犬の「分離不安」によくみられる症状
犬の分離不安に伴う症状は様々で、「まさか分離不安の症状だったなんて…」ということもあります。
特定の条件下におかれたときに症状が出る犬もいますし、突発的に症状が出る犬もいます。症状が出ているけれど飼い主に気づかれることがない犬もいます。
様子見で良さそうだけど心配な症状が続いているな…と感じられるときは、分離不安に伴う症状なのではないか、ということも疑ってみるとよいと思います。
お留守番中、何時間も鳴き続ける(吠え続ける)
飼い主と離れている間、何時間でも鳴き続けることがあります。留守中の飼い主が気づけることは少なく、近所からの苦情で気づかされた、ということがあります。
飼い主が2階の部屋に行っているだけで激しく吠える、飼い主が庭やベランダに出ているだけでも吠える、ということもあります。ほんの少し飼い主の姿が見えないだけでも不安なのです。
自傷行為をする
手足を舐め続けたり、手足の先やしっぽの先を噛みちぎったり、自傷行為をすることがあります。
手足を舐めてお手入れしている時間が長いなと感じるとき、皮膚に赤み・炎症・腫れ・傷・出血が見られるときは、すぐに動物病院へ行きましょう。
脱走する
心のコントロールが難しくなり、パニックを起こした犬が脱走してしまうことがあります。
自宅から脱走することもありますし、お散歩中に突然走り出して飼い主がリードを手放してしまうこともあります。ノーリードになるドッグランからの脱走にも注意が必要です。
ケージを破壊しようとして歯が折れたり欠けたりする
分離不安の症状が重症化すると、ケージから出たがり、ケージを破壊しようとすることがあります。歯が折れたり欠けたりすることがあるので要注意です。
犬の「分離不安」を改善する方法
飼い主が愛犬の分離不安を改善させようと行動すると、症状をより悪化させてしまうことがあります。
基本的には、獣医師・ドッグトレーナー・犬の分離不安の専門医に相談し、治療やトレーニングや指導を受けることをおすすめしたいです。
愛犬がひとりでも苦痛を感じることのない環境づくりをすること
分離不安の犬は、ひとりで過ごすこと、飼い主と離れることに強い不安や苦痛を感じています。そんな愛犬と「なるべく一緒にいよう!」と行動してしまうと、症状を悪化させてしまうことがありあります。
長く噛んで楽しめるおやつ(ガムなど)を与えたり、知育玩具を与えたりし、犬が退屈しない工夫をしてみましょう。
飼い主が家事や作業をしているときは愛犬もひとりで過ごすということに慣れるよう、家の中でもそれぞれがそれぞれの時間を過ごすための練習をしてみましょう。
不安で鳴いてしまってもすぐに声をかけたり駆け寄ったりせず、5分・10分・15分・20分と少しずつ時間を延ばしながら、離れた場所で見守る時間を作りましょう。
普段からお留守番の時間を作ること
どこに行くにも飼い主と一緒、お留守番をした経験が少ない、家族の誰かが常に家にいる、という状況で育った犬が分離不安になったときは、お留守番をする練習が必要でしょう。
5分・10分・15分・20分と少しずつ時間を延ばしながら、30分・1時間・2時間と、長時間のお留守番ができるようになる頃には分離不安もすっかり改善されているでしょう。
まとめ
犬が分離不安になる原因は様々にありますが、飼い主が原因を作ってしまっている可能性も否定できません。
子犬の頃の社会化トレーニングが不足したり、子犬の頃に飼い主と離れて過ごす時間がほとんどなかったり、母犬とあまりにも早く引き離されたことなどが分離不安の原因になることがあります。
過保護にし過ぎたこと、干渉し過ぎたことが愛犬を分離不安にさせてしまうこともあります。
引っ越しで慣れない環境の中ひとりでお留守番しなければならないなど、急激な不安とストレスに襲われたとき、分離不安の症状があらわれてしまうこともあるでしょう。
愛犬が(分離不安かも…)と感じたときは、獣医師・ドッグトレーナー・犬の分離不安の専門医に気軽に相談してくださいね。