犬が『悪いこと』したときはきちんと叱ってしつけを
犬のしつけは飼い主の責務の1つと言えます。悪いことをしたときはきちんと「ダメ」と伝えて叱り、良いことをしたときはたくさん褒めてあげることで、悪いことを正しつつ良い行いを伸ばすことにつながります。
「かわいそうだから」「叱り方がわからない」という理由で悪い行いを放置していると、問題行動がエスカレートしてしまい、飼い主がコントロールできなくなるので注意してください。
間違ったしつけは逆効果に…注意すべきこと
しかし、犬は人間の言葉を正確に理解することができません。ダメなことを「ダメ」としっかり伝えるため、大きな声で怒鳴ったり体罰を加えたりする人がいますが、このような恐怖で支配する叱り方は絶対にNGです。
恐怖で支配するしつけの方法は、根本的な解決になっていないだけでなく、飼い主と正しい信頼関係を築けず、犬が強いストレスを抱え込む原因になります。
とはいえ、笑顔で叱っても「怒られていない」「むしろ喜んでくれた!」と勘違いさせてしまうので、きちんとメリハリをつけて低い声と強張った表情で叱ることが重要なポイントです。
犬の『上手な叱り方』は?正しいしつけで学ばせよう
では、犬を叱るときはどのように「ダメ」「違うよ」と伝えるべきなのでしょうか。
1.状況に応じて適切な叱り方に切り替える
犬を叱るときに押さえておきたいポイントは、犬がどのようなり理由や状況で悪さをしてしまったのか見極めることです。
悪さをした理由や状況に応じて適切な叱り方をすることで、信頼関係を壊すことなく正しい意味(叱られた理由)をきちんと理解させ、次へのステップに促すことができます。
2.イタズラなどで注意を引こうとしている時
もしも飼い主の気を引くためにイタズラなどの問題行動を起こしている場合は、一旦問題行動を止めさせながら、低い声と強張った表情で「ダメ」とはっきり伝え、黙々と後片付けをしましょう。
このとき、重要なポイントは『構わないこと』です。ここで必要以上にかまってしまうと、問題行動を起こせば構ってくれると勘違いさせてしまいます。
黙々と後片付けをしている最中も、その後もしばらくは愛犬に構うことなく無視することで、「悪さをしても構ってもらえないんだよ」「悪さをすると構ってもらえなくなるよ」と教えましょう。
3.わざとではないけれど失敗してしまった時
トイレトレーニングなど、わざと悪さをしたわけではないけれど失敗してしまったときは、必要以上に責めたり叱ったりすることは避けてください。
犬自身も「やってしまった」と自覚があるケースが多いので、「だめだよ」「違うよ」と低い声で伝えた後、黙々と後片付けを行い、反省している様子が見られたら優しく声をかけて慰めてあげましょう。
トイレトレーニングでは、愛犬の「トイレに行きたいサイン」を見逃さず、飼い主がトイレへと誘導してあげることで早期トレーニング完了につなげることができます。
4.わがままを押し通そうとしている時
わがままを押し通そうと問題行動(唸る、吠える、噛み付くなど)を起こしている場合は、絶対に要求を呑んだり別のもの(おやつなど)で釣ったりしないでください。
一度でも許してしまうと「わがままを言えば要求が通る」と覚えてしまい、行動がエスカレートする危険性があります。
「ダメ」と強めにはっきりと伝え、問題行動を起こされても極力反応しないようにしましょう。愛犬の気持ちが落ち着くまでは構わず、そっと見守ってあげてください。
まとめ
いかがでしたか。犬を叱るときは、状況や理由に合わせて対応を多少変えることがポイントです。叱った後は、愛犬の気持ちが落ち着いてから声をかけ、飼い主側も気持ちを切り替えてスキンシップや遊びなどを通して仲直りしましょう。