犬の忠誠心とは
「忠犬」という言葉もなじみがあるほど、「忠誠心」といえば犬を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。どうして犬は飼い主に強い忠誠心があり従順なのでしょうか。
野生時代の犬は群れで生活していました。集団のリーダーには仲間全員が従い、高い忠誠心を持って行動していたため、上下関係や序列を認識していたといわれています。その習性が残っており、飼い主=リーダーとして従うのです。
また、犬は元々知能が高く、長い歴史の中で人と共に生きてきたため、飼い主に対して従順な動物です。
忠誠心が強い「従順な犬種」とは
前述の通り、その歴史や知能の高さゆえ犬は元々飼い主に従順な動物です。その上で犬種としての特性も相まってより従順であるといわれる犬も存在します。
そこで今回は、忠誠心が強い「従順な犬種」についてご紹介します。
1.柴犬
柴犬をはじめとする日本犬は「忠犬ハチ公」の印象もあり、従順な犬種として認知度が高いですよね。縄文時代からわたしたちの祖先と一緒に生活し、協力して鳥や小動物の狩りを行っていました。
長く人と生きてきた歴史から信頼したリーダーには深い忠誠心を示し、全力で守ろうとします。
一方で、飼い主さん以外にはなかなか心を開かず、意外と頑固な一面も持ち合わせています。子犬期に人や他の犬と積極的に触れ合う機会を設けてあげましょう。
2.ラブラドール・レトリバー
ラブラドール・レトリバーといえば「盲導犬」のイメージが定着しているため、「賢くて従順」との認識は浸透しているのではないでしょうか。元々狩猟犬としての歴史もあるため、人のために働くことに喜びを感じる犬種です。
忠誠心の高さに加え、とても温厚で愛情深いので、子どものいる家庭にも馴染みやすいでしょう。
ただし、体が大きいので、遊びに夢中になり怪我をしてしまうことも。しっかりとコントロールできるようにしつけを行いましょう。
3.ボーダーコリー
全犬種の中でもトップクラスの知能をもつボーダーコリーは、羊を追う牧羊犬として今でも世界中で活躍しています。その身体能力の高さから、飼い主さんとペアになって障害物をクリアするアジリティも得意とします。
家族と過ごすことが好きな愛情深い性格で、信頼を置いた人にはとても従順です。しっかりとトレーニングを行うことで、一生涯の優秀なパートナーとなり得るでしょう。
4.トイプードル
国内人気犬種で常に上位に入るトイプードル。ぬいぐるみのような愛らしい姿ですが、実は知能が高く賢いことはあまり知られていません。水辺の猟犬として活躍していた歴史から、飼い主への忠誠心が高く従順な犬種です。
新しいことを覚えるのが得意で、呑み込みも早いためしつけも比較的容易です。このことも家庭犬として受け入れられる要因のひとつでしょう。知能の高さゆえ、一貫性のないしつけをしているとわがままになることもあるので気を付けましょう。
5.ジャーマン・シェパード
賢さとその力強い肉体から警察犬や災害救助犬しても活躍しているジャーマン・シェパード。要求を忠実にこなす姿からは、忠誠心の高さがうかがえます。少し強面な見た目からは想像もつかないほど、家族への愛情は深く献身的です。
大型犬ゆえパワーがあり、また警戒心が強い一面もあるため、しっかりとトレーニングをしなければトラブルを招いてしまう可能性も。犬の飼育経験があり、時間と体力に余裕がある人向けの犬種といえます。
犬の信頼を得るために飼い主がすべきこととは
忠誠心が高く従順な犬は総じて知能が高い犬種が多いです。
そんな賢い犬の信頼を得るために飼い主がすべきこととは何でしょうか。ここでは、大切なポイントをおさえておきましょう。
- 深い愛情とコミュニケーション
- 一貫性のあるしつけ
- 飼い主が穏やかでいること
惜しみない愛情と積極的なコミュニケーションは、最も根底にある大事なポイントです。愛情を受けた犬は「この人のために」と忠誠心を誓います。そうするとしつけも行いやすくなりますが、人によって違ったり場面で言うことが違うと混乱します。
犬の信頼を得るには、飼い主として一貫性のあるしつけをしましょう。
また、犬はわたしたち人間の表情や仕草、声のトーンから感情を汲み取り、同じような気持ちになります。飼い主さんがいつも穏やかでいることが愛犬を安心させ、信頼を育むことに繋がります。
まとめ
今回は、忠誠心が強い「従順な犬種」をご紹介しました。
犬の性格は個体差、飼育環境によるものも大きいので、参考程度に留めていただければと思います。従順な犬は知能が高い犬種が多いので、しっかりとしたしつけを行うことが非常に重要です。
愛犬がどのような子であれ、最後まで愛しぬくことが飼い主としての責務です。何にも代えがたい一生涯のパートナーとなるでしょう。