犬の室内飼育はいつから主流に?
いまや犬の室内飼育は当たり前ともいえるほど浸透していますが、犬の歴史を紐解くと長らく番犬として家や家族を守ってくれる存在でした。
その番犬としての役割から、一昔前は外飼いが一般的であり、そもそも現代より犬を飼っている家庭は多くありませんでした。
とある調査によると、外飼いから室内飼いへと大きく時代が動いた要因は、ペットブームだといわれています。1980年代後半から90年代初頭にかけての「大型犬ブーム」と、90年代後半の「小型犬ブーム」により、ペットは「家族の一員」として認識されるように。
かつてのマンションはペット飼育不可が一般的でしたが、2000年代に入るとペット可物件が大幅に増えたことも室内飼育の後押しをしました。
このように、ペットブームと住環境の変化が室内飼育が一般的になった大きな理由です。
犬の寿命を縮めてしまう室内の『絶対NG行為』とは?
室内飼育は外飼いより安心安全…その認識に誤りはありませんが、室内ならではの危険も潜んでいるのです。今一度以下のポイントをチェックしてみましょう。
1.床に滑り止め対策をしていない
「フローリングは犬にとってNG」という意識は、比較的周知されていることでしょう。住宅メーカーが、犬に優しい床材をアピールしている宣伝販促を目にした人もいるかもしれません。
では、フローリングの何が危険なのかご存知ですか?犬は本来、爪で地面をつかみながら動きますが、フローリングではこの動作ができないことが問題なのです。滑りやすいのでバランスを崩して転倒したり、日々の生活で足腰に相当の負担がかかります。
関節炎やヘルニアを発症する原因となり得ますので、犬のいるスペースには毛足の短いラグやクッションフロアなどを活用して、必ず滑り止め対策をしてくださいね。
2.室温調整をしない
犬は体温調節が難しい動物です。暑さによる熱中症の危険性がありますし、寒いと冷えから体調を崩す原因となります。
『犬が快適に過ごせる温度は20~25度』といわれていますが、犬種や年齢によって若干異なります。湿度も60%程度がベストです。
節電を意識するあまり、エアコンなどの温度調節機器を切って外出することは非常に危険です。極度の暑さ、または寒さにより体調不良に陥り、最悪の場合には命を落とすこともあり得るのです。
3.必要以上に食べ物を与える
室内で一緒に暮らす時間が長いと、愛犬も飼い主さんの食事のタイミングを分かっています。あなたが食事をとるときに、愛犬がお裾分けをおねだりすることはありませんか?
人間用に味付けされた食品は、犬にとっては塩分や糖分が多すぎます。「ほんの少しだけ…」と与え続けた結果、肥満や糖尿病などの健康トラブルを招いてしまうことも。
愛犬の健康管理は飼い主さんの責務です。しっかりとコントロールしてあげましょう。
4.誤飲・誤食しやすいものを放置している
犬はとっても好奇心旺盛です。興味本位で落ちているものを口に入れてしまうことは多々あります。ボタンやクリップなどの小さいもの、メイク用品、人間の薬…こういった危険なものを、犬の届くところに放置することは絶対にやめてください。
万が一食べてしまった場合、窒息や腸閉塞など命にかかわるような状態になる可能性もあります。定位置を決めて高い場所で管理する、もしくは犬が入れないようドアロックや柵を設置するなど対策をとりましょう。
5.愛犬のいる室内で喫煙する
近年、喫煙や副流煙による健康被害については広く知られるようになりました。タバコに含まれる有害物質は、それだけ体に悪影響を及ぼすということです。
犬の受動喫煙の危険性も見逃すことはできません。飼い主さんが喫煙者の場合、犬の発ガン率は約1.6倍になるというデータもあります。ガンの遺伝的発症率が高い大型犬は、特に注視したいデータでしょう。
また、嗅覚が優れている犬にとってタバコの匂いは強烈なものです。愛犬のそばで喫煙することは絶対にやめましょう。
6.愛犬を構い過ぎる
室内飼育だからこそ気を付けたいことが、過度に愛犬を構い過ぎないことです。犬種の特性やその子の個性としてベタベタされるのが苦手な子もいます。
自分の寝床で眠っているときやリラックスしているときは、ゆっくり休ませてあげましょう。
愛犬と四六時中一緒にいると、飼い主さんに過度に依存してしまう「分離不安」を発症することも。そうならないためにも、愛犬とは適度な距離でお互い心地よく接することを心がけてください。
まとめ
室内犬にしてはいけない「絶対NG行為」をご紹介しました。室内だからこそ気を付けなければいけないポイントがあります。対策を怠ってしまうと、健康トラブルや命を脅かす事態にもなりかねません。
「室内は安全」この認識を一度見直していただければと思います。愛犬といつまでも楽しく暮らせるよう、環境を整えてあげてくださいね。