犬が飼い主を嫌いになったときに見せるサインは?
犬は飼い主を嫌いになってしまうことがありますが、それを言葉で伝えてくることはありません。しかし仕草や行動によって、嫌いになったことを表現します。以下では、犬が飼い主を嫌いになったときに見せるサインを5つご紹介します。
1.接すると繰り返しあくびをする、自分の鼻を舐める
犬は緊張や不安を感じたときに「カーミングシグナル」と呼ばれる、特有の仕草や行動を見せることがあります。カーミングシグナルとは、犬が自分や相手の気持ちを落ち着かせるために行うもので、あくびや自分の鼻を舐める仕草もその一例です。
嫌いな人と接するのは、緊張や不安を感じるものです。そのため、飼い主と接するたびに繰り返しあくびをしたり鼻を舐めたりする場合は、飼い主を嫌っている可能性があります。
2.目を合わせようとしない
犬は好きな人と目が合うとうれしそうに見つめ返します。一方、嫌いな人と目が合ったときは目をそらしたり、そっぽを向いたりして目を合わせようとしません。
これは相手のことを怖いと思っていたり、嫌っていたりするときに犬がよく見せる仕草です。相手を避けたい気持ちや不安な気持ちを表していると考えられます。
愛犬が目を合わせようとしないからといって、無理に目を合わせようとするのはNGです。愛犬をさらに不安にさせてしまい、より関係が悪化するおそれがあります。
3.名前を呼んでも反応しない
飼い主に名前を呼ばれても犬が反応しなくなることがありますが、その理由のひとつとして、名前に嫌なイメージがついていることが考えられます。
例えば、名前を呼ばれてから叱られたり、爪切りや歯磨きなど犬にとって苦手なことをされたりすると、「名前を呼ばれる=叱られる、嫌なことをされる」と覚えてしまうことがあります。その結果、名前を呼ばれても反応しなくなってしまうのです。
名前に嫌なイメージはついていないはずなのに飼い主が名前を呼んでも反応しなくなった場合、犬は「嫌いな人と関わりたくない」と思っているのかもしれません。あえて反応しないことを選んでいるのです。
4.近づくといなくなる
嫌いな相手と距離を置きたくなるのは、犬も人も同じです。飼い主のことを嫌っている犬は、飼い主が近づいてくると別の場所に移動してしまうことが少なくありません。
愛犬に近づくといつもスッといなくなってしまうのなら、嫌われている可能性が高いと言えるでしょう。
その場から離れようとする愛犬を無理に引き止めたり、大声で呼び止めたりすると、余計に避けられるようになる可能性があります。
5.攻撃的な行動を取る
飼い主を嫌いになった犬は、飼い主が近づいたり触ろうとしたりすると、「これ以上近づかないでほしい」という気持ちを伝えるために、唸ったり吠えたりすることがあります。それでも飼い主が近づいてくる場合は、噛みつくこともあります。
犬にとって噛みつくことは自分の身を守るための最終手段なので、唸ったり吠えたりしている段階で犬の気持ちを理解し、無理に近づかないようにしましょう。
犬が飼い主を嫌いになる原因は?
犬が飼い主を嫌いになるのには必ず原因があります。その原因は様々ですが、主な原因として以下のようなことが挙げられます。
1.怒鳴られたり叩かれたりした
犬が言うことを聞かなかったり、いたずらをしたりしたときに、決して怒鳴ったり叩いたりしてはいけません。犬はなぜそうされているのか理解できず、不安や恐怖を感じるだけです。
飼い主が怒鳴ったり叩いたりした場合、犬は飼い主に対して恐怖心を持つようになり、信頼関係が壊れてしまう可能性があります。さらに、飼い主を嫌いになる原因にもなります。
犬のしつけに体罰は必要ありません。怒鳴ったり叩いたりするのではなく、よい行動をたくさん褒めて学習させていきましょう。
2.嫌がることを無理にされた
犬が嫌がることを無理強いすると犬は飼い主に対して不信感を抱き、嫌うようになることがあります。例えば、嫌がっているのに無理に他の犬に近づけようとしたり、押さえつけて歯磨きをしたりすると愛犬に嫌われる可能性があるのです。
愛犬のストレスにもなるので無理強いは避けましょう。愛犬が苦手なことに対しては、愛犬のペースに合わせて少しずつ慣れさせていくことが大切です。
3.コミュニケーション不足
犬はコミュニケーションを通して、飼い主への信頼や愛情を深めていきます。犬と飼い主が良好な関係を築くために、コミュニケーションは欠かせないのです。
コミュニケーションが不足すると犬は孤独や不安を感じ、飼い主から気持ちが離れていく可能性があります。つまりコミュニケーション不足も、犬が飼い主を嫌いになる原因の一つになるということです。
4.しつこくされた
犬とコミュニケーションを取ることは大切ですが、しつこくしないように注意が必要です。犬にもそっとしておいてほしいときがあります。
例えば、眠っているときやごはんを食べているとき、ひとりでゆっくり休憩したいときなどは構ってほしくありません。
そのようなときに、飼い主がしつこく触ろうとしたり遊ぼうとしたりすると、犬はストレスを感じます。そしてしつこくされることが続くと、たとえ飼い主であっても嫌いになってしまうことがあります。
愛犬から愛情表現をしてもらうには?
犬は飼い主への愛情表現として、お腹を見せて甘えたり、口元を舐めてきたりします。愛犬からこうした愛情表現をしてもらうには飼い主自身が愛情を注ぎ、愛犬にも愛情を持ってもらうことが大切です。
以下から、愛犬から愛情表現をしてもらうための方法を3つご紹介します。
1.コミュニケーションを大切にする
スキンシップを取ったり、優しく話しかけたりするなど、コミュニケーションを通して、飼い主は愛犬に愛情を伝えることができます。飼い主が愛情を伝えることで、愛犬も飼い主に愛情を抱き、自分なりの愛情表現をする可能性が高まります。
愛犬との信頼関係や絆を深めるためにも、毎日のコミュニケーションの時間を大切にしましょう。たとえ5分や10分でも、愛犬に集中して向き合う時間を設けることが重要です。
2.散歩や遊びを通して一緒に楽しい時間を過ごす
散歩や遊びは、愛犬と飼い主の絆や愛情を育みます。一緒に散歩をしたり、思いっきり遊んだりして楽しい時間を共有することで、愛犬は飼い主との心の繋がりを感じ、愛情が深まるでしょう。
大切なのは漫然と散歩をしたり遊んだりするのではなく、たまには散歩コースを変えてみたり、楽しい遊びを考えたりして飼い主も心から楽しむことです。一緒に楽しい時間を過ごす中で、愛犬は愛情を示してくれるでしょう。
3.気持ちに寄り添う
愛犬との信頼関係を築くためには、愛犬の気持ちに寄り添うことが非常に重要です。犬は言葉を話せませんが表情や仕草、鳴き声などを通して気持ちを伝えています。飼い主は愛犬のこうしたサインをよく観察し、理解しようと努めることが大切です。
愛犬の気持ちに寄り添うためには、適切な対応をすることも大切です。愛犬が喜んでいるときは、飼い主も笑顔で一緒に喜んであげましょう。そして愛犬が不安なときは、優しく声をかけてあげたり撫でてあげたりしましょう。
愛犬の気持ちに寄り添うことで愛犬は飼い主を信頼し、愛情表現をしてくれるはずです。
まとめ
犬が飼い主のことを嫌いになったとき、以下のようなサインを見せます。
- 接すると繰り返しあくびをする、自分の鼻を舐める
- 目を合わせようとしない
- 名前を呼んでも反応しない
- 近づくといなくなる
- 攻撃的な行動を取る
飼い主は、愛犬のこれらのサインを見逃さないようにしましょう。もし愛犬がこれらのサインを見せる場合は、嫌われた原因を探り、接し方を改めるようにしましょう。また、ご紹介した愛犬から愛情表現をしてもらうための方法を実践するのも効果的です。