犬からヒトにうつる『病気』4選 感染経路は?今すぐ病院に行くべき危険な症状まで

犬からヒトにうつる『病気』4選 感染経路は?今すぐ病院に行くべき危険な症状まで

『犬からヒトにうつる病気』についてまとめました。人獣共通感染症は、意外と身近に潜んでいます。愛犬やあなたが感染しないという保障はありません。気になる症状が出たら、すぐに動物病院へ行きましょう。

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記事の監修

めのうアニマルクリニック院長。猫が大好きなあまり、犬と猫を分けた動物病院を開院。「犬にも猫にも優しい動物病院」をコンセプトにしています。腫瘍学を得意分野としていますが、しつけに対しても力を入れており、パピークラスを開校して子犬のトレーニングを行っています。

人獣共通感染症にかからないために

人の横で寝転がるトイプードル

犬からヒトにうつる病気のことを「人獣共通感染症」や「ズーノーシス」と呼びます。

あなたも愛犬から感染し、無症状で気づかなかった、ということがあるかもしれません。ちょっとした風邪のような症状が、実は人獣共通感染症によるものだった、なんてこともあるかもしれません。

重症化することもありますし、死に至ることもあります。愛犬と家族みんなが安全に健康的に安心して暮らせるよう、犬からヒトにうつる病気のことを知っておくことが大切です。

犬からヒトにうつる病気

大型犬に口を舐められる女性

世界保健機関(WHO)で確認された人獣共通感染症は200種あるとされ、病原体も様々です。背景にあるのは、犬を家族として迎え、密接した生活を送るということなのではないでしょうか。

犬からヒトにうつる病気を予防するために大切なことは、まず病気について知ること。そして、行き過ぎのない触れ合いをすること、適度な手洗いをすることです。

1.ツメダニ症

ツメダニ症は、犬からヒトにうつる病気です。ヒトが感染すると、強い痒みを伴います。水疱や丘疹ができることもあります。どれも一過性の皮膚症状です。

犬が感染している場合、痒み・フケ・脱毛などの症状がみられます。このような症状がみられたら、すぐに動物病院へ行きましょう。

ツメダニは自然界に存在するため、犬同士の接触がない場合でも感染することがあります。

愛犬の感染を防ぐためには、予防薬の使用が可能です。普段からよくドッグランに行く、他の犬と触れ合う機会が多い、という場合には獣医師に相談されてみてはいかがでしょうか。

2.レプトスピラ症

レプトスピラ症は、犬からヒトにうつる病気です。

レプトスピラという菌には「病原性」と「非病原性」があり、250以上にも分類されると言われています。病原性である場合には、レプトスピラに感染した犬の臓器中に保菌されています。

犬が感染すると、発熱・嘔吐・黄疸などの症状がみられます。すぐに動物病院へ行きましょう。レプトスピラの種類によっては死に至ることもあります。

レプトスピラは尿と一緒に排出され、菌を含む土や水に触れたことによって、犬に感染することがあります。お散歩中やドッグランの使用中の感染に注意しなければなりません。

愛犬や家族への感染が心配される場合には、予防のためのワクチンの接種が可能です。かかりつけの動物病院でご相談ください。

3.ブルセラ症

犬と一緒に体温計を確認する女性

ブルセラ症は犬からヒトにうつる病気です。

細菌の種類によって感染する動物が異なり、犬に感染する細菌には「ブルセラ・キャニス」があります。

動物での感染報告は年に数件程度であり、ヒトでも感染報告は年に数件あるかあないかといった程度です。

ヒトがブルセラ症に感染した場合、発熱・頭痛・停滞感などの症状がみられ、風邪の症状とよく似ているとされています。

犬がブルセラ・キャニスに感染した場合、不妊・精巣の腫れ・前立腺炎などの症状がみられることがあるとされています。また、妊娠中のメス犬の場合では、流産の可能性があるとされています。

4.パスツレラ症

パスツレラ症は犬からヒトにうつる病気です。

犬や猫などのペットからヒトへの感染が世界的に認められており、ヒトが感染すると、皮膚症状や呼吸症状をみられます。犬が感染した場合では、ほとんど症状はみられません。

パスツレラが犬の口の中で保有されている確率は75%ほど。愛犬の口の中にも菌が保有されている可能性が非常に高いです。

キスをしたこと、口元を舐められたこと、皮膚にできた傷口を舐められたこと、甘噛みをされたことによって、犬からヒトに感染することがよくあります。

まとめ

女性の顔を舐める犬

犬からヒトにうつる病気を4つ解説しました。

  • ツメダニ症
  • レプトスピラ症
  • ブルセラ症
  • パスツレラ症

愛犬への感染は予防薬の使用やワクチンの接種によって可能ですが、感染の可能性を考え、獣医師とよく話し合って判断しましょう。

飼い主や家族、ヒトへの感染は、犬との行き過ぎた触れ合いに注意すること、手洗いをしっかりすることで予防しましょう。

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