飼い主が長時間外出することで犬に与える悪影響
犬は集団生活をする動物なので、長時間ひとりで留守番させると寂しさからストレスを感じてしまいます。ストレスは犬に次のような悪影響を与えることがあります。
1.問題行動が増える
長時間飼い主がいない環境に置かれることが多い犬には、次のような問題行動が増える恐れがあります。
- トイレを失敗する
- イタズラをする
- 噛む
- 吠える
- 自傷行為 など
あなたの愛犬にこのような行動が見られるようになったら、寂しさを感じているのかもしれません。
2.分離不安になる
飼い主の後を常に追いかけ、少しでも姿が見えなくなると不安になって吠える、パニックになるなどの症状を「分離不安」といいます。
長い留守番が多い犬は、「また長い時間置いて行かれるかもしれない」という気持ちから分離不安になることがあり、留守番が難しくなったり、ストレスを感じやすくなったりすることがあるのです。
3.体調不良になる
長時間の外出が多い飼い主に飼われている犬のなかには、強いストレスで体調を崩す子もいます。
ストレスが原因で起きる症状は、主に以下のとおりです。
- 下痢
- 嘔吐
- 皮膚炎
- 食欲不振
ストレスが原因で起きる症状は治療をしてもなかなか完治せず、繰り返してしまうことが多いでしょう。
犬は最大何時間『留守番』できるのか?
飼い主が長時間外出することが多いと犬に悪影響を与えるとお伝えしましたが、具体的に犬の留守番は最大何時間が限度なのでしょうか?結論をいいますと、犬が留守番できる時間は最大で「8時間程度」だといわれています。
もちろん留守番ができる時間は犬の年齢や性格、体調、留守番に慣れているかどうかなどで前後しますので、愛犬に合わせた留守番の時間を飼い主が見極めることが大切です。
次のような犬は長時間の留守番には向いていないため、犬をひとりで家に残すときは早めに帰宅するようにしましょう。
1.子犬
特に生後6ヵ月未満の子犬は、長時間の留守番に向いていません。体が未熟な子犬は低血糖になりやすく、特に食欲にムラがある場合やおなかの調子が良くないとき、食事がなく空腹状態が長く続くと低血糖になる可能性が高いためです。
子犬は環境の変化などにも弱いため、留守番は長くても3時間程度にしておきましょう。最初は1時間以内の短いお留守番から練習し、様子を見ながら少しずつ慣らしていくのがオススメです。
2.介護が必要な高齢犬
高齢犬は1日のうちの大半を寝て過ごすため、慣れていれば8時間ほど留守番させることが可能です。
ただし、排泄や水分補給などに介護が必要な高齢犬に長時間留守番させるのはオススメできません。自力で動けない高齢犬を長時間ひとりにすると、脱水症状などで体調を崩す恐れがあるためです。
また、認知症による徘徊や不安症がある高齢犬も、長時間の留守番で心細くなり吠えてしまうことがあります。愛犬の体調に合わせて臨機応変に対応しましょう。
3.留守番に慣れていない犬
常に家族の誰かが家にいる環境で育ち、留守番に慣れていない犬をいきなり長時間ひとりにさせるのはNGです。
家族が長時間帰宅しない状況に急に置かれると、犬は強い不安を感じてしまいます。愛犬に長めの留守番をしてもらいたいときには、留守番の時間を少しずつ伸ばして慣らしておくようにしましょう。
まとめ
犬は最大で「8時間」ほどの留守番が可能だといわれています。留守番をさせるときには飲み水や誤飲の心配がない暇つぶしのオモチャを与え、室温もしっかり管理してから出かけるようにしましょう。見守りカメラを導入するのもオススメです。
8時間以上留守番させたいときや、長時間の留守番に慣れていない犬にはペットシッターや一時預かりを利用するのも良いでしょう。あまりに長時間の留守番は犬に多くの悪影響を与える可能性があるので、なるべく8時間以内には帰宅してあげてくださいね。