「お金がかかる」犬の特徴
一般的に『犬の生涯飼育費用には300~400万円かかる』といわれています。ライフスタイルや犬種によってかかる費用は異なりますが、犬1頭飼育するのに多くのお金がかかることは明白です。中でも、ある特徴や共通点を持つ犬はより支出が増える傾向にあります。
そこで今回は、「お金がかかる」犬の特徴について解説します。これから犬を飼おうと検討中の場合は、事前にしっかり確認しておきましょう。
1.暑さや寒さに極端に弱い
犬種によって、暑さや寒さが極端に弱い犬が存在します。
例えば、フレンチブルドッグやパグなどの短頭種は体の構造上、体温調節が苦手な犬種です。さらに、シベリアンハスキーなどの寒冷地原産の犬も、暑さに弱い代表犬種です。
一方、小型犬の多くは寒さに弱い傾向があります。中でも、イタリアングレーハウンドやミニチュアピンシャーは、短毛で皮下脂肪も少ないため寒さは極点に弱い犬種です。
このような特徴の犬を飼育するためには、エアコンなどの冷暖房完備は必須といえます。また、洋服代などの支出も発生するでしょう。
2.体格が大きい
お金がかかる犬と聞いて「大型犬」の飼育を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。ご想像の通り、飼育に必要なあらゆる費用が小型犬とは桁違いです。
とある調査によると、小型犬と大型犬の生涯飼育費用は100万円ほども違います。
ごはんやおやつの量はもちろん、トリミングやペットホテルの利用も体格が大きくなるにつれて、料金が高くなるのが一般的です。その他、フィラリアの予防薬も体重によって料金が異なってきます。
3.定期的にトリミングが必要
トリミングサロンでは爪切りや肛門腺絞りなどの日常のケアから、シャンプーやカットまで幅広く行っています。
短毛種や柴犬などの日本犬は、被毛をカットしてもらう必要はありませんが、シングルコートの犬種は被毛が伸び続けるので定期的なお手入れが必須です。
国内で人気が高いトイプードルやチワワ、マルチーズなどはその代表的な犬種です。カット仕様や犬種にもよりますが、1回のカットは5000円前後のサロンが多いでしょう。プラスしてシャンプーや爪切りなども行うと1万円はあっという間に超えてきます。
出費がかさむからといってお手入れを怠ると、被毛がのびて目にかかってしまったり、毛玉ができて皮膚状態が悪くなったりするなど、日常生活に支障をきたします。トリミングサロンが必要な犬種は、どうしても支出額が高くなる傾向になります。
4.一般的に飼育が難しい
犬種によってしつけの難易度が異なることはご存じでしょうか。
頭の良いトイプードルや温厚なレトリバー種は、比較的しつけがしやすい犬種です。「飼育しやすい」という観点から見ると、初心者向けともいえます。
その一方で、賢すぎるボーダーコリーやポジティブすぎるがゆえにしつけが難しいシベリアンハスキー、マイペースで頑固な日本犬は、家庭内のトレーニングだけでは難しい場合も。そのため、ドッグスクールでプロのトレーナーさんと一緒にトレーニングをする飼い主さんも多いのです。
スクールの費用は一概にはいえませんが、3000円~1万円程度が1回あたりの目安の金額です。他の犬と一緒に行うグループレッスンより、1対1で行う場合や出張スクールの方が金額は高くなる傾向にあります。
5.遺伝的に疾患を患いやすい
犬種によっては、好発する遺伝性疾患を持っていることがあります。たとえば、ダックスフンドの椎間板ヘルニアや柴犬のアレルギー性皮膚炎などが代表的な例です。
犬の診療に公的保険はありませんので、全て実費で支払う必要があります。血液検査+エコー検査をして1万円を超えた…ということも珍しくありません。
もちろん、病気の発症は育った環境に左右されることも多いですが、犬種によって遺伝性疾患が判明されていることも事実です。
「少なくとも年に1回は健康診断を受ける」「若いうちからペット保険に加入する」「お迎えしたい犬種のことを事前によく調べておく」など、できることをしっかり行っておくと、いざという時に安心です。
まとめ
今回は、「おかねがかかる」犬の特徴について解説しました。
『ペットは家族の一員』という考えが当たり前となり、多くの商品やサービスで溢れるようになりました。「できることは全てしてあげたい」と考える飼い主さんも多いでしょう。
しかし一方で、「こんなにお金がかかると思わなかった…」という声も残念ながら耳にします。
犬を飼いたいと考えている方は、事前にかかるであろう支出金額を算出し、ご自身のライフスタイルも考えた上でお迎えしてくださいね。