犬が「目を細めている」ときの心理とは
わたしたち人間も犬も、目は視覚情報をキャッチする大事な入口です。見開いたり細めたり…目の状態から多くの感情や心理を読み取ることができます。
犬が目を細める理由は、生理的・心理的要因と病的要因に大別されます。それぞれ具体的に見ていきましょう。
1.リラックスしている
犬はリラックスしていたり心地が良いときに目を細めることがあります。わたしたちも入浴した際などに、気持ちが良くて「ふぅ~」っと思わず目を細めることがありますよね。犬も同じなのです。
お腹いっぱいごはんを食べた後や、たくさん散歩した後など満足したときにも同様の仕草をすることがあります。
また、大好きな飼い主さんに撫でられているときにも、深い充足感から自然と目を細め、そのままウトウトと眠ってしまうこともあるでしょう。
2.緊張やストレスを感じている
例えば、他の犬に見つめられているときに、緊張から目を細めることがあります。自分自身を落ち着かせ「敵意はないから安心して!」と相手に伝えているのです。初めての場所や苦手な動物病院などでこのような仕草を見せることもあります。
また、飼い主さんに叱られたときや何か不安に思うことがあるなど、ストレスを感じたときにも目を細めて気持ちを落ち着かせます。トレーニング中に愛犬が何度も目を細めたときは、ストレスを感じているのかもしれません。無理せず休憩するなど対処したほうが良いでしょう。
目を細めているため笑顔に見えるかもしれませんが、もしかしたら「ストレススマイル」と呼ばれる反応かもしれません。緊張やストレスなど負の感情でも笑っているような表情をすることもあります。そのときの状況や愛犬の様子を見て判断し、原因を探ってあげてください。
3.眠たい、まぶしい
犬も眠気を感じていると目がしょぼしょぼとしたり、目を細めます。座ったままコックリ…という様子を見たことはありませんか。
眠くて仕方のないときや、反対に寝起き直後にまだ瞼がしっかりと開かないときに、このような仕草を見せます。
また、犬はわたしたちよりも光に敏感なので、窓から差し込む日差しや日中の散歩時に目を細めることがあります。カーテンを引いたり日陰に移動するなど、何かしらの対応をしてあげると良いですね。
これらは生理的な反応から目を細めているので、飼い主さんも判断しやすいといえます。
4.目に痛みや違和感がある
ホコリや砂、トゲや小さな虫など異物が目に入ったときに違和感を感じて目を細めることも。
とくに、散歩から帰ったときに目を気にしていたら要注意です。可能な範囲で目に異物がないか確認してください。自宅にいてもホコリや自分の被毛が目に入ることもあります。
また、アレルギーや花粉症などが原因で痒みを生じていることもあります。結膜炎やドライアイなどの目の病気や、逆さまつげなど角膜への刺激によって目に痛みを感じている可能性もあるので注意が必要です。
犬が「目を細めている」ときのマイナス要因を判断する方法
犬が「目を細めている」ときの心理には、プラスの気持ちだけではなく、緊張やストレスからくるものであったり、目の病気など、マイナス要因もあることをご紹介しました。
では、そのマイナス要因を判断するには、どのような方法があるのでしょうか。
ここからは、考えられる2つのマイナス要因それぞれについて判断方法を解説します。愛犬が目を細めている原因がマイナス要因と感じたら、そのマイナス要素をすみやかに排除できるように確認しておきましょう。
緊張やストレスの場合
前述の通り、緊張やストレスを感じると、犬は自分を落ち着かせようと目を細めることがあります。
しかし、目は笑っているように見えても顔全体を見るとこわばっていたら、それは「ストレススマイル」の可能性が高いです。わずかながら鼻にシワが寄っていたり、低い体勢で尻尾が下がっていることも。
初めての犬や人と出会ったとき、見知らぬ場所へ行ったときに目を細める仕草を見せたらストレスを感じていると理解しましょう。守ってほしいと飼い主さんを見上げることもあります。
愛犬の気持ちを最優先に、無理のない範囲でその場から立ち去ることが最善です。動物病院では、優しく声をかけ愛犬の不安をなるべく取り除いてあげましょう。
異物混入や病気の場合
目に何か異物が入ったり、アレルギーや何かの病気が原因の場合は、以下のような仕草や症状がみられることがあります。
- 目ヤニが多い
- 涙が出ている
- 目が濁っている
- 目の色が白い赤い
- 目を頻繁にこする
犬が「目を細めている」ときに、同時にこのような仕草や症状を確認したら、目の病気やケガをしている可能性が高いです。
そのため、まずはかかりつけの動物病院をすぐに受診してください。そのままにしておくと状況が悪化することも考えられます。
まとめ
犬が「目を細めている」ときの心理には、実に様々な理由や原因が隠されていることがわかりました。そのため、愛犬が目を細めているのを見かけたら、そのときの状況や愛犬の様子を注意深く観察して見極めましょう。
最も大切なことは、わずかな異変でも迷わずかかりつけの獣医師さんに相談することです。もし目の病気を発症していれば、早期発見が治療の重大なカギとなります。
愛犬とスキンシップをとりながら、普段と異なることはないか、日ごろから確認・観察することを心がけてくださいね。