老犬が幸せに暮らすために必要な条件
愛犬が老いるスピードは本当に早いものです。ふとしたとき、(ああ…年を取ったなぁ)と感じることがあります。ちょっぴり不安や寂しさを感じることもあるかもしれません。
老犬が幸せに暮らすためには、老いた体と心へのサポートが欠かせません。誰よりも愛情を持って支えてあげることができるのが飼い主です。
犬は必ず老います。少なからずとも、介助や介護が欠かせなくなります。いざというときのために、若く元気で健康なうちに、日々の生活の中で意識すべきことは何か、考えてみましょう。
1.毎日外に連れ出すこと
老犬が幸せに暮らすために必要な条件は、毎日外に連れ出すことです。
歩けるうちは、毎日お散歩に連れて行きましょう。朝のお散歩がおすすめです。朝日を浴びることで体内時計が整います。
歩くことが難しいときは、ペットカートに乗ってお散歩に行きましょう。においを嗅いだり、他犬とコミュニケーションをしたり、外に出て受ける刺激は脳を活性化します。
外を出歩くことが難しいときは、カーテンと窓を開け、外を眺められるようにしましょう。庭があれば、庭でゴロゴロするのもおすすめです。
お家の中にばかりいると、活動量が減ります。筋肉や関節が硬くなります。血行不良や体重の増加、肥満と老化に繋がります。刺激がなく、心を病んでしまうことがあります。私たち人間もパンデミックで経験しましたよね。
老犬の幸せのためには、外に出て体を動かすこと、飼い主や家族以外の他犬や他人から受ける刺激も必要なのです。無理なく、その日の愛犬の状態に合わせて行ってあげてくださいね。
2.体に負担の少ない生活環境を作ること
フローリングで滑らないようにと敷いていたカーペットにもつまずくようになってしまいます。ほんの数センチの段差にもつまずき、転倒するようになってしまいます。
筋肉の衰えや体力の低下による老化サインです。つまずきや転倒が一度でもあれば、改善が必要だということです。
カーペットなどの敷物は、リビングの真ん中に敷くなど一部分ではなく、部屋全体に敷きましょう。一部分が浮いていたり、端がめくれやすくなったりしているときは買い替えましょう。
意外とつまずいたり転倒したりしやすいのが犬用ベッドです。出入りするときに手の先が引っかかってしまうのです。ケガの原因になるようであれば、ベッドなしも検討する必要があるかもしれません。
3.スキンシップやコミュニケーションの時間を増やすこと
視覚の衰えで見えづらくなります。嗅覚の衰えでにおいが分かりづらくなります。聴覚の衰えで聞こえづらくなります。飼い主の存在を確認しづらくなり、不安が増し、ストレスになります。
老犬になると、甘えが増しますし、飼い主への独占欲も増します。老いた体へのサポートよりも、心へのサポートの方が何倍も必要になることがあるのです。
一度に長時間のスキンシップやコミュニケーションをするよりも、1日の中でこまめなスキンシップやコミュニケーションをする方が、犬の心が安定するように思います。
老犬だからと特別なことをするのではなく、これまでと同じで構いません。ブラッシングをしたり、体を撫でたりするだけでも十分です。
変えるといいなと思うことは、ただ頭や背中やお腹を撫でるのではなく、血行促進をイメージしながら撫でたり、筋肉の疲れを癒すようにマッサージしたり、関節を動かすようにすることです。
4.認知症と夜鳴きに向き合い続けること
老犬のお世話で最も飼い主を苦しめるのが認知症と夜鳴きです。悲しくなることがあります。感情的になることがあります。罪悪感でいっぱいになることがあります。どれだけ優しい気持ちでいられるかが重要で、難しいことでもあります。
仕事をしている飼い主にとっては、夜も眠ることができず、体力的にも精神的にも苦しいでしょう。
認知症と夜鳴きは、犬にもどうすることもできません。飼い主にもコントロールすることができません。そして、本当に最後のお世話です。
だからこそ、老犬が最後の時間を幸せに暮らすために、優しい気持ちを持って向き合い続けることが必要なのです。飼い主としての後悔を少なくするためにも必要なことだと思います。
まとめ
老犬が幸せに暮らすために必要な条件を4つ解説しました。
- 毎日外に連れ出すこと
- 体に負担の少ない生活環境を作ること
- スキンシップやコミュニケーションの時間を増やすこと
- 認知症と夜鳴きに向き合い続けること
私は2匹の老犬を看取り、また今、13歳になる2匹の老犬と暮らしています。少しずつではありますが、老いも感じますし、生活にも変化が起こるようになっています。
老犬が幸せに暮らすために必要な条件は、日々、変化するものだと思います。愛犬の体と心の小さな変化にも敏感になることが大切なのではないでしょうか。