犬が無理して笑っているのを判断する方法
犬の感情があらわれるのは、笑顔などの表情ばかりではありません。そもそも犬は、表情だけで感情を表現しません。
表情以外の部分にも犬の感情があらわれているため、犬の表情が笑っているように見えるからといって、「嬉しい」「楽しい」といった感情であるとは限らないのです。
犬が無理して笑っているのを判断する方法を解説しますので、愛犬の笑顔に隠れた本当の気持ちを読み取ってみましょう。
1.あくびばかりする
笑っている犬があくびばかりするのは、無理して笑っているサインです。
緊張や不安があり、自分自身の気持ちを落ち着かせるためにあくびをしています。はっきりと「嫌だ」と言うことができず、不快な気持ちであるにも関わらず、笑顔を向けているのでしょう。
ストレススマイルであると言えますが、ストレスレベルは軽度です。
2.耳を真横や真後ろにペタリと倒す
笑っている犬が耳を真横や真後ろにペタリと倒すのは、無理して笑っているサインです。
他人に撫でられているときなどによく見られます。警戒心や不安があるけれど、相手が自分に対して好意的であるため、ジッと我慢しているのでしょう。
ストレススマイルであると言えますが、ストレスレベルは軽度です。
3.荒い呼吸をしている
笑っている犬が荒い呼吸をしているのは、無理して笑っているサインです。
恐怖心や緊張から本能的に逃げたいという気持ちがあり、エネルギーが高まるため、呼吸が荒くなっているのではないかと考えられます。
恐怖心や緊張によって犬の精神状態が不安定になり、交感神経が優位になっていることも、荒い呼吸をする理由のひとつです。
ストレススマイルであると言えますが、ストレスレベルは中度です。
4.低く小さく唸り声をあげる
笑っている犬が低く小さく唸り声をあげるのは、無理して笑っているサインです。
相手が自分に対して友好的であることは分かっているものの、警戒心や恐怖心があるため、小さいながらも低い唸り声が出てしまうのです。
「これ以上は近づかないでほしい」「しつこく触らないでほしい」など、威嚇したい気持ちがあるのでしょう。
ストレススマイルであると言えますが、ストレスレベルは中度です。
5.よだれが止まらなくなる
笑っている犬のよだれが止まらなくなるのは、無理して笑っているサインです。
不安・緊張・警戒心・恐怖心など、強いストレスが生じています。暑さを感じているときのパンティングのような荒い呼吸をします。加えて、よだれが止まらなくなることがあります。
普段からよだれが出やすい犬種もいますが、正常時の愛犬のよだれの出る量を把握していれば、異常に気づくことができます。
ストレススマイルであると言えますが、ストレスレベルは重度です。
犬のストレススマイルと対処法
ストレスを感じているときの犬の表情をストレススマイルと呼んでいます。表情は笑っているように見えるかもしれませんが、表情以外の部分にストレスサインがあらわれていることがあります。
笑っているように見える愛犬の表情以外の部分にストレスサインを発見したときは、すぐに対処してあげましょう。
すぐに対象から引き離す
愛犬が他人や他犬にストレスを感じてストレススマイルをしているときは、すぐに対象から引き離してあげましょう。無理に他犬や他犬と仲良くする必要はありません。
いつも通りに接する
雷の音に恐怖を感じ、ストレススマイルをする犬がいます。荒い呼吸をすることがあるのではないでしょうか。
笑っているように見えるかもしれませんが、ソワソワと落ち着きがなくなったり、鳴き続けたり、震えが止まらなくなるなどすることもあります。
雷に怯えているときに限って、いつもより甘やかしたり、「大丈夫だよ」「怖くないよ」と声をかけたりするのではなく、飼い主はいつも通り接してあげましょう。
いつもと違う接し方をすると、犬はより不安や恐怖を感じます。いつも通り接することで、ストレスを和らげてあげましょう。
まとめ
犬が無理して笑っているのを判断する方法を5つ解説しました。
- あくびばかりする
- 耳を真横や真後ろにペタリと倒す
- 荒い呼吸をしている
- 低く小さく唸り声をあげる
- よだれが止まらなくなる
愛犬が笑っているときは、笑顔なのか、ストレススマイルなのか、表情以外の部分にも注目し、本当の気持ちを読み取ってみましょう。