犬に与えてはいけない『夏野菜』5選 絶対NGな理由や誤食したときの危険な症状まで

犬に与えてはいけない『夏野菜』5選 絶対NGな理由や誤食したときの危険な症状まで

夏野菜の中には、暑さに疲れた身体によい効果をもたらしてくれるものがたくさんあります。ぜひとも愛犬にも与えたいですが、犬に与えてはいけない夏野菜があるので注意が必要です。この記事では、犬に与えてはいけない夏野菜と、犬に与える際に注意が必要な夏野菜についてご紹介します。

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記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター )

獣医師・AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター
山口大学農学部獣医学科(現:共同獣医学部)卒業。2006年3月~2023年3月 有限会社ふくふく動物病院 取締役・院長。ジェネラリストですが、得意分野は皮膚疾患です。
獣医師歴26年(2023年4月現在)の経験を活かし、ペットの病気やペットと楽しむアロマに関する情報をお届けします。

犬に与えてはいけない夏野菜は?

生のとうもろこしを咥えるジャックラッセルテリア

夏は、みずみずしい野菜が豊富になる季節です。夏野菜の中には、夏バテや脱水症状の予防になるものが多くあるため、愛犬に与えたくなるかもしれません。

しかし、犬に与えてはいけない夏野菜は避ける必要があります。以下では、犬に与えてはいけない夏野菜を5つご紹介します。

1.にんにく

玉ねぎを始めとするネギ類が、犬に中毒を引き起こす食材であることは多くの飼い主がご存知でしょう。にんにくもネギ科の植物であるため、犬に与えてはいけません。ネギ類には犬の赤血球を破壊し、溶血性貧血を引き起こす可能性のある有機チオ硫酸化合物が含まれています。

犬がにんにくを食べた場合の中毒症状として

  • 下痢
  • 嘔吐
  • 血尿
  • 元気消失
  • ふらつき
  • 歯肉が白っぽくなる

などが挙げられます。

犬が大量のにんにくを食べた場合は、これらの症状が翌日までに現れることがありますが、大量でない場合は食べた数日後に現れることが多いようです。

有機チオ硫酸化合物の感受性には個体差があるため、同じ量のにんにくを食べても中毒を起こす犬と起こさない犬がいます。一般的に柴犬や秋田犬などの日本犬は、有機チオ硫酸化合物への感受性が高いとされています。

2.生のモロヘイヤ

モロヘイヤにはシュウ酸が含まれています。シュウ酸は尿路結石の原因となるため、犬に与える場合は注意が必要です。

シュウ酸は、茹でて水にさらすことで量を減らすことができます。数分茹でて水にさらし、細かく刻んだモロヘイヤであれば、犬に与えても大丈夫です。しかし生のモロヘイヤは、シュウ酸の含有量が多いため、犬に与えるのは避けましょう。

茹でたモロヘイヤも、尿路結石の既往歴がある犬や尿路結石のリスクが高い犬は、与える前に獣医師に相談しましょう。

3.ししとう

ししとうは唐辛子の一種ですが、辛味の少ない甘味種です。しかし量は少なくても、辛味成分のカプサイシンが含まれています。犬にししとうを与えるとカプサイシンが犬の胃腸を刺激し、以下のような症状を引き起こす可能性があります。

  • 下痢
  • 嘔吐
  • 腹痛
  • 食欲不振

ししとうには10本中1本程度の割合で、カプサイシンの含有量の多い激辛のものがあると言われています。もしこれを犬が食べてしまった場合は、激しい下痢や腹痛を起こし、かなり苦しむことになるでしょう。

4.生のゴーヤ

ゴーヤには犬に有害な成分は含まれていませんが、生で与えると消化不良を起こし、下痢や嘔吐の症状が出る可能性があります。

犬にゴーヤを与える際はワタと種を取り除き、茹でるなど加熱したものを細かく刻みましょう。ゴーヤは免疫力をアップするビタミンCを多く含みますが、ゴーヤに含まれるビタミンCは加熱しても壊れにくいのが特徴です。

5.生のとうもろこし、芯がついたままのとうもろこし

とうもろこしは炭水化物、食物繊維、ビタミン、ミネラルなど多くの栄養素を含み、夏の栄養補給にぴったりです。

犬にとうもろこしを与えても大丈夫ですが、生のままで与えると消化不良を引き起こす可能性があるため、茹でたり蒸したりしてから与えましょう。消化を助けるために、加熱したとうもろこしを細かく刻むか、ペースト状にするのがおすすめです。

注意が必要なのが、とうもろこしはカリウムの含有量が多いことです。腎臓の機能が低下している犬は、カリウムの摂取に制限が必要な場合があるため、とうもろこしを与える前に獣医師に相談しましょう。

そして絶対に犬に与えてはいけないのは、とうもろこしの芯です。加熱しても芯は硬いため、犬の歯で噛み砕くことは難しく、丸呑みするおそれがあります。

芯を丸呑みした場合、食道で詰まって窒息したり、腸で詰まって腸閉塞を起こしたりする恐れがあり、犬の命に関わります。

犬にとうもろこしを与える際は、必ず実を芯から外して与えるようにしましょう。また、食べ終わったとうもろこしの芯をテーブルの上などに放置せず、犬が誤食しないように注意してください。

まとめ

野菜の入った紙袋を覗き込む犬

今回は、犬に与えてはいけない夏野菜として、以下の5つをご紹介しました。

  • にんにく
  • 生のモロヘイヤ
  • ししとう
  • 生のゴーヤ
  • 生のとうもろこし、芯がついたままのとうもろこし

これらの夏野菜を犬に与えると下痢や嘔吐、さらには重篤な症状を引き起こす可能性があるため、愛犬に与えないように注意しましょう。

もし犬が誤食した場合は、まずは動物病院に連絡するのが基本です。いつ何をどのくらい食べたか、現在どのような様子か伝えてください。

ただし、生のモロヘイヤ、ししとう、生のゴーヤ、生のとうもろこしについては、食べた量が少量で無症状であれば、少し様子を見てもよいでしょう。もし嘔吐や下痢などの症状が見られたら、速やかに動物病院を受診しましょう。

なすやピーマン、きゅうりは、基本的に犬に与えても大丈夫な夏野菜ですが、与える際は量や持病などに注意しましょう。

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