犬が服を嫌がる理由
犬が服を嫌がるのは自然なことです。動物には「服を着る」という概念がありません。
人間が服を着ることには「社会性」を意味し、服によって身分や職業を表すことがあります。「装飾性」という意味では、美しさやオシャレを表すことがあります。
このように考えてみると、どちらも犬は必要としないでしょう。
1.犬はすでに服を着ている
犬が服を嫌がるのは、すでに「被毛」という服を着ているからです。
人間が服を着ることには「実用性」を意味しますが、暑さや寒さから身を守ったり、体温を調整したりする機能を持つ被毛を犬はすでに身につけているのです。
ダブルコートを持つ犬には換毛期があります。夏にはアンダーコートを減らし、冬には分厚く密生させ、服を脱いだり着たりしているようなものです。
シングルコートである犬はトップコートのみ持ちますが、トップコートには皮膚を保護する役割があります。服を着なくても被毛によって皮膚は守られているのです。
2.着たり脱いだりする瞬間がイヤ
犬が服を嫌がるのは、着たり脱いだりする瞬間がイヤだからです。
服によっては、着脱のときに犬の手足をキュッと曲げなければならなかったり、頭や首をギューッと通さなければならなかったり、この瞬間が最も嫌がるのではないでしょうか。
着せるのを拒否されたときは、服のサイズや素材を変えてみると嫌がりにくくなることがあります。
ぴったりサイズであると、着脱もしにくいのではないでしょうか。少し余裕のあるサイズの服で、服を着ることに慣れるための練習をしてみましょう。
やわらかい素材や伸縮性のある素材であると、犬の手足をキュッと曲げるのではなく、服を伸ばしながら着脱することができ、飼い主も楽ですし、犬も嫌がりにくいでしょう。
頭を通すことを嫌がる犬の場合には、服の首元を頭の大きさよりも広げて着脱すると、窮屈がなくてよいと思います。
3.被毛が絡まって痛い思いをした
犬が服を嫌がるのは、服のボタンやファスナーやマジックテープに被毛が絡まって痛い思いをしたことがあるからです。
ポメラニアンなどの長毛種であると、ファスナーに被毛が絡まったまま開け閉めすると、とっても痛いのです。
また、マジックテープをはがすときのジジジジジッという音が怖くて服を嫌がるようになってしまう犬も多いようです。
ボタンやファスナーなマジックテープのない服で、服に慣れる練習をしてみると、案外あっさりと嫌がらずに着てくれるようになるかもしれません。
4.動きづらく歩きにくい
犬が服を嫌がるのは、動きづらく歩きにくいからです。袖のある服は、犬にとって動きづらく歩きにくいです。腕が思うように動かせないのです。
服の袖が原因で歩き方がおかしくなってしまうと、手足の関節を痛めるなどの怪我の原因にもなってしまうかもしれません。
防寒服は、袖がなくても大丈夫です。内臓を冷えから守ることができれば十分なので、お腹周りをすっぽり覆うことができる服を着せてあげましょう。
まとめ
犬が服を嫌がる理由を4つ解説しました。
- 犬はすでに服を着ている
- 着たり脱いだりする瞬間がイヤ
- 被毛が絡まって痛い思いをした
- 動きづらく歩きにくい
犬は服を着ることを必要としていません。しかし、病気や怪我などを理由にどうしても着てほしいことがあります。服を着ることで犬の安全や健康や命が守られることもあります。
服を嫌がり、着せるのを拒否されることは自然なことですが、サイズや素材を変えたり、ボタンやファスナーやマジックテープなしにしたり、袖のない服にするなどの対処をしてみましょう。
我が家の愛犬は、レース素材で伸縮性のある服をお散歩のとき必ず着ています。機能性は汚れ防止くらいですが、この服のみ嫌がらないため、服に慣れるための練習の延長で、もう10年も着ています。
もしも愛犬に服を着せたいのであれば、嫌がりにくい最高の1着を見つけてあげられるとよいのではないでしょうか。