犬の「歯磨き嫌い」を克服する方法
犬は虫歯になりませんが、成犬の8割が歯周病を抱えているとされています。愛犬の口臭や歯石、気になっていませんか?
歯周病は口の中の問題ばかりではありません。心臓病などの重篤な病気を引き起こす原因にもなります。
口の中の菌は全身をめぐり、脳にも達することができるため、認知症の原因にもなるとされています。様々な臓器に悪影響を及ぼすのです。
愛犬の歯磨き嫌いは、焦らず少しずつ克服できるよう、小さなことから始めてみましょう。
1.指で歯磨きをする
まずは、口の中に飼い主の指を入れ、歯磨きの練習をしてみましょう。指に犬用の歯磨き粉やデンタルジェルをつけ、歯や歯茎を磨くように触れます。
歯磨き粉やデンタルジェルには殺菌成分が含まれているため、口の中で菌が繁殖することを抑制することができます。
ミルクやチキンやチーズなど、愛犬が好むフレーバー付きのものがおすすめです。ニオイを嗅がせたり舐めさせたりするのも、歯磨き嫌いを克服するための練習になります。
2.シートで歯磨きをする
犬の口の中には、意外と食べカスが残っています。歯の表面や隙間には、歯垢もたまっています。歯磨きシートを指に巻きつけ、歯や歯茎を磨くようにして拭き取ります。
指だけでは嫌がりにくくなったけど、シートを巻きつけていると嫌がりやすい、ということがあります。
そのような場合は、「今日は上の歯のみを歯磨きシートで磨き、下の歯は指に歯磨き粉やデンタルジェルをつけて磨く。明日はその逆」というふうに、歯磨き方法を混ぜながら行ってみるのも、歯磨き嫌いを克服するための練習になります。
3.歯ブラシを見極める
一度に全ての歯をシートで磨けるようになったら、次は歯ブラシを使って歯磨きをする練習に取り掛かりましょう。
犬用の歯ブラシは、とにかく種類が豊富です。
スティック歯ブラシは柄の部分を手に持って磨くタイプ、指サック歯ブラシは指に付けて磨くタイプで、360度ブラシになったタイプの歯ブラシもあります。
愛犬が嫌がりにくい歯ブラシを見極めるため、初めは色々なタイプの歯ブラシを使って試してみるのがおすすめです。
ブラシが短毛のもの、長毛のものもあります。ブラシがやわらかいもの、硬いものもあります。飼い主が手に持ちやすいこと、磨きやすいことも考慮してみましょう。
飼い主が取り扱いにくい歯ブラシは、犬も嫌がりにくいです。
4.磨ける範囲を広げる
歯磨き嫌いを克服するための練習をしている犬にとって、いきなり一度に全ての歯を歯ブラシで磨くことは難しいです。
『今日は前歯を磨く。明日は右上の歯を磨き、明後日は左上の歯を磨く。今日は内側を磨き、明日は外側を磨く。』など、このように少しずつ磨ける範囲を広げていきます。
歯磨きをした後なのに!?と思われるかもしれませんが、上手に磨くことができたご褒美におやつを与えても大丈夫です。
5.ルーティンを作る
実は、我が家の愛犬たちが歯磨き嫌いを克服したおすすめの方法があります。
まずは、歯磨きをするためのルーティンを作ります。
(朝バージョン)
- 起きる
- トイレに行く
- お散歩に行く(天候が悪い日は室内での遊びの時間)
- ごはんを食べる
- 歯磨きをする
- ご褒美のおやつを食べる
これは、我が家の愛犬たちの朝のルーティンです。必ずこのルーティンで過ごしています。「歯磨きをすること」をルーティンに入れておくと嫌がりにくい、というのがポイントです。
(この後は歯磨きか…)と考えているのでしょう。歯磨きの後のおやつもルーティンにしているので、(楽しみが待っている)という気持ちでもあるのだと思います。
いつ歯磨きをされるか分からない状態であると、嫌がりやすいという印象です。飼い主が歯磨きしやすいタイミングでよいと思いますので、ルーティン化してみましょう。
まとめ
愛犬の健康のため、歯磨き嫌いは克服できた方が絶対に良いです。
「歯磨き大好き!」になってもらうことは難しいですが、嫌がりにくくすることはできます。
それでも、歯磨きを嫌がる日があります。そもそも動物には「歯磨きをする」という概念がありません。歯磨きに慣れた犬にも、歯磨きをしたくない気分の日があるのです。
そんな日は、「朝に上の歯を磨き、夜に下の歯を磨く」という方法でも大丈夫です。飼い主にサボり癖がついてしまうと、気づけば数日が過ぎ、あっという間に歯石になってしまうので要注意です。
歯ブラシを嫌がる日は、指に歯磨き粉やデンタルジェルをつけて磨くだけでも、口の中の菌の繁殖を抑制することができます。犬の歯磨きは、完璧である必要はないと思います。