動物の幸福「アニマルウェルフェア」とは?
みなさんは「アニマルウェルフェア」という言葉を聞いたことはありますか?
「動物福祉」と直訳され『動物は生まれてから死ぬまで、ストレスや苦痛のない環境で過ごすべきである』という考え方です。ヨーロッパから広がりを見せていますが、日本では残念ながら浸透しているとはいえません。
牛や豚などの家畜が主な対象ですが、犬や猫などのペットも含まれます。大まかにいうと衣食住を整え精神的負荷がかからぬよう、一生涯飼育するようにとの指針です。当たり前のように聞こえますが、犬の飼育は想像以上に大変です。
安易な気持ちで迎え入れることは絶対にやめてください。以下に、犬を飼うべきではない人の特徴を挙げますので、当てはまった方は犬を飼うことをもう一度考えてみましょう。
犬を飼うべきではない人の特徴
1.金銭的余裕がない
犬の生涯飼育費用は300万円程といわれています。これを高いとみるか安いとみるかは個人差があると思いますが、数百万の出費は間違いありません。
毎月のごはん代やトイレシーツ代、病院や保険費用、狂犬病にワクチン接種…毎月万単位で出費が重なることも珍しくありません。また、近年の猛暑により1日中エアコンを稼働するため、電気代も高くなる傾向にあります。
1つの命を預かるということは、子どもを1人迎えることと同じだと考えてください。したがって、お金に余裕がない人は迎えるべきではありません。ライフプランニングや家計の見直しをして、犬を飼う余裕ができてから迎えましょう。
2.住環境が整っていない
一軒家ではなくマンションなどの集合住宅では、「ペット飼育可」の物件に住む必要があります。
中にはペット不可の住居で犬の飼育が発覚し、規約違反のため退去するように言われてしまう例もあります。そもそも犬は吠える動物ですので、秘密裏に飼育できるはずがありません。
また、家の環境を整える必要があります。犬の足腰に負担がかかるフローリングはNGですし、ケージを置くスペースを確保する、誤飲しないように家の中は散らかさない…など様々なことを見直さなければなりません。
3.体力面で不安がある
犬にとって散歩は、ストレス発散や知的好奇心を満たすためにとても大切です。家の中でトイレができても欠かすことはできません。運動量が必要な犬種であれば、加えてドッグランに連れていくなどの方法もとらなければなりません。
ごはんの準備、排泄物の処理、シャンプーやブラッシングに歯磨き…挙げればキリがないほどお世話にも相応の時間を使います。小型犬も大型犬も関係ありません。自身の体力面を不安に思うのならば、犬を迎えることは推奨できません。
4.自分の都合ばかり優先する
仕事に育児や家事…みなさん忙しく生活されていると思います。その生活に犬が加わることを想像できますか?「ごはんをあげて散歩にいけば大丈夫」少しでもこのような考えを持つのであれば、犬を迎え入れてはいけません。
「今日は疲れたから散歩は明日にしよう」「留守番長くなるけど平気だろう」などといった飼い主都合で生活していては、確実に犬のストレスは溜まります。
犬を飼えば安易に旅行に行くことも難しくなります。犬が体調不良だから楽しみにしていた予定を取りやめ病院へ連れていく…このような気持ちを持てないのであれば、犬は飼わない方が良いといえるでしょう。
5.忍耐力がない
犬の飼育には忍耐力や根気強さが求められます。トイレトレーニングや無駄吠え、噛み癖、リードコントロールなどしつけは非常に多岐にわたります。
言葉が通じない分、何度も何度も繰り返し教え込む必要があります。学習力も個体差がありますので、何ヵ月あるいは年単位でかかることも十分にあり得ます。
忍耐力がなくしつけを怠ってしまうと飼い主の言うことを聞かず、むやみに吠えたり噛みついたりする犬になってしまう可能性も。人と犬との共生にしつけは欠かせません。忍耐力がないと自覚のある人は犬の飼育に向いていないのかもしれません。
6.後先考えずに迎え入れる
犬の生涯は15年前後です。今迎え入れてから15年間、しっかりお世話ができるか、最後を看取ってあげられるかを考えてみてください。犬の平均寿命は年々延びています。喜ばしいことですが、その分病気に罹患したり認知症を発症することもあります。
「可愛いから」「癒されたいから」そのような安易な気持ちで、突発的にお迎えすることは絶対にやめてください。実際に飼い始めてみると、思っていた理想とのギャップに後悔する人がいることも事実なのです。
まとめ
今回は、犬を飼うべきではない人の特徴をご紹介しました。皆さんは1つでも当てはまる特徴がありませんでしたか。犬を飼うということは、大切な命を一生涯お世話することです。
大変なことが多いことは事実ですが、それ以上に犬はたくさんの幸せを与えてくれます。ご紹介した記事が少しでも参考になれば幸いです。