1.昼夜逆転している
老犬になると見られる、生活の“昼夜逆転”は認知症の症状のひとつと考えられています。
年齢を重ねて、日中活発に動くことがなくなり寝ている時間が長くなることで、夜眠れなくなることが原因です。
若い頃は日中におもちゃで遊んだり、散歩で元気に走り回ったり、家の中でも様々なことに興味を持って過ごしたりしますが、老犬になるとそういったことが減ってしまいます。
その結果、体を休める時間が自然と増え、そのまま眠りにつくことが多くなります。
日中眠り過ぎれば、夜眠れなくなるのも当然でしょう。
日中、飼い主さんが仕事や外出でいないと、犬はひとりで過ごす時間が長くなり、どうしても眠ることが増えます。
そして、飼い主さんが帰ってきた夕方以降に活動を始めるようになり、昼夜逆転状態になってしまうのです。
対処法
夜寝れない原因が、昼夜逆転していることだけであれば、日中に長時間寝かせないことやしっかりと外に出て日光を浴びる生活をさせることが大切です。
激しい運動は不要ですが、犬のペースで散歩をさせたり、脳トレになるようなおもちゃ遊びなどをさせたりすると効果的です。
2.体に痛みがある
老犬になると、大きな病気やケガはないとしても関節を痛めていたり、皮膚や口内にトラブルを抱えていたりすることがあります。
また、体を休めているときにどこかに痛みやかゆみを感じていたとしても、思うように動けず苦痛を感じ続けているということもめずらしくありません。
なかなか熟睡してくれなかったり、寝ていたと思ってもすぐに起きてしまったりするときは、犬が体のどこかに痛みや違和感を感じている可能性があります。
対処法
犬が寝ているときに体の痛みや違和感を感じにくいように、ベッドや布団の素材や硬さなどを見直してみるのもおすすめです。
ふかふかのベッドは気持ちよさそうに感じますが、筋力が低下した老犬にとっては身動きしにくいというデメリットがあるため、程よい弾力のある低反発マットなどを取り入れてください。
また、日中もほとんど眠れていないような様子であれば、見た目にはわからない疾患を抱えている可能性もあるので、動物病院でしっかりと検査してもらいましょう。
3.不安を感じている
老犬がよく眠れなくなってしまう原因として、身体的なトラブルだけでなく精神的な負担が影響することもあります。
特に、老犬になると聴覚や視覚などの感覚が衰えることなどから、不安を感じやすくなると言われており、強い不安感とそれによるストレスから落ち着いて眠れなくなってしまいます。
飼い主さんの気配を感じにくくなることもあり、姿が見えないと不安で眠れないということもあるのです。
そのようなとき、落ち着きをなくしてそわそわしていたり、子犬のように「クーン」「キュンキュン」と鳴いたりする様子が見られます。
対処法
犬が不安を感じて眠れないようであれば、飼い主さんと同じ部屋にベッドを移動させたり、小さな明かりをつけておいたりといった環境の見直しをしてみてください。
どのような状態であれば安心して眠れるかは、犬によってそれぞれ異なるので、試行錯誤が必要になるかもしれませんが、音や明かり、温度・湿度などに配慮してみるといいでしょう。
4.疲れていない
愛犬が年齢を重ねると、体を気遣って散歩量を減らしたり、体に負担のかかることをしなくなったりする飼い主さんは多いと思います。
しかし、老犬になったからといって運動が全く必要なくなるというわけではありませんし、体力や筋力も個体差が大きいものです。
そのため、シニア期であっても健康で体力のある犬の場合、体力があり余ってしまい、夜寝られないということがあります。
対処法
老犬になっても、心身共に健やかな生活をさせるためには、適度な運動と刺激が必要です。
過度な運動は関節などに負担をかける心配がありますが、日光や風を浴びながらゆったりと歩く散歩は何歳になってもおこなうようにしてください。
特に、夜眠れない老犬の場合は、体力が余ってしまっている可能性もあるので、適度に疲れさせるような遊びや運動を考えて、生活に取り入れましょう。
まとめ
年齢を重ねた犬との生活は、落ち着いて穏やかになると思いきや、実は様々なトラブルや困りごとが出てくるものです。
夜寝てくれないというケースもよく見られるもので、それによって犬だけでなく飼い主さんの負担になってしまうこともめずらしくありません。
寝られない原因を探り、その上で対処法を考えて、愛犬が少しでも心地よく過ごせるように工夫をしてあげてくださいね。