犬が「人に体をぶつけてくる」心理
愛犬との暮らしの中で、たまに人間に向かって体をどーんとぶつけてくることがあるのではないでしょうか。
そのようなとき、果たして犬はどのような心理からそのような行動をするのか、あまり意識していない飼い主さんは少なくありません。
そこで今回は、犬が「人に体をぶつけてくる」心理について解説します。
信頼している
犬が体やお尻を押し付けてくるようにして体重を乗せてくる場合、親愛の情を表していると言われています。
特に、犬にとっては本来背中やお尻等の部分は自分で守ることができませんし、そのあたりを襲われても見えづらいため防御しにくいのです。そのような自分にとって弱みである部位を預けてくる場合は、飼い主を十分信頼して体を預けているといっていいでしょう。
このようなときは、愛犬を優しくなでて、愛情を伝えてあげてください。
遊びたい
興奮したように走って「どーん」と肩や頭からぶつかってくる場合は、信頼・親愛というよりもシンプルに「遊んでほしい」という要求のようです。「構って!」「遊んで!」という気持ちが高まってしまうと、ぶつかるだけでなく、吠えたり激しく走り回ったりという行動に現れることもあります。
このような場合、ぶつかることで遊びが始まると犬の中で「こうすれば遊んでもらえる」という理解になってしまいます。
また、飼い主がその要求に応じないとかえって行動がエスカレートしてしまう可能性も。まずはいったん落ち着かせるなどして、飼い主からの合図で遊ぶようにしてあげましょう。
体が痛い、かゆい、バランスがとれない
前述のように、犬が人に体をぶつけてくるのは、主にポジティブな理由からがほとんどでした。
しかしまれに、頭部や耳などをこすりつけるようにぶつかってくることがあり、この場合は頭部や耳、あるいは口の中などに何らかの不調があるためこすりつけているのではないかとも考えられます。
多くの犬は顔や口、耳などに痛みやかゆみがあれば、自分で後ろ足で掻いたり、床やソファなどにこすりつけるなどして紛らわせます。そのため、特定の部位をこすりつけるようにぶつかってくるようでしたら、その部位を丁寧に確認してあげるとよいと思われます。
また、故意にぶつかってくるというより、よろけてぶつかるということもあるかもしれません。その場合、歩行に何らかの異常がある可能性があるので、すみやかに動物病院を受診しましょう。
不安や恐怖を感じている
犬は、大きな物音や予想できない動きをするものが苦手です。多くの犬にとって雷や花火などは怖いと思うものでしょう。遠くの花火や雷の音に怖がって、部屋の中でパニックのようになってしまう子も多いようです。
この際、不安がって飼い主にべったりくっついて体重を乗せてくる子がいます。恐怖を感じると、犬は互いに体を寄り添わせ、外敵から身を守ったり心を落ち着かせようとするのです。
このような場合、通常はぶつかるというより体を寄せてくるという方が近い状態なのですが、あまりに強く恐怖を感じた場合は、パニックに陥って走り回って突進してくることもあります。何にぶつかったかも分からないまま、攻撃的にかみつこうとすることもあるようです。
あまりにも愛犬のパニックな状態、興奮状態がひどいときは、一度クレートはケージなど、犬にとって安心できるところに入ってもらい、静かにして落ち着かせてあげてください。
まとめ
今回は、犬が「人に体をぶつけてくる」心理について解説しました。
犬が体をぶつけてくる理由は一般的にはポジティブなものですが、まれに飼い主に言うことを聞かせようとしていたり、怖い思いからパニックを起こしていたり、体の一部に異常があったりなどといったこともあるようです。
どんな時にぶつかりに来ているのか、どういった状況でぶつかりに来ているのかをチェックして、適切な対応をしてあげてくださいね。