犬の「習性と能力」を学ぶ気持ちが大事
どうしてそんなことをするのか。どうして言うことを聞いてくれないのか。愛犬の気持ちがわからなくなってしまうことがあるのではないでしょうか。
飼い主が愛犬の気持ちを理解できないとき、どんなに叱っても、どんなに対策をしても、どんなにしつけを行っても、上手くコントロールできないことがあります。
(どうして…?)と感じたときは、「犬の習性」「犬の能力」を学んでみましょう。人間には理解できないこともありますが、犬だからこその行動があります。
犬の習性と能力を知り、愛犬の行動の意味や気持ちがわかれば、改善まではできないとしても、お互いが快適に暮らすための対策や工夫はできます。
愛犬の気持ちがわからなくてどうしようもなく不安なとき、愛犬の行動でお困りのとき、犬の習性と能力の学びは、必ず役に立つと思います。
犬の「習性と能力」から読み解く愛犬の気持ち
では、犬ならではの「習性と能力」とはどのようなものなのでしょうか。
1.他犬や他人を警戒すること
犬は習性や能力によって、他犬や他人を警戒することがあります。
飼い主は愛犬に対して、他犬や他人とも仲良くしてほしいと思うかもしれませんが、飼い主や家族以外の全ての他犬や他犬を警戒し、唸ったり吠えたりすることがあります。
お散歩中、他犬に対して吠えてしまうかもしれません。撫でようとした他人を威嚇して吠えたり咬みつこうとしたりするかもしれません。相手に対して不快な思いをさせてしまうことがあります。
犬が飼い主や家族以外の他犬や他人を警戒することは、とても自然なことです。けっしておかしなことではありません。犬の習性や能力なのだと理解し、(こんな愛犬にも相性の合う他犬や他人がいるかもしれない)と考えてあげるとよいと思います。
ただし、トリミングや動物病院で処置を受けるときは、どうしても他人との触れ合いが必要になります。適切な処置を受けることができない場合、愛犬の安全や健康や命にも関わりますので、必要な相手に関しては、きちんと慣れておく必要があるでしょう。
2.マーキングをすること
犬は習性や能力によって、マーキングをすることがあります。オス犬だけではありません。メス犬もマーキングをします。
マーキングをされては困るからと、期待してオス犬の去勢手術をされる飼い主がいますが、去勢したからといって、マーキングをしないとは限りません。
マーキングには次のような犬の気持ちが込められています。
- 縄張りを主張したい
- 仲間として認識している犬への挨拶代わり
- 自分の安全を仲間の犬へ知らせたい
- 見知らぬ犬への名刺代わり
犬がマーキングをする理由は様々ですが、犬の習性や能力であるため、しつけで改善することができない場合もあります。
マナーベルトやマナーパンツを着用することで、周囲を汚さないための対策をするとよいと思います。
3.全速力で走っている最中に旋回できること
犬は習性や能力によって、全速力で走っている最中に旋回することができます。犬の優れた身体能力であると言えます。人間や車であれば、間違いなく転倒するでしょう。
犬が逃げる獲物を追いかけるとき、時速20km~30kmの速さで、一晩中動き回ることができるとされています。心臓や肺が大きく、肺活量に優れているからです。直線では、時速80kmにも達するとされています。
猛スピードで走りながらも転倒することなく旋回することができるのは、強靭な足首を持つこと、地面をガシッと掴むことができる爪を持つことが主な理由です。
また、犬の手足の裏や指の間や肉球の間に生えている被毛には、滑り止めの機能もあり、氷や雪の上でも滑らず速く走ることができるとされています。
ただし、フローリングの上では滑りやすく転倒の原因になるため、しっかり対策をすることが大切です。
まとめ
犬の習性と能力から読み解く愛犬の気持ちを3つ解説しました。
- 他犬や他人を警戒すること
- マーキングをすること
- 全速力で走っている最中に旋回できること
警戒心から他犬と仲良くできないこと、他人に迷惑をかけてしまうことがあるかと思います。自宅の室内や外出先でのマーキングも困りますよね。改善したいと思われているのではないでしょうか。
しかし、犬の習性や能力による行動なので、しつけで抑えつけることは難しいものです。
愛犬の安全と健康と命を最優先に考え、工夫や対策できることはないか、考えてみましょう。