犬があなたを「慰めようとしている」ときに見せる行動
犬は飼い主のいつもと違う様子に不安や疑問を感じることがあります。そんなとき、行動することで、飼い主の反応を確かめようとします。
いつもと同じ反応が見られれば安心し、いつもと違う反応が見られればさらに不安や疑問を感じることがあります。何だかソワソワとして落ち着かない自分の気持ちを落ち着かせるため、いつもと同じ飼い主の反応が見たくて、不安や疑問を解消したくて、飼い主が喜ぶ行動をします。
その何気ない行動が飼い主を慰めることがあるのではないでしょうか。
一方では、いつもと違う飼い主の様子に対して、無関心な犬もいます。何となく「ん?」と感じる部分はあるようですが、よく理解できないため、それ以上に不安や疑問に感じることもないようです。
このように、いつもと変わらない愛犬の態度や行動にも、飼い主を慰める不思議な力があるのではないでしょうか。
そこで今回は、犬があなたを「慰めようとしている」ときに見せる行動について解説したいと思います。
1.飼い主の顔に自分の顔をグッと近づけてニオイを嗅ぐ
犬があなたを慰めようとしているとき、飼い主の顔に自分の顔をグッと近づけてニオイを嗅ぐことがあります。
あまりにも近すぎて、くすぐったくて、愛犬の荒い鼻息も感じられて、思わず笑顔になってしまうのではないでしょうか。
慰めるための直接的な行動ではないかもしれませんが、顔をグッと近づけることで、飼い主の気持ちを読み取ろうとしているのではないかと思います。
2.口にくわえたおもちゃを振り回して飼い主にぶつける
犬があなたを慰めようとしているとき、口にくわえたおもちゃを振り回して飼い主にぶつけることがあります。
「痛いー!」と声を上げる飼い主を面白がっているのかと思いきや、実は飼い主を慰めるための行動です。元気に声を上げる飼い主の姿を見たいのでしょう。
愛犬が体調不良で元気がないとき、「ワンッ!」と吠える姿を見て、(吠えることができるほど元気が出たんだな)と安心しますよね。
それと同じことなのではないでしょうか。
3.飼い主の体に頭をスリスリこすりつける
犬があなたを慰めようとしているとき、飼い主の体に頭をスリスリこすりつけることがあります。
飼い主が不安なとき、緊張しているとき、泣いているときなど、分泌される汗や皮脂や涙のニオイを感じ取り、落ち込んでいる飼い主の気持ちに気づいたのでしょう。
ネガティブな気持ちから分泌されてしまったそのニオイを消してあげたくて、スリスリすることで自分のニオイをこすりつけ、上書きしようとしているのではないでしょうか。
犬が飼い主のニオイを感じることで安心するように、飼い主も自分のニオイを感じることで安心するだろうと考えているのかもしれませんね。
4.そっと隣に寝転がる
犬があなたを慰めようとしているとき、そっと隣に寝転がることがあります。
きっと「私を撫でて」と言っているのだと思います。愛犬に触れることで落ち込んだ気持ちが慰められること、あなたにもあるのではないでしょうか。
愛犬に触れた手から、愛犬の温もりが伝わったとき、心まで温かい気持ちになるのではないでしょうか。
自分が落ち込んでいたとき、体調不良で動けなかったとき、飼い主が慰めの言葉をかけながら優しく撫でてくれたことを犬は覚えています。
言葉を話すことができないため、慰めの言葉をかけることはできませんが、ただ隣にいてくれることで心が強くなれること、温もりを感じることで体も心も慰められることを、犬は飼い主から学んだのでしょう。
自分がしてもらったことと同じ行動で飼い主を慰めようとしているのです。
まとめ
犬があなたを慰めようとしているときに見せる行動を4つ解説しました。
- 飼い主の顔に自分の顔をグッと近づけてニオイを嗅ぐ
- 口にくわえたおもちゃを振り回して飼い主にぶつける
- 飼い主の体に頭をスリスリこすりつける
- そっと隣に寝転がる
あなたが落ち込んでいるとき、愛犬はどんな行動をするでしょうか。
あなたを慰めるための愛犬の行動は、特別な行動ではないかもしれません。いつもと変わらない、何気ない行動かもしれません。
その行動の中にも(飼い主を慰めたい)という気持ちや(飼い主に元気になってもらいたい)という気持ちが込められているということを忘れないでください。