犬が飼い主のことを怪しんでいるときにする仕草や行動
何年も一緒に暮らしている愛犬から怪しまれていると感じると、がっかりしてしまいます。人間関係と同じように、一度築いた信頼の絆も、何かのきっかけで簡単に崩れてしまうことは大いにありえます。
どうも最近、愛犬からあまり信頼されていないようだと感じておられるなら、ぜひ早いうちに愛犬との関係を修復することをおすすめします。心の距離が開きすぎてしまうと、なかなかもとに戻すのに時間がかかってしまいます。
犬が飼い主のことを怪しんでいるときに見せる仕草や行動、そして愛犬から疑われないようにするためのポイントをご紹介しますので、是非関係修復の参考にしてください。
1.いかにも怪訝そうな表情をして見つめる
犬も人も、「視覚」「嗅覚」「聴覚」「触覚」「味覚」の5つの感覚器を使って情報を感知し、脳で認識します。しかし、視覚に頼りがちな人間とは異なり、犬は嗅覚や聴覚で多くの情報を感知し、静止しているものを見る場合の視覚情報は、人間ほど多くはありません。
それでも、犬は人間の仕草や行動、そして表情から多くの情報を得ます。そのため、「何かおかしいぞ」と思うと、上目遣いをしたり眉を寄せたりといった怪訝そうな表情をして、飼い主さんのことをじっと見つめることがあります。
マスクやヘルメットで誰だかわからない、言っていることが嘘くさいといったときに、真実を見極めようとしているのでしょう。
2.目を逸らす
人と犬とのコミュニケーション手段の一つに、アイコンタクトがあります。しかし、動物にとって相手の目を見つめるということには「警戒」や「臨戦態勢」という意味がありますので、本当に信頼している相手としかアイコンタクトをしてくれません。
もしアイコンタクトを求めているのに愛犬から目を逸らされてしまう、目を合わせようとしない、というような行動が愛犬に見られた場合は、愛犬からの信用を失ってしまったサインだと考えられます。
3.距離をおいて近づいてこない
対人関係において、相手と適切な距離感を保つことは非常に大切です。それは、心理面だけではなく、物理的な距離も同じです。パーソナルスペースに踏み込んで近付かれると、不快になるからです。
これは犬も同じです。パーソナルスペースに踏み込んで近づけるのは、信頼されている人だけです。そして心から信頼されるようになれば、スキンシップもできるようになります。
もし愛犬が飼い主さんとの間に距離を置き、近づこうとしないまたは逃げてしまう、さらには隠れてでてこないという場合は、信頼度が低下しているサインだと考えられます。
4.唸るなど警戒心をあらわにする
さらに信頼度が低下すると、近づいたら逃げるだけではなく、唸ったり低い声で吠えられたりと、警戒心をあらわにされ、万が一の場合は攻撃的される可能性もあるでしょう。
ただし、帰宅した飼い主さんの姿がいつもと異なり、不審者に見えたせいかもしれません。その場合は、声をかけながら顔を覆っていたものを外す、いつもと異なる服を脱ぐ、外で付いた犬の嫌がるニオイをシャワーで落とすなどの対策を行い、安心させてあげましょう。
愛犬から疑われないためにできること
愛犬に怪しまれないためには、普段から愛犬から疑われないような行動をする必要があります。飼い主の何気ない行動ひとつで、愛犬が怪しんでしまう可能性があるのです。
そこでここからは、愛犬から疑われないためにできることについて確認していきましょう。
いつもとかけ離れた格好や行動をしない
前述の通り、顔が判別できない、いつもとかけ離れた服装をしている、嗅いだことのないニオイがしているというような場合、犬は飼い主さんのことを飼い主さんだとは認識できずに、怪しむことがあります。
また普段では考えられないような突拍子もない行動をした場合も、同じように怪しがるでしょう。愛犬の前では、このような格好や行動をしないことが一番です。
嫌がることを無理強いしない
飼い主さんの愛情を感じていても、しつこく撫でられたりかまわれたりすると、嫌になります。嫌がることを無理強いされると、愛犬は飼い主さんのことも信頼できなくなります。
また、調子の良いことを言って誘い出されたら嫌なことをされたといったことが繰り返されるのも同じです。
「お散歩行こう!」と呼びかけて動物病院に連れて行ったり、「遊ぼう!」と言って愛犬を抱え込んで爪を切ったりなどの騙すような方法は、愛犬からの信頼度を低下させる大きな原因になります。
しつけの基本は「褒めること」
嫌いなお手入れや動物病院への通院も、きちんとしつけることで嫌悪感を低下させることができます。
まずは『愛犬が嫌いなことを我慢できたらしっかり褒める』というようなしつけ方の基本を身に着けましょう。そうすれば、愛犬を騙して嫌いなお手入れをするというような手段を使わなくても済むようになります。
また、飼い主さんにとっては困るような他の行動も、叱りつけることなく矯正できるようになるでしょう。
常に一貫性のある態度をとる
お子さんから、「自分の都合で子ども扱いしたり大人扱いしたりしないでくれ!」と言われたことはありませんか。もし思い当たる節があるのなら、愛犬に対しても同じような態度を取っている可能性があります。
犬も、あるときは「良い子だ!」と褒められ、同じことをしたのに別のときには「こら!」と叱られたら、どうすればよいのかわからなくなります。
愛犬と接するときには基準をきちんと決め、気分で変えたりご家族によって変えたりしないようにしてください。常に一貫性のある態度を取れることが、愛犬から信頼される最大の秘訣です。
まとめ
愛犬からの信頼をなくすのは、ほんのちょっとしたきっかけかもしれません。
忙しくてスキンシップが減った、逆にしつこくスキンシップを求めすぎて嫌がられた、嫌がるお手入れをするために軽い気持ちで騙してしまった、気分に任せていつもは見過ごしていることを叱りつけてしまったなど、思い当たる節のある方は少なくないのではないでしょうか。
このようなことが何度も繰り返されることで、愛犬からの信頼度はどんどん低下していきます。愛犬から訝しがられたり、「また騙されるのではないか」と思わせたりしないよう、普段から愛犬への接し方には気を付けましょう。