犬の『突然死』原因4選 愛犬にいつもと違う異変を感じたらすぐに病院へ

犬の『突然死』原因4選 愛犬にいつもと違う異変を感じたらすぐに病院へ

今や、わんこの平均寿命は約15歳。多くの人が愛犬と長く一緒にいられることを疑いません。ですが昨日まで元気だった愛犬と突然の別れが訪れたら…。今回はわんこの『突然死』についてまとめました。

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記事の監修

2009年麻布大学獣医学部獣医学科を卒業。
2015年から横浜市内で妻と動物病院を営み、犬、猫、エキゾチックアニマルの診療を行なっています。
2024年現在、犬10頭、猫3頭、多数の爬虫類と暮らしています。
愛犬家、愛猫家として飼い主様に寄り添った診療を心がけています。
内科(循環器、内分泌など)、歯科、産科に力を入れています。

わんこの突然死を招く原因

犬の遺影

1.心疾患

人間の突然死で最も多い原因は心臓病と言われていますが、わんこも同様に心疾患による突然死が多く報告されています。

わんこの心疾患で最も有名なのは僧帽弁閉鎖不全症で、病気自体は徐々に進行するものの初期症状がわかりにくく、重症化したと思ったらそのまま突然死してしまうということも少なくありません。

2.消化器疾患

消化器疾患は、心疾患に比べると前兆症状がわかりやすいことが多いですが、あまり目立った前兆もなく急激に体調が悪化して、突然死に至るケースもあります。

特に胃拡張・胃捻転症候群は早食いや水のがぶ飲み、食後の激しい運動といった一見「元気だなぁ」と見過ごしてしまうような行動がきっかけで発症する場合があるうえ、発症すると緊急度・重症度が高いため思わぬ突然死を招く恐れがあります。

3.誤飲・誤食による中毒

いわゆる病気にならない突然死で多いのが誤飲・誤食による中毒死です。代表的なものではチョコレートやネギ類、ブドウ、キシリトールなどが中毒を引き起こす可能性のある食品として知られています。

中毒を引き起こす成分に対する感受性には個体差がありますが、適切な治療がなされなければ死亡する可能性もあります。

近年ではペット栄養学の発達や飼い主さんの意識の向上により、わんこにとって有害な食べものの認知度も上がってきていますが、思いがけない拾い食いなどによって中毒を起こしてしまい、死に至る事象が後を断ちません。

4.事故

交通事故などの不慮の事故も突然襲ってきます。わんこは基本的に好奇心旺盛で活発な動物です。特に子犬のうちは家の中でも外でも目を離してしまうと何が起きるかわかりません。「あのとき目を離さなければ」と後悔することのないように意識していなければなりません。

突然死を少しでも防ぐために

動物病院の診察中

1.定期的な健康診断

一見何も症状がないと思われる元気なうちから、定期的に健康診断を受けておくと安心です。

突然死に至る疾患は発見が難しいものもありますが、健康診断がきっかけで早期治療の可能性が開ける場合もあります。「もっと早く気づいていれば」と嘆くことのないよう、習慣にしておきたい行動です。

2.事故を防ぐ環境づくりと意識

誤飲・誤食の事故を防ぐためには、キッチンにわんこを立ち入らせないように柵などでガードしておく、わんこが誤飲して危険と思われるものは手の届かない場所にしまい、部屋の中を整理整頓しておくといった環境づくりが大切です。

またお散歩のときには、首輪が抜けないことやリードの強度をしっかり確認し、ダブルリードにするなど、不意の逸走による事故を防ぐとともに「うちの子は大丈夫」という油断を捨て、万が一に対する意識を高めておきましょう。

まとめ

横たわる犬と手

いかがでしたでしょうか?老犬や病気のわんこを長期間にわたって介護しているといった場合には、お別れに向けて徐々に心の準備ができていくものです。後悔が残らないようにと事前にいろいろ計画することもできるでしょう。

突然死で愛犬を亡くした場合にはそういったステップを踏むことができない分、ペットロスも深刻になりがちです。

突然死の全てを防ぐことは不可能ですが予防や早期診療で少しでもリスクを減らすのはもちろんですが、最も大切なのは1日1日を悔いなく過ごすことかもしれません。

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