犬に「オテ」は教えるべき?
犬に「オテ」を教えるかべきかどうかは、結論から言うと「必須ではない」とされています。
家庭で飼育される犬に教えることには、安全で快適な生活のために必要な『しつけ』と遊びの一環である『トリック(芸)』の2種類があります。
「おすわり」や「待て」「ヒールウォーク」など、犬の行動をコントロールするために必要と考えられることや、「トイレトレーニング」や「ハウストレーニング」のようなマナーに関することは『しつけ』で、犬のためにも飼い主さん自身にとっても教えておくべきことです。
「オテ」をはじめ、「バーン(撃たれた真似)」や「スピン(その場で回る)」などは、教えても教えなくてもかまわない『トリック(芸)』と考えられているため、犬にとってメリットがあればチャレンジしてみるといいでしょう。
遊びの範囲内である『トリック(芸)』とはいえ、「オテ」を教えることの必要性やメリットもあるので、それらを知って愛犬に教えるか考えてみてください。
犬に「オテ」を教える必要性やメリット
犬に「オテ」を教えることには、犬にとっても飼い主さんにとってもメリットがあります。
お手入れや健康管理に役立つ
犬を含めた動物は、体の先端になるほど神経が敏感になっているため、足先を触られるのを嫌がることがあります。
特に神経質なタイプの犬は、散歩後に足を拭かれることにストレスを感じたり、爪切りをされるのを嫌がったりして、なかなか足先を触らせてくれません。
しかし、それらのお手入れやケアは日常的におこなうべきことなので、スムーズにできるようにしておくと、お互いにとってストレスが少なく済みます。
犬が嫌がっている場合は無理やり短時間で済ませなければいけませんが、嫌がらずに触らせてくれると、足先をきちんと見たり触ったりすることが可能です。
足裏や爪の異常などにも気がつきやすく、健康管理がしやすいというメリットも生まれます。
「オテ」をできるようにしておくことで、足先に触られることにも自然と慣れていくでしょう。
人とのコミュニケーションのきっかけになる
「オテ」のような『トリック(芸)』を教えるメリットとして、犬と飼い主さんにとって楽しいコミュニケーションやスキンシップをとるきっかけになることも挙げられます。
犬は飼い主さんにほめられながら何かを学ぶことに喜びを感じますし、絶対に教えなければならない『しつけ』よりも飼い主さんも気楽に楽しんで取り組めます。
「オテ」を教えることを愛犬との楽しいコミュニケーションにするために、ほめるトレーニングを意識しましょう。
また、飼い主さん以外の人とのふれあいの中でも「オテ」をすることで、可愛がられたり仲良くなれたりするということもあります。
「オテ」の教え方や注意点
愛犬に「オテ」を教えたいと思っている人は、基本的な教え方と教えるときの注意点について知っておくことをおすすめします。
「オテ」の基本的な教え方
1.犬を目の前に座らせて、犬の目線の少し下(犬の視界に入る場所)におやつを握った飼い主さんの手を出します。
2.犬がおやつを取ろうと立ち上がったり、鼻でつついたりしてもそのまま動かずに待ちます。犬が前足を使って飼い主さんの手に触れたら、手を開いておやつをあげます。
4.飼い主が握った手を出したら、犬がすぐに前足をかけるようになるまで数回くり返します。
5.次に、おやつを握らずに手のひらを見せた状態で犬の目の前に出します。そのまま待ち、犬が前足で触れてきたらおやつを別の場所から取ってあげてください。
6.数回くり返した後、「オテ」と言った後に手を出して5と同じ練習をおこないます。
※おやつを握らずに手を出すと犬が手をかけなくなった場合は、最初の段階に戻って練習をし直しましょう。
要求の「オテ」には注意!
犬が「オテ」を覚え始めると、飼い主さんから「オテ」と言われなくても勝手にしてくるようになることがあります。
これは「オテ」をすることで飼い主さんがほめてくれることや、おやつをもらえることを学習している証拠なので悪いことではありませんが、完全に「オテ」を覚えたら毎回ほめる必要はありません。
勝手に「オテ」をすることが「おやつ出してよ!」「もっとかまって!」という要求の行為になっている可能性があるので、それに従ってしまうと「飼い主さんは自分の言うことを聞いてくれる」と勘違いして、ワガママになってしまうことがあります。
あくまで飼い主さんからの指示で「オテ」ができるように、ほめ方や接し方に注意しましょう。
まとめ
犬に「オテ」を教えるべきかどうかは、飼い主さんの考え方次第です。
絶対に必要なものではありませんが、教えることにはいくつかのメリットがあるので、時間や気持ちに余裕があればぜひチャレンジしてみてくださいね。