犬への「愛情と甘やかし」の違い
愛犬への愛情だと思ってやっている行為が、実は甘やかしであるということに気づけないでいるかもしれません。
自分の行為が甘やかしであったと気づくきっかけは、愛犬に悪影響が及んだときです。
犬は飼い主からの愛情を感じると幸せな気持ちになります。体も心も健康でいられます。では、甘やかしはどうでしょう。意外なことに、甘やかしがストレスになり、心を病んでしまう犬もいるのです。
愛犬を苦しめてしまうことがないよう、改めて、犬への愛情と甘やかしの違いを考えてみましょう。
1.お散歩中の抱っこの要求への応え方が違う
お散歩中の抱っこの要求に応えることは、甘やかしです。ただ飼い主に甘えたいという理由で抱っこされたいのであれば、応えてはいけません。
本当に足の痛み等なにか体調不良が理由で動けなくなってしまった場合に抱っこしてあげることが愛情です。
抱っこを要求すれば必ず応えてもらえると学習させないようにしましょう。要求が通らないとき、吠えたり噛んだりなどの問題行動へと発展させてしまう恐れがあります。
2.食べ物の要求への応え方が違う
食べたいだけ食べさせることは、甘やかしです。ごはんのおかわりの要求に応えたり、おやつの要求に応えて与えすぎたりしてしまうことです。
要求に応えてもらうことができなかったとき、食べ物が入った袋を噛みちぎって盗み食いする癖がついてしまうかもしれません。拾い食いの原因になることもあります。
ごはんは愛犬の体重や年齢や健康状態に合わせて適切な量を計算しましょう。おやつも1日分の量や与えるタイミングを決めて守りましょう。
3.褒め方や叱り方が違う
褒めること、叱ることは、愛情にもなり、甘やかしにもなります。
人の手を噛むなどの悪い行動をしたとき、嫌がる他犬を追いかけ回すなどの危険な行動をしたときは、叱ることがしつけであり、愛情です。
甘噛みだからと手を噛まれたことを許してしまうのは、甘やかしです。甘噛みは、危険な行為であると認識しましょう。大切なのは、噛む強さに関係なく、「人の手を噛んではいけない」と教えることです。それが愛情です。
甘噛みだからと人の手を噛むことを許されてきた犬は、咬傷事件を起こす危険性があります。それほど危険な行為だという認識を持ちましょう。
難しいのが、トイレの失敗を叱るかどうかです。トイレの失敗は叱らないのが正しいしつけ方です。愛情だと思い、厳しく叱っていませんか?
トイレ以外の場所で排泄したことを理由に叱っても、犬には理解できません。排泄したことを叱られたんだと学習してしまいます。そうすると、室内での排泄ができなくなってしまう可能性があります。飼い主に隠れて排泄をするようになってしまう犬もいます。
失敗させない工夫や対策をすることが愛情なのではないでしょうか。
4.適切なしつけを行っているか、芸のみ教えているか
適切なしつけを行うことが愛情です。適切なしつけとは、愛犬の安全と健康と命を守るためのしつけを行うことを言います。
- 待て
- 戻れ(おいで)
- 放せ(ちょうだい)
- トイレトレーニング
これらが当てはまります。
お手やおかわりなどの芸のみ教えているのはしつけではありません。芸を教えるだけでは愛犬の安全と健康と命を守ることはできません。
まとめ
犬への「愛情と甘やかし」の違いを解説しました。
甘やかしだと分かっていながらも、つい甘やかしてしまうものですよね。
おやつを食べたいだけ食べさせてしまうのは、よくあることです。しかし、肥満や病気の原因になる危険性の高い行為です。
愛犬を苦しめる恐れのある甘やかしをしているのであれば、今すぐに改めましょう。愛情があれば、甘やかしは必要ないはずです。