犬が『独り占めしたい』ときの行動5つ 独占欲が強い愛犬のためにできることと適切な接し方を解説

犬が『独り占めしたい』ときの行動5つ 独占欲が強い愛犬のためにできることと適切な接し方を解説

動物は自分で捕まえた獲物を食べることで生きていくため、自分の獲物を他者に取られまいとするのは自然なことです。しかし、よく「独占欲が強すぎる犬には注意が必要」と聞きます。独占欲が強すぎる犬には、どういった問題があり、どう対処すれば良いのか、また愛犬の独占欲の強さをどのように図れば良いのかについて解説します。

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愛犬の独占欲が強すぎるとなぜ問題なの?

おもちゃを咥える犬

よく「犬の独占欲が強すぎると問題行動にエスカレートすることがあるから注意が必要」だと言われます。独占欲が強すぎると、なぜ問題行動にエスカレートすることがあるのでしょうか。

犬が独占したい主な対象は「獲物」「仲間」「場所」の3点です。「獲物」はフードやおもちゃに、「仲間」は飼い主さんやそのご家族に、「場所」はご自宅や庭、お気に入りの場所がそれぞれ該当します。

他の犬と比べて「独占欲が強すぎる」場合、その心の奥底には「不安」が潜んでいると言われています。自分の大切なものを失ってしまうという強い不安に襲われるため、執着が強くなり独占しようとするのです。

不安感が高まると自然に警戒心が強くなり、相手を遠ざけようと威嚇したり、攻撃的な様子を見せやすくなります。また、周囲の物を壊したり自分自身を傷つける行動を見せる犬も多いのです。この警戒心や自傷行動などが、「問題行動」とみなされてしまうのです。

犬が独り占めしたいときの行動

飼い主にマーキングする犬

ここでは、愛犬の独占欲が強すぎるかどうかを判断するための目安を、いくつかご紹介します。

1.マーキングをする

マーキングとは、自分のニオイで印をつけて自分の場所やモノを宣言する行為です。おしっこによるマーキングが有名ですが、自分の居場所や大好きなモノにおしっこをかけることはしません。その場合は、体を擦り付けて自分のニオイを移します。

飼い主さんに自分の体を擦り付けるのも、飼い主さんへのマーキングの可能性が高いです。飼い主さんやお気に入りの場所などに頻繁にニオイを擦り付ける犬は、独占欲が高い可能性があります。

2.すぐに甘える

愛犬が飼い主さんの膝などを、自分の前足でちょんちょんと突いて甘えてくることがあります。「かまって!」とか「こっちを向いて!」といった一種の甘えの行動です。

他意のない可愛らしい甘えの行動も、度が過ぎると独占欲の強さのサインになります。飼い主さんが愛犬から目を離すや否や甘えてくる場合には、独り占めしたい気持ちが強すぎる可能性があります。

3.邪魔をする

テレビを見ている時や他の犬を撫でようとした時など、飼い主さんが注目している対象と飼い主さんの間に割って入って邪魔をすることがあります。この行動も、「こっちを向いて!」という甘えの行動の一つです。

これも愛犬から目を離すたびに行うなど、頻繁な場合は独占欲の強さの表れだと考えられます。

4.威嚇する

独占欲の強い犬は、常に自分の居場所や仲間、獲物を取られてしまうのではないかと不安を抱えているため、取られそうだと感じるとすぐに相手を威嚇をして防衛します。

もちろん、単に相手を怖がって威嚇している場合もありますが、自分のお気に入りのものや飼い主さんに近づいてきた人や犬、訪問客などに必ず威嚇する犬は、独占欲が強すぎると判断する目安になります。

5.攻撃的になる

2014年にカリフォルニア大学で行われた実験によると、飼い主さんが愛犬を無視して犬のぬいぐるみと遊んでいた場合、1/3の犬が飼い主さんとぬいぐるみとの間に割って入ろうとし、1/4の犬がぬいぐるみに噛み付いたという結果が出たそうです。

この結果から、独占欲から攻撃的な行動に出る犬も少なくないことがわかります。愛犬が好戦的だと感じているのなら、攻撃行動の直前の状況をよく確認してみましょう。

毎回、大切なものを守ろうとしているのであれば、独占欲の強さが背景にあると考えられます。

独占欲の強い犬との接し方

カップルの間に割って入る犬

どの犬にも獲物や仲間、場所に対する独占欲はあります。だからこそ、厳しい生存競争を勝ち抜くことができるのです。しかし、飼い主さんからの愛情に自信を持てない犬は、その不安感のために独占欲が強くなり過ぎてしまうことが多いです。

そこで独占欲が強すぎる愛犬に対しては、飼い主さんの愛情をしっかりと感じさせることで、不安感を払拭させましょう。愛犬の自信につながり、適度な独占欲に抑えることができるはずです。

そのためには、愛犬と接する時に下記の点に注意することをおすすめします。

  • 状況や環境が変わっても飼い主さんの愛情は変わらないことを示し続ける
  • 新しい家族ができたら、まずは愛犬を優先して変わらぬ愛情を示す
  • しつけに一貫性を持たせて「良い悪い」を明確に教え、愛犬に自信をつけさせる
  • 短時間の留守番から練習して「飼い主さんは必ず帰ってくる」と信頼させる

なお、「愛情を示すため」といって構いすぎたり、甘やかしすぎたりするのは厳禁です。愛犬の飼い主さんに対する依存心を強めてしまい、拒否されることへの不安度を増やしてしまうからです。

まとめ

並んで座る犬と飼い主

今回ご紹介した5つの行動は、一見すると単なる甘えの行動などとして受け取れるものが多いです。攻撃行動も対象がぬいぐるみなどの場合は、微笑ましく感じられるかもしれません。しかし頻度や程度が激しい場合は、強すぎる独占欲が隠れている可能性があります。

独占欲が強すぎる犬は、心の奥底に不安な気持ちを抱えていることが多く、問題行動に発展しがちです。また、不安を抱えていること自体が、犬にとっても幸せなことだとは言えません。

愛犬との適切な距離を維持し、愛情をしっかりと示し、愛犬から信頼されることで、愛犬の抱えている不安や自信のなさを払拭し、堂々とポジティブな気持ちを持たせてあげましょう。

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