犬のトリミングとは
犬のトリミングとは、ハサミやバリカンなどを使い、被毛を整えることを言います。
抜け毛が少ない犬種(被毛が自然に抜け落ちない犬種)である場合、定期的なトリミングで毛玉を防ぐことができます。衛生面では清潔を保つことができ、健康面では皮膚病の予防になります。
トリミングと似た言葉にはグルーミングがありますが、違いを理解されていらっしゃるでしょうか。
- シャンプー
- ドライヤー
- ブラッシング
- 耳掃除
- 爪切り
- 肛門絞り
このようなお手入れをグルーミングと言いますが、被毛をカットして整えることを含む場合はトリミングと言います。
グルーミングは全ての犬に必要なお手入れであると言えますが、トリミングは必要としない犬もいます。
足裏バリカンや肛門周りバリカンは、トリミング(被毛のカット)に含まれ、長毛種であるポメラニアンなど、安全や衛生面を考え、この部分のみトリミングを必要とする場合もあるでしょう。
犬をトリミングする頻度の目安
犬のトリミングの頻度の目安にはその犬によって個体差がありますが、ここでは、世代別のおおよその目安について説明しておきましょう。
子犬
子犬の場合は、混合ワクチンの接種をした後、2週間~1カ月ほど経ってからトリミングすることをおすすめします。
免疫力・体力・感染症予防などを考え、子犬にとってより安全なトリミングを行うためです。
トリミングが可能になるまでは、飼い主によるお手入れが欠かせません。毛玉ができてしまわないよう、毎日のブラッシングを行いましょう。
成犬
基本的には、月1回のトリミングで、愛犬の安全や健康を守ってあげることができます。
夏には、被毛を短く保ってあげたいと考え、トリミングの頻度が高くなることがあります。冬には、被毛を長く保ってあげたいと考え、トリミングの頻度が低くなることがあります。
基本的には月1回だけれども、顔回りやおしり周りは汚れやすいから月2回など、部分によって頻度が変わることもあります。
老犬
トリミングは、犬にとって負担の大きなものです。ストレスもかかりますし、体力も使います。老犬にとっては、体調不良の原因になってしまうこともあります。
これまでは、シャンプーもカットも月1回だったかもしれませんが、負担や体力を考え、2カ月に1回、3カ月に1回と、頻度を減らさなければならないことがあります。
その日の機嫌や体調によっては、トリミングの予約をキャンセルしなければならないこともあるでしょう。とくに持病のある老犬のトリミングは慎重になるべきです。
犬のトリミングを放置しすぎると起こる悪影響
犬のトリミングの頻度の目安は理解できたところで、反対に、トリミングをせずに放置した場合はどのような悪影響があるのでしょうか。
毛玉だらけになる
抜け毛が少ない犬種(被毛が自然に抜け落ちない犬種)である場合、全身が毛玉だらけになることがあります。
毛玉の中には汚れが溜まりやすく、雑菌が繁殖しやすいため、不衛生です。湿気によって、カビが発生してしまうこともあり、皮膚病の原因になります。
滑って転倒する
手足の先や肉球周りの被毛が伸びると、犬が滑って転倒しやすくなります。
フローリングへの対策をされていらっしゃるかと思いますが、手足の先や肉球周りの被毛を伸びたまま放置していると、マット類の上でも滑って転倒することがあります。
糞尿と被毛が塊になる
伸びた被毛に糞尿が付着し、毛玉のように塊になってしまうことがあります。ハサミやバリカンでもカットしづらくなります。
糞尿と被毛が塊になると重く、犬の皮膚が引っ張られることで痛みを伴います。
まとめ
犬のトリミングは、成犬であれば月1回が基本的な頻度です。老犬であれば、体力や持病を考慮し、2~3か月に1回程度にすることもあります。頻度は体力や病状によって変わります。
トイプードル、マルチーズ、ヨークシャー・テリアなど、シングルコートで抜け毛が少ない犬種ですが、被毛が伸び続けてしまうため、定期的なトリミングが必須な犬種です。
ポメラニアンはダブルコートで長毛の換毛期のある犬種ですが、ある一定の長さにまでしか伸びないため、基本的にはトリミングは必要ありませんが、おしり周りなどの衛生面を保つために短くカットする場合があります。
スムースチワワ、フレンチ・ブルドッグ、パグ、ドーベルマンなど、被毛が短い犬種はトリミングが不要です。
初めて犬を飼う人は、トリミングが必要な犬種であるかどうか、ということも事前に知っておくとよいと思います。