『ウルフドッグ』ってどんな犬なの? 種類やその特徴、飼育の難易度までご紹介

『ウルフドッグ』ってどんな犬なの? 種類やその特徴、飼育の難易度までご紹介

「ウルフドッグ」をご存じでしょうか。ウルフドッグと呼ばれる犬には血統書がなく、ミックス犬や雑種とも呼ぶことができます。今回は、その「ウルフドッグ」の種類や特徴、飼育の難易度等を解説します。

お気に入り登録
SupervisorImage

記事の監修

2009年麻布大学獣医学部獣医学科を卒業。
2015年から横浜市内で妻と動物病院を営み、犬、猫、エキゾチックアニマルの診療を行なっています。
2024年現在、犬10頭、猫3頭、多数の爬虫類と暮らしています。
愛犬家、愛猫家として飼い主様に寄り添った診療を心がけています。
内科(循環器、内分泌など)、歯科、産科に力を入れています。

「ウルフドッグ」ってどんな犬?

しっぽを下げて立つウルフドッグ

「ウルフドッグ」とは、ジャーマン・シェパード・ドッグやシベリアン・ハスキーなどの犬種とオオカミのミックスを総称した言葉です。

そのため、ウルフドッグはミックス犬とも言えますし、雑種とも言えるでしょう。大雑把に考えるのであれば、『オオカミの血が混じった犬』という捉え方でも問題ないかと思います。

ウルフドッグの種類

ウルフドッグは、「オオカミ率が何%であるか」によって分類することができます。しかし、「○%」という言葉を使用することは、ほとんどありません。

  • オオカミ率が低い:ローコンテンツ(LC)
  • オオカミ率が中くらい:ミドルコンテンツ(MC)
  • オオカミ率が高い:ハイコンテンツ(HC)

日本では、このように記載されることがあります。また、オオカミの血が75%を超える個体を「ハイパーセント」と呼ぶことがあります。

ちなみに、海外では、このような記載や呼び方をすることはありません。

SAARLOOS WOLFDOG(サールロース・ウルフドッグ)

サールロース・ウルフドッグは、コンパニオン・ドッグであり、ハウス・ドッグでもあります。決して、使用目的のために作り出された犬種ではありません。

  • 自身の意思に従う性格である
  • 自主性を持っている
  • 活発でエネルギッシュ
  • 主人への愛情が深い
  • 他人に対して控えめ
  • 他人との接触を求めない
  • 知らない状況を避けたがる

サールロース・ウルフドッグにはこのような特徴があり、これは典型的なオオカミの特徴でもある、とされています。

「ウルフドッグ」の飼育の難易度

お散歩するウルフドッグの子犬

オオカミとのミックスである「ウルフドッグ」は飼育が難しいと言われています。

ここからは、その飼育の難易度について解説します。

人を嫌う

ウルフドッグは、人を嫌います。飼いならされた犬ではないためです。安易に近づかれたり触られたりすることが、大の苦手です。

個体差はありますが、飼い主に対しても素っ気なく冷たい態度を見せることもあるほどです。

お散歩中にパニックを起こす

人を嫌うため、人の多い場所でお散歩すると、パニックを起こすことがあります。

そのため、ドッグランへ連れて行くなどもってのほか。人が出歩く時間帯を避けて、お散歩しなければなりません。

逃げたら捕まえられない

人を嫌い、お散歩中にパニックを起こすことがあるウルフドッグは、そのパニックによって首輪やハーネスが外れたり、飼い主がリードを手放したりすると、大事になってしまいます。

逃げたら捕まえられないほどのエネルギーを持っているためです。

体の大きなウルフドッグは、小型犬であれば簡単に捕らえることができます。弱者であると分かると、排除しようとすることがあります。

2015年の7月には、北海道遠軽町の施設内で、50代の女性がウルフドッグに咬まれて亡くなった事件がありました。侵入者とみなされたようだったそうです。

制止には力と技術を要する

パニックを起こしたウルフドッグを制止することには、力と技術を要します。咄嗟のときの引く力が強く、100%の力で逃げようとします。

力だけあってもダメですし、技術を要していないのであれば、体力に自信のある大柄な男性にも難しいことでしょう。

犬舎やブリーダーによって異なる

ウルフドッグとは、オオカミの血が混じった犬であり、ミックス犬でもあり、雑種でもあります。血統書はありません。

家庭犬(ペット)として気軽にお散歩ができるウルフドッグを理想として繁殖しているブリーダーもいますが、全ての犬舎やブリーダーがそうであるとは限りません。

親犬がどういった犬であるかも分からず、血筋をたどることもできず、近親交配をしていても分からない、そういった個体もいます。

「ポメラニアンって社交的だよね」「柴犬って独立心が高いよね」などの特徴や性格が全く分からないのがウルフドッグです。

どのような特徴を持ち、どのような性格であるか、全く把握することができない分、飼育難易度が高く、危険度が高いと言えるのではないでしょうか。

まとめ

ウルフドッグの寝顔のアップ

私もウルフドッグには興味があります。飼えるものなら一緒に暮らしてみたいです。SNSで見かけるウルフドッグは、犬と変わりないように感じられます。

一方で、「野生動物や猛獣と暮らすことに等しいのではないか」とも感じられます。

ウルフドッグの飼い主になるためには、知識・判断力・技術など、想像をはるかに上回るスキルが必要になるのではないでしょうか。

はてな
Pocket
この記事を読んだあなたにおすすめ
合わせて読みたい

あなたが知っている情報をぜひ教えてください!

※他の飼い主さんの参考になるよう、この記事のテーマに沿った書き込みをお願いいたします。

年齢を選択
性別を選択
写真を付ける
書き込みに関する注意点
この書き込み機能は「他の犬の飼い主さんの為にもなる情報や体験談等をみんなで共有し、犬と人の生活をより豊かにしていく」ために作られた機能です。従って、下記の内容にあたる悪質と捉えられる文章を投稿した際は、投稿の削除や該当する箇所の削除、又はブロック処理をさせていただきます。予めご了承の上、節度ある書き込みをお願い致します。

・過度と捉えられる批判的な書き込み
・誹謗中傷にあたる過度な書き込み
・ライター個人を誹謗中傷するような書き込み
・荒らし行為
・宣伝行為
・その他悪質と捉えられる全ての行為

※android版アプリは画像の投稿に対応しておりません。