️犬の「抱っこ」でしてはいけないNG行為
しばしば犬の「抱っこ」の仕方がSNS等で話題になることがあります。また、犬は猫ほど抱っこが嫌いではない印象ですが、それでも抱っこされたがらない犬もいるのではないでしょうか。
実は、犬の抱っこでしてはいけないNG行為があることをご存じでしょうか。それを知らずに愛犬を抱っこしようとしても、それは愛犬にとって危険な抱き方であり、ストレスでしかありません。
愛犬が抱っこを嫌がっているのは、抱っこの行為が嫌いなのではなく、今のその抱っこの仕方を嫌がっている可能性も…。
そこで今回は、犬の「抱っこ」でしてはいけないNG行為について解説します。災害時や怪我などをした際にスムーズに移動できるよう、危険な抱っこをして愛犬を困らせないように、今一度確認しておきましょう。
1.仰向け抱っこ
しつけやケアの際に犬の仰向け抱っこを推奨する声も一部にはありますが、人間の赤ちゃんを抱くような仰向け抱っこは基本的にはおすすめできません。
背骨がぐいっと曲がってしまい、背中を痛めるリスクがあるからです。
2.縦抱っこ
ここまでご紹介してきた背骨の向き理論から、縦抱っこが犬に向かないのは明らかでしょう。
体の中で最も重い部位は頭ですが、二足歩行の人間の場合、頭の重さを背骨で支えるために背骨がS字に曲がっています。
しかし、四足歩行である犬の体はこの構造をとっていないため、縦抱っこで背骨が頭を支える形になると、過大な負荷がかかってしまいます。
3.下半身を支えない
特に小型犬や超小型犬などの体重の軽い小さな犬種の場合、上半身を支えるだけ、あるいは片手だけでもひょいっと抱っこできてしまうことがあります。
片手が空くと人間としては楽なので、片手抱っこをしてしまいがちかもしれません。
しかし、この抱っこで楽なのはあくまで人間だけ。下半身をしっかり支えないと下半身の重みを背骨が全て引き受けることになってしまい、犬は腰を痛めてしまうことになります。
4.脇に手を入れて抱き上げる
犬を抱き上げるとき、人間の子どもを抱き上げるように脇に手を入れて抱き上げていませんか。
実はこの抱き上げ方も、犬の体の構造上NG行為といえます。
木登りをするネコには鎖骨がありますが、犬は木登りなどの上下運動を想定した体のつくりにはなっておらず、人間や猫のような鎖骨がありません。そのため、脇に手を入れて上下させるような格好をとると、肩関節に不自然な負荷がかかってしまう恐れがあります。
愛犬を抱き上げる際には、胸の辺りと下半身に手を回し入れるようにしましょう。
️犬の正しい「抱っこ」の仕方
では、正しい方法で犬を安全に「抱っこ」するにはどのようにすれば良いのでしょうか。
ここからは、犬の正しい「抱っこ」の仕方を確認しておきましょう。
背骨が自然な向きになるように抱っこする
犬が立っているときや伏せているとき、背骨は必ず地面と平行になっています。また、オスワリをしているときには緩やかな角度で地面に向かっています。
つまり、犬の姿勢が地面と並行の位置にあること、あるいは緩やかな角度で地面に向かっていることが、犬の背骨にとっては自然な状態であり、最も負担が少ない状態であるといえるのです。
犬の体に余計な負担をかけないためにも、抱っこの際は愛犬の背骨が本来あるべき自然な状態にあることを意識しましょう。
上半身と下半身を2点で支える
犬の体をしっかり安定させ、落下などの事故を防ぐためにも、抱っこの際には上半身と下半身の2点を確実に支えることが大切です。
支えが安定しないと危険なばかりか、犬も不自然な体勢となってしまって体への負荷が高くなり、楽な姿勢とは言えなくなってしまいます。
️まとめ
今回は、犬の「抱っこ」でしてはいけないNG行為について解説しました。
愛犬を抱っこしていると温かくて幸せな気持ちになりますが、まちがった抱っこで愛犬を危険に晒してしまったら本末転倒ですよね。
飼い主さんも愛犬も安全でハッピーになれるよう、今回ご紹介したポイントを踏まえて、今一度愛犬の抱っこの仕方を確認しておきましょう。