飼い主を見つけると駆け寄ってくる犬たち
飼い主を見つけると、途端にパッと表情が明るくなり、嬉々として駆け寄ってきてくれるわんこたち…。表情や動きを見るだけでも愛おしくなりますよね!
飼い主を見つけると駆け寄ってくる犬たちが多くいますが、一般的に犬の視力は0.2〜0.3程度しかないと言われています。彼らは飼い主をどのような基準で見分けているのでしょうか。
本当に飼い主と別の人を区別できているの?
そもそも本当に飼い主と飼い主ではない人を見分けられているのか、という疑問を持つ人も多いでしょう。実は、イタリアのある大学で犬が飼い主と別の人を区別しているかどうかを調べる実験が行われました。
実験は、飼い主と別の人がいる部屋へと交互に犬を入れて反応を見る、といったシンプルな内容です。すると、飼い主がいる部屋に入ったときは飼い主の顔をじっと見つめたり、部屋を出た途端に再び部屋に入ろうと近寄るなど、飼い主以外の人には見せない反応を見せたといいます。
このことから、犬はしっかり飼い主と飼い主ではない人を区別しており、飼い主にしか見せない愛情表現があることもわかりました。
犬が『飼い主』を見分ける方法とは?
では、犬は飼い主と別の人をどのような方法で見分けているのでしょうか。また、視力が悪いといわれる犬たちは、見た目で識別することができるのでしょうか。
実は判別基準の約50%は『見た目』
犬が飼い主を見分ける基準として、実は見た目が大きな影響を与えているといわれています。また、犬を飼っている人へのアンケート調査によると、見た目で見分けているように感じると答えた人が、なんと約50%もいたのです。
犬は視力が人間でいうところの0.2〜0.3程度しかないといわれていますが、全く見えていないわけではありません。
実際、先ほど紹介した実験で飼い主と別の人、両者がマスクを被った状態で犬を部屋に入れた際、犬たちの反応が明らかに薄くなったという研究結果も出ています。
見た目と同じ程度『匂い』が重要
犬にとって、飼い主を見分ける基準の中でも非常に多くの割合を占めているのが『匂い』だといわれています。犬は嗅覚が非常に優れているため、飼い主を匂いで判断していることも多いのだそうです。
また、犬にとって飼い主の匂いは最も安心できる香りでもあります。そのため、最も好きな飼い主の匂いがすることで、「飼い主さんが近くにいる!」「帰ってきた!」と見分けることができるのだとか。
飼い主の声や足音で見分けていることも
さらに、飼い主の声や足音も重要な要素です。実際、家に帰ったらすでに玄関で待っていた、という話はよく聞きます。これは、遠くから飼い主の足音を聞き取り、帰ってくることを事前に察知していることが大きな理由です。
また、犬は聴覚が優れているため、飼い主の声と別の人の声を正確に聞き分けることができるといわれています。したがって、犬にとって飼い主の声や足音など、飼い主が出す『音』も見分けるための重要な要素です。
総合的に要素を組み合わせて『飼い主』を見分けている
今回ご紹介したように、犬はある1つの要素を基準に飼い主を見分けているわけではなく、見た目や匂い、飼い主の声や足音など、さまざまな要素を総合的にみて判断していると考えられます。
犬は飼い主のことを日頃からよく観察しています。したがって、少しでも違和感を覚えると、「あれ?なんだかいつもと違う」と不安を覚え、近づくことを躊躇う様子を見せる犬もいるほどです。
さまざまな部分を正確に把握してくれているのは、それだけ飼い主への愛情が深いからに他なりません。愛犬が嬉しそうに近寄ってきてくれる時は、ぜひ愛情を込めて迎え入れてあげましょう。
まとめ
いかがでしたか。犬は『飼い主』を見た目や匂い、声などの音を総合的に判断して、他の人と見分けていると考えられます。人間ほど正確ではありませんが、見た目で識別することもある程度はできているんですよ!