犬がしている「気づきにくい愛情表現」とは
「うちの子は愛想がなくて…」とおっしゃる飼い主さんが時々おられますが、実は気付いていないだけかもしれません。
犬は愛想がよいイメージがひときわ強い動物ですが、実は人間が「気づきにくい愛情表現」をして必死に伝えようとしている場合もあるのです。
そこで今回は、犬がしている「気づきにくい愛情表現」について解説します。愛犬に該当していないか、ぜひ確認してみてくださいね。
1.背中を向けて座る
愛犬が近くに来て、なぜか背中を向けて座ったという経験はありませんか。人間からすると相手に背を向けるなんて失礼と感じますが、犬の場合は全く逆です。
背中は死角になるので、野生動物にとっては見られてはいけない部位です。犬が自ら背中を見せるというのは「あなたは背中を任せても良い相手」と表現していることになります。
2.体をくっつけてくる
犬は大好きな相手に体をくっつけてくることがあります。部位は背中や顔、足など様々です。家で寛いでいるときにも、散歩中歩いているときにも見られます。
野生で暮らす犬は外敵が近づいたらすぐに気づけるよう、仲間と体をくっつけて寝る習性があります。飼い主に体をくっつけてくるのも「あなたを信頼している」という愛情表現です。
3.見つめてくる
犬は警戒しているときに相手をじっと見て、威嚇したり様子をうかがったりします。しかし、大好きな人を見つめて愛情を表現してくることがあります。
大好きな人と犬が見つめ合うと、互いの脳内ではオキシトシンが分泌されます。人間の赤ちゃんが親と見つめ合ったときと同じで幸せな気分になれます。
4.飼い主の服の上で寝る、遊ぶ
服は飼い主のニオイがつき、脱いだ直後であれば温もりも感じられます。安心できる要素がたくさんあるので、飼い主の服の上で寝る犬は多いです。
靴下も汗がしみ込むもので、咥えやすいので持ち出してしまう犬は多いです。イタズラではないので犬の手の届かない場所に置くようにし、あまり怒らないであげてください。
5.飼い主の手や顔を舐める
犬が相手の手や顔を舐めるときは多くが食べ物をねだるときや甘えるときです。犬は子犬時代に母犬の口を舐めて食べ物をもらっていたので、飼い主の手や顔を舐めるのはその名残です。
また、飼い主の手はおやつが出て来たり撫でてくれたりするので、犬にとって安心するものというのが理由でもあります。
他にも機嫌が悪い相手に落ち着いてほしいときや、体調が悪くて不安なときにも飼い主を舐めてくることがあります。
やけに甘えてくるなと思ったら病気だったという場合もあるので、愛犬の異変にはすぐに気づいてあげてください。
犬の愛情表現を見極めるコツ
犬が飼い主への愛情を表現していても、あなたは気づいてあげられますか。
次のような点に注目して、愛犬を観察してみてください。
表情の柔らかさを見る
犬が愛情を表現しているときはまず全体的に力が抜けて表情が柔らかいです。口は開くか自然に閉じられ、耳と耳の間が広くなるなどの特徴があります。
犬は警戒や威嚇をするときに目が見開く、毛が逆立つ、体がこわばるなどの変化を見せます。犬がリラックスしているときの表情をよく観察して覚えておきましょう。
穏やかな表情の犬と目が合う
犬が怖い顔をして相手を見つめていたら警戒や威嚇を示しますが、穏やかな表情であれば『ふれあいたい』『一緒にいると安心』と感じているということです。
犬がリラックスしているときに飼い主を見つめる、動きを目で追うといった行動が見られたら仲良くなるチャンスです。時間があれば犬に近づき、たくさんスキンシップをとってください。
かまってほしそうにしているか確認する
何度叱っても飼い主の衣類で遊ぶ、寝る、仕事の邪魔をするというような行動が見られたら、それは飼い主のことが好きということです。
人間の子どもなら(叱られたくない)と感じてしまうかと思いますが、犬は孤独を嫌う動物なので(叱られてもいいからかまってほしい!)と思うようです。
犬がかまってほしそうにしていたら、ひとりでいる時間が長くないか、見直してください。もし異常に寂しがる場合は精神的に問題がある可能性があるため、訓練士や獣医師に相談してみましょう。
まとめ
今回は、犬がしている「気づきにくい愛情表現」について解説しました。
犬には飼い主さんにストーカーのようについてくる甘えん坊な犬もいれば、自分の時間が欲しい自立した犬もいます。
あまりベタベタしない犬でも飼い主の気配が感じられる場所にいる、こちらを見つめてくるといった行動は見られるのではないでしょうか?
どんな犬でも世話をしてくれる飼い主さんのことは大好きなはずです。日頃から愛犬とよくふれあい、さり気ない愛情表現をしてきたら応えてあげてください。