犬を嫌な気持ちにさせている「飼い主の行動」
『犬の問題行動』とはよく言いますが、『飼い主の問題行動』というものがあることをご存じでしょうか。
犬の困った行動を問題だとするのは、飼い主にとって不都合な行動だからであり、犬にとっては理由や意味のある行動である、ということをご理解いただけているかと思います。
飼い主にとっては愛犬のためを思っての行動であることが、実は愛犬からは「飼い主の困った行動」としてとらえられていることがある、ということについてはいかがでしょうか。
「こうした方がいい」「こうするべきだ」「犬とはこういうものだ」という飼い主の勘違いが、愛犬を不快にさせ、嫌な気持ちで過ごしているかもしれません。
1.排泄の度に陰部や肛門を拭いたり洗ったりすること
排泄の度に陰部や肛門を拭いたり洗ったりすると、ヒリヒリとした痛みを伴うことがあります。皮膚を傷つけてしまうことがあります。とっても敏感な部分だからです。
拭き方や洗い方にもよりますが、実は犬を嫌な気持ちにさせている飼い主の行動なんです。
おしっこの後の陰部、うんちの後の肛門は、ティッシュやトイレットペーパーを使って、トントンと押し当てるだけで十分にキレイにすることができます。
排泄の直後にトントンとしてあげることができれば、ニオイが強くなってしまうことを防ぐことができます。
ウェットティッシュやボディータオルで拭いたり、シャワーで洗い流したりする必要があるとすれば、被毛にうんちがべったり付いてしまったとき、うんちが緩かったときでしょう。
おしっこやうんちで被毛が汚れてしまったときのお手入れは、毛の流れに沿って優しく拭き取るのがポイントです。
2.イタズラや失敗をしつこく叱り続けること
イタズラや失敗をしつこく叱り続けても、犬はそのほとんどを理解できません。怒った態度の飼い主の姿は、犬を不安にさせ、怖い思いをさせてしまいます。
そんな時間が長く続くと、ストレスから心身の調子を悪くしてしまったり、飼い主のことを嫌がったり避けたりするようになってしまうことがあります。
大切なことは、イタズラや失敗を叱るのではなく、イタズラや失敗をさせないための環境づくりをすることです。
お留守番中や飼い主が目を離した隙のイタズラや失敗を“事後”に叱っても上手く理解できません。
もしもイタズラや失敗を見つけたときは、その最中や直後に「ダメ」「いけない」と一言だけ声をかけ、しつこく叱り続けないことが、犬に伝えるためのポイントです。
3.目を閉じて寝ているときに触ったり構ったりすること
目を閉じて寝ているときに触ったり構ったりすると、睡眠の質が落ちたり、十分な睡眠を取ることができなかったり、安心して眠ることができなくなってしまうことがあります。
犬がちょっとした物音がするだけで起きてしまうのは、1日の平均睡眠時間である12時間~15時間のうち、ほとんどが眠りの浅いレム睡眠だからです。
たとえ浅い眠りであったとしても、犬にとっては体と心を休める時間です。触ったり構ったりされると、休まらず、疲れが蓄積されてしまうことがあります。
犬が目を閉じて寝ているときは、不要に触ったり構ったりせず、そっと見守ることが大切です。
まとめ
犬を嫌な気持ちにさせている「飼い主の行動」を3つ解説しました。
- 排泄の度に陰部や肛門を拭いたり洗ったりすること
- イタズラや失敗をしつこく叱り続けること
- 目を閉じて寝ているときに触ったり構ったりすること
あなたは「飼い主の問題行動」をしていませんか。飼い主の問題行動は、気づけることが大切です。
もちろん、犬それぞれに得意なこともあれば苦手なこともあります。愛犬が飼い主の行動の中で何を好み、何を嫌がるのかを把握し、配慮のある行動をするとよいと思います。