬ほど相手によく吠えるところからきています。
犬が恐怖心から攻撃してきた場合は、まずそのストレスとなる原因から距離を取ることが大切です。犬が落ち着くのを待ちましょう。
他の人や犬に対して恐怖心を抱いている場合は、少しずつ慣れさせていく訓練が必要です。放置しておくと家の中だけでなく、散歩中に他人や知らない犬に吠えたり噛みついたりと問題行動が激しくなってしまいます。
社会性を身に付ける訓練をすることは、犬のストレスを減らすことにもつながるので根気よく行いましょう。難しい場合はプロのトレーナーに指導してもらうこともおすすめです。
犬が怯えているときにできる対処法は?
花火や雷など大きな音や光に怯えている場合は、窓やカーテンを閉めてなるべく静かな状態にしてあげることが大切です。
どうしても音が防ぎきれない場合は、犬をケージに入れてその周りを段ボールやタオルで多い、音が入らないようにバリケードを作ってあげましょう。
散歩中に車や人、他の犬に怯えてしまう場合は社会性を育てる必要があります。外の世界が怖くないということを少しずつ教えていきましょう。
このとき、早く慣れさせてあげたいからと焦るのは逆効果です。愛犬が何に恐怖を感じているのかをよく観察し、愛犬のペースに合わせて慣れさせるようにしましょう。
恐怖を感じている状態の犬を無理に構うと、かえって恐怖心が強まってしまいます。飼い主との信頼関係を損なう危険もありますので、落ち着くまではそっと見守るようにしてくださいね。
まとめ
犬が何に対して「恐怖心」を抱くかは、その子の性格によって変わります。大切なのは怯えている愛犬に対し、適切な対応を取ることです。
怖がっているからと言ってむやみに触れたり抱きかかえたりせず、まずは恐怖の対象を見極め距離を取るようにしてください。
警戒心の強い犬の恐怖心を取り除くには、根気が必要です。飼い主だけで対応できない場合は、ドッグトレーナーや獣医師に相談して解決するようにしましょう。