愛犬が飼い主から離れない理由
1.犬の本能
愛犬があなたのそばから離れないのは、犬の本能が関係しています。はるか昔から犬は集団生活を送っていました。身を寄せ合って眠ったり寒さをしのいだり…群れで暮らす動物ならではの習性が現在も残っています。
また、リーダーと認めた人には、本能的に後追いをしそばにいようとします。愛犬の信頼を一心に受けている証拠といえるでしょう。
2.甘えたい
純粋に飼い主さんが大好きで、甘えからそばを離れないことも。体を預けてくっついてきたり、あなたの動きにあわせて一緒についてきたりすることもあります。飼い主さんに対する愛情表現ですね。
表情は穏やかでニッコリと笑ってみえるような子もいるでしょう。不安に思うような状況ではなく、愛犬がリラックスしているならばあなたに「大好き」と伝えているのでしょう。
3.不安や恐怖を感じている
犬が心配そうな顔で飼い主さんのそばを離れないときは、不安や恐怖を感じている場合があります。例えば、苦手な雷や花火などの大きな音が聞こえてきたり、知らない人の来客を怖いと感じているのかもしれません。
また、出かける支度をする飼い主さんの様子を見て、「これから留守番かぁ…」と寂しくなり、後追いをすることも。
可能な範囲で、不安や恐怖を感じている原因を取り除いてあげられると良いですね。とはいえ難しい場合は、愛犬が落ち着くまで声をかけたり優しく撫でてあげましょう。
4.何かを要求している
犬が飼い主さんに何かを要求しているときも、そばから離れないことがあります。「遊んでほしい」「おやつがほしい」など、何かしらの期待を込めた要求があり、ずっとくっついているのです。過去の経験則から学んで行動していると考えられます。
その都度、応えているとワガママになってしまうことも。愛犬の要求にはあくまで飼い主さん主導で応えるか否かを決める必要があります。
5.体調が優れないから
犬は体調が優れないとき、痛みや不安から飼い主さんのそばを離れないことがあります。ストレスや不安を覚える事柄を取り除いてもあなたにくっついているならば、体調不良を疑ってみてください。
愛犬の食欲はあったか、排便は良好だったか、どこか痛がる素振りはないか、など愛犬の様子を振り返ってみましょう。
一緒にボディチェックもできると良いですね。動けないほど重篤な状態ではないものの、「少しお腹が痛いな」「何か変だな」とその違和感を訴えているのかもしれません。
注意深く観察し、明確な原因が不明であっても「やっぱりどこかおかしい」と感じるならば、迷わず動物病院を受診してください。
過度な依存「分離不安症」の可能性も
1.分離不安症とは?
愛犬がくっついてきたり、そばを離れない理由が分かっているときは特に問題ありませんが、四六時中離れない場合は、「分離不安症」という病気の可能性があります。
分離不安症とは、飼い主さんがそばにいないことに大きなストレスや不安を感じる病気です。近年、認知されつつある不安障害のひとつであり、行動療法と薬物療法を同時に行うことが一般的な治療法といわれています。
飼い主さんの姿が見えないだけで鳴きだしたり、家の中を荒らすので短い留守番もさせられない…そんな症状が見られたら、分離不安症の可能性が考えられます。
2.分離不安症の原因とは?
飼い主さんに対して、過剰なほどの愛着を持ってしまうことが原因であり、過去の恐怖体験や環境の変化、加齢などの様々な要因が加わることもあります。
「うちの子は寂しがり屋だから」「甘えん坊だから」と一括りにせず、原因に沿った対策が必要になります。
3.分離不安症の改善策とは?
この病気は不安障害の一種です。いわゆる心の病気であり、原因も複雑に絡み合っていることが多いので、飼い主さん単体で直すことは難しいと考えてください。
少しでも愛犬の分離不安症を疑う場合は、まずはかかりつけの獣医師に相談してみましょう。専門医やドッグトレーナーの紹介を受けることも可能です。どこで治療を受けるにせよ、根気強く続けていくことが求められます。
まとめ
愛犬が離れずそばにいてくれると嬉しいですよね。むしろ、こちらからスキンシップをとりに行くこともあると思います。ただ、あまりに長時間そばを離れない場合は、愛犬の表情や仕草をよく観察してみてください。
飼い主さんから離れられないだけではなく、問題行動も伴うときは分離不安症の可能性も考えられます。少しでも早い対応を心がけて、愛犬の心をほぐしてあげてくださいね。