犬の感情
犬は感情豊かな動物ですが、必ずしも人と同じ感情を持ち、同じように感じているとは限りません。犬が持っている主な感情は、「喜び」「怒り」「恐怖」「安心」の4つだといわれています。
犬の本当の気持ちは犬にしか分かりませんが、人と同じように楽しいことや嬉しいこと、心穏やかに安心して過ごせることを好んでいるのは、普段の彼らの態度からも伝わってきます。
その証拠に、犬は飼い主さんから褒められたくて自分の行動を選択します。だからこそ、期待通りの結果にならない時にはがっかりし、それが高じると飼い主さんに幻滅してしまうこともあるのです。
犬が幻滅してしまう飼い主の態度や行動
では愛犬をがっかりさせ、幻滅させてしまう飼い主さんの態度や行動について、具体的に見ていきましょう。
1.騙す
嘘をついて愛犬が嫌がることをしようとする、愛犬を期待させておきながら途中でやめてしまうといった飼い主さんの行動は、愛犬をがっかりさせるだけでなく幻滅させてしまいます。
例えば「お散歩に行こう!」と言って、愛犬を動物病院に連れて行こうとする飼い主さんは決して少なくないでしょう。愛犬が飼い主さんが散歩や食事の準備をしていると思っていたのに、実は違ったといった場合も同じです。
飼い主さんに「騙す」気があろうがなかろうが、愛犬はがっかりし幻滅してしまうことがあるので注意が必要です。
2.期待を裏切る
飼い主さんが全く無自覚なまま、愛犬に期待をさせてしまうケースもあります。例えば、あまりにもきっちりと規則的な生活をしているケースです。
愛犬は決まった時間になると「食事だ!」とか「お散歩だ!」と期待するため、少し遅れただけでも幻滅してしまいます。
また、いつもは褒めてくれるのに褒めてくれなかったというような場合も、愛犬を幻滅させます。良いことと悪いことの基準は、その時の感情や都合で変えないことが鉄則です。
3.褒めてくれなくなる
愛犬を家に迎えた直後は一所懸命にしつけようと、良いことをするとすぐに褒めていたことでしょう。しかし、一緒に過ごす時間が長くなればなるほど、だんだん褒めなくなってしまう飼い主さんがおられます。
愛犬は、飼い主さんに褒められるのが大好きです。そのため、どうすれば褒めてもらえるのかを一所懸命に学び、覚えます。愛犬がよいことをしたら「しつけたんだから当たり前」などと思わずに、きちんと褒めてあげるように心がけましょう。
4.飼い主からの愛情を感じられなくなる
飼い主さんの態度から、自分への愛情がなくなったと感じた場合も、愛犬は飼い主さんに幻滅します。必死に「かまって」アピールを行なっているのに気付いてもらえない、無視される、新しく迎え入れた子ばかりをかわいがるなどが代表例です。
5.期待すらさせてくれない
期待すらさせてくれないような飼い主さんにも、愛犬は幻滅します。
感情の起伏が激しくてすぐに怒鳴る、ちょっとしたアクシデントにも慌ててしまうといったタイプの飼い主さんです。愛犬が安心して過ごせる、落ち着きがあり堂々としている飼い主さんが好まれるようです。
また、愛犬の気持ちを理解しようとしない、愛犬が嫌がるようなことをわざと行って面白がるような飼い主さんも、期待すらさせてくれない飼い主さんだといえるでしょう。
愛犬を幻滅させないためのポイント
若くて好奇心旺盛な子犬時代を過ぎ、成犬になって精神的にも落ち着いてくると、犬はとても保守的な動物になります。多様な刺激は必要ですが、安定した日々を求めるようになるのです。
愛犬を幻滅させず、良好な関係をいつまでも維持させるために心掛けておきたいポイントをまとめると、下記になります。
- 愛犬が良いことをしたときにはすぐに褒めること
- ルールには一貫性を持たせ、気分や都合で変更しないこと
- できもしないことを期待させるような行動や声がけをしないこと
- 規則正しい生活の中にも融通を効かせ、「だいたい」を習慣化すること
- 愛犬の反応がかわいくても、からかわないこと
まとめ
愛犬と飼い主さんが共に楽しく暮らしていくためには、良好な関係を構築し、維持していく努力が欠かせません。しかし飼い主さんの無自覚な態度や行動が、愛犬をがっかりさせ、飼い主さんに幻滅させてしまうことがあります。
今回ご紹介した愛犬を幻滅させる態度や行動、そして幻滅させないためのポイントを、ぜひ愛犬といつまでも信頼しあい、楽しく暮らすためのヒントにしていただければ幸いです。