犬が「赤ちゃん返り」する原因
成犬が子犬の頃のような仕草や行動をするようになることを「赤ちゃん返りする」と言います。
老犬になると、赤ちゃん返りがよく見られるようになることがあります。今までできていたことが急にできなくなったり、急に飼い主を困らせるような行動をするようになったりすることがあります。
なぜ犬は「赤ちゃん返り」するのでしょうか。今回はその対処法を解説しますので、感情的になったり叱ったりせず、落ち着いて対処しましょう。
1.執着心が強くなったから
犬が赤ちゃん返りするのは、執着心が強くなったことが原因です。
老犬によくあることなのですが、飼い主に甘えたい気持ちと執着心が強くなり、子犬の頃のような行動をすることがあります。
飼い主の後をついて回ったり、飼い主の姿が見えなくなると鳴いたり、分離不安症のような症状にもとらえられてしまうかもしれません。
赤ちゃん返りをしているのであれば、不安による行動ではなく、大好きな飼い主を独占したいという気持ちによる行動です。
(飼い主に構ってもらえなくて不満だ)という気持ちがストレスになり、甘えたい気持ちや独占欲が強くなり、赤ちゃん返りしているのではないかと考えられます。
こんなときの対処法は、スキンシップやコミュニケーションを増やすことです。
まだ介護の必要がない元気で健康な老犬であると、あまり手がかからないことから、目を離す時間が多いのではないでしょうか。
興味を示さなくなったおもちゃ遊びも楽しんでやってみましょう。よいスキンシップやコミュニケーションになります。血行促進によいマッサージもおすすめです。
2.新しいペットの家族が増えたから
犬が赤ちゃん返りするのは、新しいペットの家族が増えたことが原因です。
新しく犬や猫を迎えるなどし、多頭飼いになったとき、犬が赤ちゃん返りすることがあります。とくに子犬や子猫であると、より先住犬が赤ちゃん返りしやすくなります。
成犬である先住犬と比べて、子犬や子猫は手がかかります。飼い主が付きっきりでお世話をしなければならないことがあります。
そうすると、先住犬は、飼い主の自分への愛情や関心が薄れたのではないかと感じ、不安や不満がたまり、ストレスになってしまうことがあります。それが赤ちゃん返りする原因です。
よくある行動は、トイレの失敗です。トイレ以外の場所で排泄したり、トイレシートを噛みちぎったり、子犬の頃のような行動をするようになることがあります。飼い主の気を引きたいのです。
こんなときの対処法は「叱らないこと」です。絶対に叱ってはなりません。子犬のトイレトレーニングと同じように、「トイレはここだよ」と言葉にして教え、上手にできたときは思いっきり褒めましょう。
3.赤ちゃんが生まれたから
犬が赤ちゃん返りするのは、人間の赤ちゃんが生まれたことが原因です。
環境の変化とも言えますし、赤ちゃんへの嫉妬心や飼い主への独占欲とも言えます。これまで自分にだけ与えられていた愛情や関心が、全て赤ちゃんに向けられているように感じられるのでしょう。
そのことが不安や不満を募らせ、ストレスになっているのではないかと思います。
犬は飼い主の態度や行動によって、赤ちゃんが大切な存在であることを理解しています。飼い主が大切にしている赤ちゃんは、自分にとっても大切な存在である、と考えることができる優しい心を持っています。
しかし、嫉妬心や独占欲が生まれてしまい、赤ちゃん返りすることがあるのです。
よくある行動は、イタズラをすることです。悪い行動や危険な行動をすることがあるため要注意です。最も飼い主の関心を引きやすく、自分に注意が向くことを分かっているのです。
対処法は、犬と一緒に赤ちゃんのお世話をすることです。飼い主が赤ちゃんをお世話する様子を一緒に眺めたり、赤ちゃんのにおいを嗅がせたり、赤ちゃんという存在に慣れてもらいましょう。
そして、赤ちゃんが眠っている間は、愛犬とのスキンシップやコミュニケーションの時間にしましょう。
最もおすすめなのはお散歩に行くことです。他の家族に赤ちゃんのお世話をお願いし、愛犬とお散歩に行きましょう。犬が飼い主を独占することができる時間を与えることも大切です。
まとめ
犬が「赤ちゃん返り」する原因を3つ解説しました。
- 執着心が強くなったから
- 新しいペットの家族が増えたから
- 赤ちゃんが生まれたから
飼い主への愛情が強い犬だからこそ、自分への愛情や関心が薄れたのでは…と感じやすく、そのことがストレスとなり、赤ちゃん返りすることがあります。
愛犬が寂しい思いをすることがないよう、日々の暮らしの中で、犬が愛情を感じ続けることができるよう対応したいですね。