愛犬が「お風呂嫌い」になってしまう原因
「うちの子、毎回お風呂に入れるのが大変…」と嘆く飼い主さんは多いはず。そもそも、なぜお風呂が苦手な犬が多いのでしょうか。
お風呂が大好き、もしくは苦手ではない犬との違いはなんなのでしょうか。
そこで今回は、愛犬が「お風呂嫌い」になってしまう原因について解説します。愛犬をスムーズに楽しくお風呂に入れてあげるために、今一度確認しておきましょう。
1.水とあまり接してこなかった犬種だから
犬には様々なルーツがあります。元々水辺で猟をしていたレトリバー種やプードル等の犬種は、水自体にあまり抵抗感がなく、個体によっては水遊びが好きな子もいます。これらの犬種は水辺や水中で活躍するために作りだされたため、泳ぐことが得意なのです。
その一方、視覚や嗅覚を利用して地上での狩りを行うなど、水とあまり接してこなかった犬種の場合、水を苦手としている場合があります。
2.目や耳、鼻に水が入った
犬は顔周りに水がかかることが非常に苦手です。少しかかるだけでも嫌なのに、目や耳、鼻や口の中など敏感な部分に水が入って痛い思いや強い不快感を経験すると、より一層お風呂を嫌がります。また同じ思いをしたくない気持ちも理解できますよね。
わたしたち人間と同じように、犬も鼻や目に水が入るとツンとした痛みを感じたり、耳に水が入る感覚を不快に感じたりするのです。
そのため、犬は一度でもそのような経験をすると、お風呂に入ること自体に強い抵抗感を持つようになってしまいます。
3.シャワーの音や水の当たる感覚が怖い
犬は「シャワー」という存在自体が理解できません。わたしたちはザーッと出るお湯を体に当てると心地よいと感じますが犬はそうは思いません。
犬にとっては「大きな音が出るうえに苦手な水が勢いよく出る怖いもの」といった認識でしょうか。
浴室での反響音も相まって、犬には相当大きな音に聞こえているはずです。聴覚が優れており皮膚も敏感な犬にとってシャワーは怖いものであると想像できますよね。
4.シャンプーの匂いが苦手
人間にとってシャンプーは良い匂いでも、鼻のいい犬にはむしろ不快な匂いであることが十分に考えられます。香水や柔軟剤などの人工的な匂いを嫌う犬は多いです。
シャワーをかけられることは嫌がらないのに、体を洗われることに抵抗を示す場合はシャンプーの匂いが嫌なのかもしれません。無香料や自然由来の製品に変えてみることをおすすめします。
5.自分の匂いが消えることが嫌
お風呂を嫌がる理由には自分の匂いが消えるといった、犬の本能が関係しているかもしれません。犬は優れた嗅覚で、様々な匂いから情報を取得できる動物です。
犬にとって自分の匂いは存在をアピールする大切な手段です。そのため、お風呂に入ることで自分の匂いがなくなることに不安を覚えるのです。
「お風呂嫌い」な愛犬にお風呂に慣れてもらうコツ
犬が「お風呂嫌い」な原因を解説しましたが、シャンプーは清潔と健康を保つためには大切なお手入れです。飼い主さんも愛犬も、できるだけストレスなくシャンプーしたいですよね。
「お風呂嫌い」な犬にお風呂に慣れてもらうには、以下のポイントに注目しましょう。
- お風呂場は楽しいと思ってもらう
- シャワーの温度や水圧に気を配る
- 短時間で行うことを意識する
お風呂に入る前にお風呂場で愛犬と遊んでみましょう。おもちゃ遊びやおやつを与えてみると良いですね。「お風呂場=楽しいところ」という意識を根付かせるために飼い主さんも笑顔でかつ全力で接しましょう。
シャワーの温度は35~37度のぬるま湯、水圧も弱めに設定してください。シャワーヘッドをタオルでくるんだ状態で犬の体に密着させると、音がかなり抑えられるのでおすすめです。
お風呂はなるべく短時間で終わらせましょう。身動きがとれないことや暑さが犬には大きなストレスとなります。優しく話しかけながらも手早く行うことを心がけてください。
まとめ
今回は、愛犬が「お風呂嫌い」になってしまう原因について解説しました。
愛犬のお風呂に苦戦している飼い主さんも多いと思います。犬がお風呂を嫌いになる理由を知った上で、慣れてもらうコツを実践してみてください。時間がかかるかもしれませんが、飼い主さんが楽しそうに笑顔で接していれば少しずつ慣れてくれるはずです。
「愛犬が嫌がるから…」とお風呂に入れないことはNGです。愛犬の健康を考えれば、ぜひともお風呂好きになってもらう必要があります。
とはいえ、頑張って無理に自宅でお風呂に入れようとするのではなく、トリミングサロンなど、プロの手を借りることもひとつの方法です。
飼い主さんと愛犬にとって、どちらがストレスや負担が少ないかを考えて選択することも良いと思いますよ。