犬の『分離不安』を改善する方法とは?よくみられる症状や代表的な治療法まで

犬の『分離不安』を改善する方法とは?よくみられる症状や代表的な治療法まで

『犬の分離不安を改善する方法』についてまとめました。愛犬にこのような症状がみられたら、要注意です。犬の「分離不安」の代表的な治療法を解説します。

お気に入り登録
SupervisorImage

記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

犬の「分離不安」によくみられる症状

クレートの中で吠えているダックス

犬の分離不安に伴う症状は様々で、「まさか分離不安の症状だったなんて…」ということもあります。

特定の条件下におかれたときに症状が出る犬もいますし、突発的に症状が出る犬もいます。症状が出ているけれど飼い主に気づかれることがない犬もいます。

様子見で良さそうだけど心配な症状が続いているな…と感じられるときは、分離不安に伴う症状なのではないか、ということも疑ってみるとよいと思います。

お留守番中、何時間も鳴き続ける(吠え続ける)

飼い主と離れている間、何時間でも鳴き続けることがあります。留守中の飼い主が気づけることは少なく、近所からの苦情で気づかされた、ということがあります。

飼い主が2階の部屋に行っているだけで激しく吠える、飼い主が庭やベランダに出ているだけでも吠える、ということもあります。ほんの少し飼い主の姿が見えないだけでも不安なのです。

自傷行為をする

手足を舐め続けたり、手足の先やしっぽの先を噛みちぎったり、自傷行為をすることがあります。

手足を舐めてお手入れしている時間が長いなと感じるとき、皮膚に赤み・炎症・腫れ・傷・出血が見られるときは、すぐに動物病院へ行きましょう。

脱走する

心のコントロールが難しくなり、パニックを起こした犬が脱走してしまうことがあります。

自宅から脱走することもありますし、お散歩中に突然走り出して飼い主がリードを手放してしまうこともあります。ノーリードになるドッグランからの脱走にも注意が必要です。

ケージを破壊しようとして歯が折れたり欠けたりする

分離不安の症状が重症化すると、ケージから出たがり、ケージを破壊しようとすることがあります。歯が折れたり欠けたりすることがあるので要注意です。

犬の「分離不安」を改善する方法

ボストンテリア、おやつが隠れた青いおもちゃ

飼い主が愛犬の分離不安を改善させようと行動すると、症状をより悪化させてしまうことがあります。

基本的には、獣医師・ドッグトレーナー・犬の分離不安の専門医に相談し、治療やトレーニングや指導を受けることをおすすめしたいです。

愛犬がひとりでも苦痛を感じることのない環境づくりをすること

分離不安の犬は、ひとりで過ごすこと、飼い主と離れることに強い不安や苦痛を感じています。そんな愛犬と「なるべく一緒にいよう!」と行動してしまうと、症状を悪化させてしまうことがありあります。

長く噛んで楽しめるおやつ(ガムなど)を与えたり、知育玩具を与えたりし、犬が退屈しない工夫をしてみましょう。

飼い主が家事や作業をしているときは愛犬もひとりで過ごすということに慣れるよう、家の中でもそれぞれがそれぞれの時間を過ごすための練習をしてみましょう。

不安で鳴いてしまってもすぐに声をかけたり駆け寄ったりせず、5分・10分・15分・20分と少しずつ時間を延ばしながら、離れた場所で見守る時間を作りましょう。

普段からお留守番の時間を作ること

どこに行くにも飼い主と一緒、お留守番をした経験が少ない、家族の誰かが常に家にいる、という状況で育った犬が分離不安になったときは、お留守番をする練習が必要でしょう。

5分・10分・15分・20分と少しずつ時間を延ばしながら、30分・1時間・2時間と、長時間のお留守番ができるようになる頃には分離不安もすっかり改善されているでしょう。

まとめ

家具の下から顔を出す垂れ耳の犬

犬が分離不安になる原因は様々にありますが、飼い主が原因を作ってしまっている可能性も否定できません。

子犬の頃の社会化トレーニングが不足したり、子犬の頃に飼い主と離れて過ごす時間がほとんどなかったり、母犬とあまりにも早く引き離されたことなどが分離不安の原因になることがあります。

過保護にし過ぎたこと、干渉し過ぎたことが愛犬を分離不安にさせてしまうこともあります。

引っ越しで慣れない環境の中ひとりでお留守番しなければならないなど、急激な不安とストレスに襲われたとき、分離不安の症状があらわれてしまうこともあるでしょう。

愛犬が(分離不安かも…)と感じたときは、獣医師・ドッグトレーナー・犬の分離不安の専門医に気軽に相談してくださいね。

はてな
Pocket
この記事を読んだあなたにおすすめ
合わせて読みたい

あなたが知っている情報をぜひ教えてください!

※他の飼い主さんの参考になるよう、この記事のテーマに沿った書き込みをお願いいたします。

年齢を選択
性別を選択
写真を付ける
書き込みに関する注意点
この書き込み機能は「他の犬の飼い主さんの為にもなる情報や体験談等をみんなで共有し、犬と人の生活をより豊かにしていく」ために作られた機能です。従って、下記の内容にあたる悪質と捉えられる文章を投稿した際は、投稿の削除や該当する箇所の削除、又はブロック処理をさせていただきます。予めご了承の上、節度ある書き込みをお願い致します。

・過度と捉えられる批判的な書き込み
・誹謗中傷にあたる過度な書き込み
・ライター個人を誹謗中傷するような書き込み
・荒らし行為
・宣伝行為
・その他悪質と捉えられる全ての行為

※android版アプリは画像の投稿に対応しておりません。